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釣りが上達するってどういう感覚なのか

去年の秋に釣りを始めたときは全くの素人だったけど、今では自分で道具と場所・時間を選んで釣果に繋げられるようになってきた。超初心者のレベルは脱したと思う。最初はなかなか釣れず幻の魚のように思えたナマズも今シーズンに入ってルアーで30匹近く釣ることができた。
始めた頃はなかなか釣れないので「釣りが上達する」という感覚も想像がつかず、闇雲に行動するしかなかった。そこで釣果が上がり始めてどういう感覚的な変化があったのか、超初心者だった頃の記憶があるうちに記録しておこうと思う。これから釣りを始めたい人の参考になれば幸い。

水面下に対する解像度が上がった

魚が釣れるための条件はいくつもある。対象魚がいる場所・時間帯を選ぶことは当然として、そこにいる魚が捕食スイッチを入れられる状態にあること、魚がルアーを捕食対象として認識できるような深さ、速さでルアーを通せることなどだ。正しいポイントを選ぶとこができても魚の回遊ルートを外してたり、流れや角度によっては魚が追いつけなかったり見切られたりして結局無反応という結果になることもある。
同じ場所でも釣れる人・釣れない人の違いや時間の変化による釣果の変化を観察することでファネル分析ができるようになってきて、何がどうなって魚がルアーに食いつくのかが分かってきた。

自然は人間の都合でできていないことを理解した

夜明け前から出かけたり、岩場や生い茂った藪のような危険な場所に行ったりと人間の生活圏とはかけ離れた時間・場所に行く熱心な釣り人は多い。多摩川の有名ポイントとなると夜明け前の薄暗い時間帯にも関わらず5m間隔で釣り人が並んでたりする。言い換えると、それだけ人間側が頑張って自然の都合に合わせないと目的の釣果は得られないということ。最初はこのことが分からなかった。楽にアクセスできる場所に日中行けばいいという淡い期待を抱きがちだけどそういう場所はそもそも魚がいなかったり、いても活性が低かったり、一級ポイントが故に既に何度も釣られてスレてたりと初心者向きではなくむしろ遠回りになる。

釣りにまつわる情報の複雑さが分かってきた

初心者にとって不都合な真実として、釣りに関する記事やブログ、YouTubeチャンネルは無数にあるにも関わらず、初心者が上達につながる情報というのはほとんどない(中級者以上にとってはこの限りではない)。これは生き物の振る舞いというのは非常に複雑なので、いろいろな条件を加味したうえで釣果に繋げているが、それをメディア上で表現することが困難なことに起因すると思う。膨大な時間と労力を費やして釣り上げた過程も10分足らずの動画にまとまってしまうと大半の情報が欠落するのは当然。初心者にとっては何百時間調べるより1回でも釣果を得るほうが圧倒的に豊かな情報が得られる。
そうなってくると案外対面で人づてに情報を得るほうが情報収集の効率がいい。多摩川で釣りが上達する一番の近道は挨拶をすることだと言っている人もいた。

ではどうやったらもっと早く上達できていたか?

今思えばもっと早くしておけばよかったと思っていることを挙げてみる。

特定の対象魚にこだわらずに釣りやすさで対象魚を選べば良かった
初心者がいきなりルアーでナマズを狙うのは難しかった。途中でフライでコイを狙うことに切り替えたら釣果が上がるようになり学習サイクルが増えて結果的にナマズも釣れるようになった。最初からナマズ一筋だと何年かかってたか分からない。

早いうちから上級者に同行させて貰えばよかった
釣れる現場を見ることでたくさんの情報が得られるし、何より自分の課題点を教えてもらえるし独学より効率がいい。同行させてくれる人を見つけるのがなかなか難しいけど。

さいごに

釣りはマーケティングに似てると思う。明確な構造を持たない魚(消費者)に対して何らかの理屈(マーケティングモデル)を当てはめて釣果(コンバージョン)に繋がる条件を分析するところから始まって、限られたリソースで仮説検証を繰り返す。それで自分の考えた理屈が実際に通用するとなんともいえない充実感がある。王道になっているセオリーはそれだけ適用範囲も広いけど、「一般的には水温が高いほうが活性は上がるが、温排水に溜まっている魚より冷たい激流の中にいる魚のほうが数は少なくても食い気はあるので結果的に釣りやすい」みたいに意外性のあることもある。

釣りの種類が大きすぎるのでスコープがデカすぎるかもしれないし、自分の住んでいる地域の対象魚の特性に偏ってるかもしれないことはことわっておきます。

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