短編小説『事件なんてなくたって』
職場にきて、仕事して、帰宅する。転職し、もうこんな日々が約2年続いている。
時々は今みたいに喫茶店に寄って、時間を潰す。読書したり、スマホを見たり、手帳に日記を書いたり。どれも別にやりたいことじゃない。
恋人と別れたのは2年半前。
付き合っていた頃は仕事帰りにファミレス行ったり、お互いの家に行ったり、それなりに充実していた。忘れ物が多い人で、ドタバタした日々を思い出す。
1人になって、代わり映えしない日々を送っている。
でも、そんな日常でいいなあと最近思う。わざわざ出かけなくたって、事件なんてなくたって、別に構わない。1人でいい。
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思いとは裏腹に、事件は起きる。
今日、職場の先輩から告白された。気持ちを整理するために、今喫茶店に来ている。
1人もいいけど、先輩と付き合う未来も見てみたい。私にはもったいない相手とも思う。難問すぎる事件だ。
珈琲をおかわりして、ケーキ頼もう。糖分不足じゃ糸口はつかめない。
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