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二人の少年と、一人の少女

村上春樹編訳の「恋しくて」を読んだ。

外国の小説は読まない、なんせ英語がわからないから。
ここに収められている10作ぜんぶが好きで、もっと英語を真面目に勉強しておけばよかったと思った。英語が読めたら好きな作品に出会える可能性が広がる。
でもここでさぁ勉強を始めようとは思わない。
そんなの大変すぎる、考えただけで吐きそう。
これからは春樹さんの作品以外に、春樹さんが興味を惹かれて訳してくれた作品もこれから読みたい本の対象になるのだ。嬉しい。

中でもとりわけ好きだと思ったのは、ドバイアス・ウルフの「二人の少年と、一人の少女」

恋仲のレイフとメアリ・アン。メアリ・アンに想いを寄せるギルバート。
レイフが家族と旅行に行ってる間、メアリ・アンとギルバートは2人で過ごし、仲が深まっていく。
お互いの気持ちはわかってる。
今日はレイフが戻ってくる日。
これまで通りの3人でいると決めたメアリ・アン。

メアリ・アンとギルバートは、メアリ・アンの家の垣根のペンキ塗りをしている。
これまでずっとお父さんと白で塗り直してきた。
ギルバートが持ってきたのは赤いペンキ。

「私たちに必要なのは白よ。今までと同じように。」
「これが正しい色なんだ。白なんてお呼びじゃないさ。僕を信じてくれ。」
「でもおうちは白なのよ。」
「そのとおり、隣の家も白だ。君がここに白い垣根を巡らしたなら、そいつは退屈以外の何者でもない。」
...
「私はどうも気が進まないな。少なくとも今回はね。次の時はそうするかもしれない。もしお父さんがそれでいいって言えば。」
「なぁ、メアリ・アン。お父さんが君に求めているのは、君が自分の頭でものを考えることだよ。僕にまかせてくれないか?」


退屈さを感じたら、あたりまえに繰り返してることにちょっと変化を加えてみようか。
できれば遊び心を付け足して。

印象的だった一説。

この冬からスカッシュをやり始めたのと同じ理由で、この男はオペラにも興味を持ち始めたんだな。いわば、アクセサリーとして。


アクセサリーはいらない。

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