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カリリと噛んでみようか。

ある月曜日、小学生の娘が手書きの地図を持って帰ってきました。その地図をたどって目的地へ行ってみることにした時から、私たちのワクワクする冒険が始まりました。

娘は初恋の相手に向かって自転車を漕ぎ出しました。
私はnoteの世界に飛び立ちました。



私はちょうど一年前の今日、noteにやって来ました。

noteはブログとは一味違う、交流型のSNSです。私には敷居が高いなあと思っていました。そもそも、誰かに発表する形で記事を書くという勇気はあるのか、書きたい情熱はあるのか、自分で自分と相談しました。

・・・答えは、「ある」。

私はきっと、なんてことないどこにでもいる中年女性。電車をホームで待つ私。スーパーで重い買い物カゴを持つ私。誰も目に止めることはないと思います。

毎日毎日を、母として、妻として、娘として、くるくると忙しく動き続けています。そんな私がふと心の中を照らしてみたら、驚くほど沢山のエピソードが氷山のようにぷかぷかと浮かんでいることに気がつきました。

自分のために書きたい。

そう思いました。
目の前でどんどん起こって移り変わっていく家族の風景を書き留めておきたくなったのです。

娘とのかかわりのなかで、些細ですぐ忘れてしまうような、でも、後から思い出したらかけがえがないはずの、手からこぼれてしまいそうな出来事がよく起こります。

それを、つぶさに大切に書こうと思いました。

でも、書き始めて気がつきます。氷山はちょっとしか見えてなくて、書き出すとその全体像は物凄く巨大だったことに。

書いては消し、
書いては消し。

どう伝えたら、この心の震えを感じてもらえるだろうか。

遠ざかる娘の背中に見た躍動感と悦びが、あらためて胸に去来します。
「この気持ちを誰かと分かち合いたい!」
その一心でした。みんなが寝静まった薄暗い部屋の片隅で明るいディスプレイに向かい、一人でコツコツと書いていきました。

ついに最後まで書いて投稿ボタンを押す時。その緊張感といったらありませんでした。変な汗が身体中から出て、心拍数が上がって、視界は狭くなって、顔が赤くなったり青くなったりしました。


⭐︎⭐︎⭐︎


今、投稿ボタンを押す時、前みたいにドキドキすることはなくなりましたが、今一度、押す前に、確認することがあります。

「今回の記事も、自分のために書けているかな?」

自分の胸に問うてみて、書きたかった氷山の切れ端が少しでも溶け込んでいれば、goサインです。

書いてる時に、どうしてもやはり、誰かの視線を意識してしまったり、スキへの繋がりを計算したり、そういうことをしそうになる私がいます。私も人間です。そういう自分も素直に存在させています。
ただ一つ、最初に書きたいと思った時の衝動が鮮烈な塊としてあったはずで、それがこのnoteの文字列の中に開放できているのか、私の良心として胸に問います。

今も、私の中に書きたいことが氷山のように浮かんでいるのが見えます。目を凝らすと、それらは大きなものばかりではなく、小さなもの、中くらいのもの、極小のものもあります。そしてそれらは、うっすらと色もついているようです。

書き始めてみないと、どんな風に始まって終わるのかはわかりません。極小に見えても、奥行きがあり複雑な形状をしているかもしれません。

noteに連れてくるには困難を極めそうな氷山の群れですが、ひとつひとつ取り出していきたいです。最近はそれを噛んでやろうかと思っています。どんな味がするのでしょうか。
弾けるような光をともなった
なめらかな丸みを帯びた
しっとりしたすべすべの



カリリと噛んでみたら、さらにもう一度、自分を通してから書くことになりそうです。それも良きです。


⭐︎⭐︎⭐︎


noteで仲良くしてくださっているみなさん、いつもありがとうございます。みなさんの素晴らしいnoteを読みに行くことで、いつも感銘を受けています。みなさんのように煌めく書き手になりたいです。心から、そう思います。

最後に、note 第二作目の記事に、私の中にあるいくつかの氷山を書いておりますので貼っておきますね。今後、きっと、多分、書くかもしれないし、書かないかもしれません。




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ハトちゃん(娘)と一緒にアイス食べます🍨 それがまた書く原動力に繋がると思います。