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企業文化でオペレーショナル・エクセレンスを生みだす

この記事のサマリ:

・大上段の戦略だけを描くだけでは物事は成し遂げられない。
・顧客に価値を届けるという実行をやりきる「Execution」までセットになっている必要がある
・戦略をEnhanceして実行できるようにするのが企業文化であり、
・戦略と企業文化により実行の基準を高く保つことができることで、オペレーショナル・エクセレンスが生まれる
・LayerXは文化に投資することで、顧客に届けられる価値をどの企業よりも最大化したい

0. はじめに

どうも、すべての経済活動をデジタル化したい、LayerXの牧迫(@35_mki)です。法人支出管理SaaS「バクラク」シリーズを提供しているバクラク事業部で事業部長を務めております。

最近は年末も近づいてきたということで、ふるさと納税で地元鹿児島の焼酎と鳥刺しを嗜んでおります。いやー、うまい。


今年の7月に「ファネルを科学する。コホートを駆使して事業解像度を高める「シン・ザ・モデル」」という事業計画作成についての記事を公開してから早いもので半年近く経ちました。
記事公開後に複数社の方と事業計画の作り方について議論させて頂く機会にも繋がり私としても大変勉強になりました。

上記事業計画の策定方法を前提としたKPI経営については代表の福島からも以下の記事にて言及があり、LayerXにおける「事業計画の作り方」やそれを元にして「KPI経営の実行方法(どのように日々の実行・改善につなげていくか)」について輪郭が見えてきたのではないでしょうか。

計画と現実のズレは必ず起こります。ただそのズレの原因は何なのか、改善できるのか、あるいはアンコントローラブルで運に任せるしかないのかなどを分析して、現実的に改善できる要因を見つけて翌月以降の施策に生かしていく。それがKPI経営の本質と考えます。

KPI経営、設定はシンプルに 組織への落とし込みも有効(日経ビジネス)
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00509/102700007/?P=2

やっていることは単純といえば単純なのですが、
計画する→実行する→測定する→差分認識する→実行を改善する(or 計画の前提を変える)
というサイクルを繰り返しており、定常的にPDCAが回っている状態を目指した活動をしています。

また、LayerXには、「実行と戦略を分けない」というカルチャーがあります。

戦略(≒計画)と実行を密に連携させることで「高い水準の当たり前」でプロセスを磨ききれるかを経営として重要視しています。

本記事では、
・なぜ戦略と実行を分けないことが重要か?
・そのためにLayerXではどのような取り組みを行っているか?
を噛み砕いて行こうと思います。

1. 事件は現場で起きている

「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」

有名な某ドラマのセリフ

某ドラマのセリフの抜粋ですが、すべての仕事に通ずる考え方ではないでしょうか。
要はどれだけ会議室で戦略を喧々諤々議論したところで物事の実態はつかめず、会議室を飛び出して顧客の生の声を聞くことで初めて解像度が高まり戦略を描ける、という話と私は理解しています(勝手に)

LayerXのプロダクト開発においては、「使われないものを作らない」というカルチャーがあり、顧客のペインの解像度が高くないと提供価値の高いプロダクトにはならないという信念のもと、本当に価値のある機能を考え抜いて作るということを大事にしています。(サービス/機能開発に際してはPdMのみならずエンジニアも同席して数十回〜時には3桁回のヒアリングを実施することもよくあります。)

「戦略」と聞くと何か大上段から降って来そうなイメージがありますが、特に新規サービス立ち上げフェーズのLayerXでは「仮説検証を深く行いシャープになった顧客課題をプロダクトの力で解決する」という戦略のもと、「現場で実行を重ねる中で得た情報を戦略サイドにできる限り早く正確なフィードバックを行うことで戦略を進化させていく」という実行を起点とした戦略ブラッシュアップの仕組みを回すことで提供価値と提供スピードの最大化を図っています。

①〜④をぐるぐる回し続ける

戦略と実行が分断されてしまうとどうなるのでしょうか?

例)マクロデータや海外市場動向を元に社長がプロダクト戦略を策定し現場が実行する組織
例)タイムマシン経営

といったようなイメージをするとわかりやすいかもしれません。
要は頭でっかちな戦略になり、「誰の何を解決しているのか」を戦略サイドが言語化できない状態で実行だけ回し続けることになります。
これでは課題解決もままならず、提供価値が最大化されません。

つまり「戦略と実行が一体」というのは「マーケットインの極地」のようなもので、LayerXではそれを愚直に実行しています。
戦略仮説を実行し、実行時に得られたデータのフィードバックを元に戦略をブラッシュアップしまた実行し、の繰り返しで成功確度をあげることに組織として取り組んでいるのです。

※ 仮にCEOが「XXという機能あった方が良くね?」みたいなことを思いつきで言ったとしてもLayerXでは絶対に誰も作りません。

2. 戦略と実行の両輪を回すガソリンは「企業文化」

提供価値を最大化するためには、戦略と実行をわけず、相互フィードバックのサイクルを高速で回すのが重要です。
では、このサイクルを可能な限り早く回すにはどうすればよいのでしょうか?

答えは「企業文化」にあると考えます。

以下福島の記事から抜粋します。

「賢明さ」は事業戦略、「健全さ」は企業文化で表されます。多くの会社はわかりやすい「賢明さ」には投資しますが、「健全さ」には投資しません。しかし賢明さの部分はどこの会社も頑張って考えるので、会社の成否を分けるのは「健全さ」の部分なのです。言葉にすると当たり前に思えるようなことを徹底することが企業の成否を分けています。

これは自分の10年の経営者人生で感じた実感とも一致します。

世の中では会社の成否の要因として「PMF、ユニットエコノミクス、Expand戦略」など賢明さの部分に多く焦点が当たります。一方で「あの会社は企業文化がいいから成功した」「あの会社は当たり前のことを日々やり続けて成功した」という内容はあまりにも刺激が少なく、凡庸に感じてしまうためなかなか言及されないように思われます。しかしこの10年間で成功して行った会社は優れた事業戦略よりも優れた企業文化、それに紐づいた人材育成・人材採用を徹底した会社だと感じます。

企業文化に投資する(福島良典 | LayerX)

「企業文化」というのは成功要因としては語られづらいテーマな気がしますが、確かに良い会社には良い企業文化が存在していると思います。

これがどういうことかというと、
戦略と実行の間には「企業文化」が存在していると考えます。
情報伝達スピードの高速化により戦略がどんどんコモディティ化していく中で、(特に資源の豊富ではないベンチャー企業における唯一の)勝ち筋は「どれだけ戦略と実行のサイクルを早く回せるか」というスピードになります。

「企業文化」がなぜ重要かというと「判断に迷ったときの拠り所となり、実行者の背中を押す手助けとなるから」です。
過度にカクニンやショウニンといったプロセスを挟まずとも各所でプロセスの高速化が起こることで改善スピードが向上し、結果として提供価値の質を担保しながら提供スピードを改善していく、ということが可能になると考えています。

※ 個人的にはRPGゲームのバフのようなイメージが近いです。
勝敗を左右するけど攻撃呪文(≒戦略)と比べると日が当たりづらい、
でも組織をenhanceするのが企業文化。

これを組織全体でできるようになることが強い組織であり、高速に繰り返し続けた結果として所謂「オペレーショナル・エクセレンス」が生まれる、と考えています。

LayerXでは「企業文化に投資する」ことで戦略と実行の高速サイクルを生み出し、「オペレーショナル・エクセレンス」を生み出したいと考えています。

3. おわりに

いかがでしたでしょうか。
色々文字に起こしてみたもののの、LayerXでオペレーショナル・エクセレンスが生み出せているかというと、まだまだこれからだと認識しています。
※ 最近入社された方からも「(良い意味で)想像より全然整ってないですね!!」と目をキラキラさせながら言われましたが、伸びしろだらけということで個人的にはとてもポジティブに捉えています。

LayerXでは高速で戦略⇔実行のサイクルを回しながら顧客提供価値を最大化するプロダクト開発を牽引していただける方を募集しています。
少しでもご興味在りましたらぜひカジュアルにお話しましょう。

↓DMもお気軽にどうぞ。
https://twitter.com/35_mki

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