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【あとがき】素直に生きると、心地いい。

先日書いた記事に、たくさんの反響がありました。本当に本当にありがとうございます!

スキやコメントの他、Twitterでもいいね、引用リツイートなど、想像の遥か上の反響。ありがたい限りです…。


お礼の気持ちを込めて、先日の記事を書いたきっかけや、書ききれなかったことをつづります。いわゆる、あとがき。読んでくださると嬉しいです。


『素直』を意識し始めたきっかけ

『もっと、素直に書く人が増えてほしい。』とタイトルにも書いたように、記事のテーマは『書くこと』と『素直』でした。

『素直』について実はここ10年ほど考えていて、いつか書きたいなあと思っていました。(『書くこと』もテーマだったので、『素直』だけを掘り下げては書きませんでした。)


実は約10年前、はっきりと『素直』を意識する出来事があったんです。



昔、ある方(Aさん)と約半年間、一緒に仕事をしました。

私の前職は喫茶店での接客業。お客様の注文も勤務時間も紙に書き、仕事でPCに触ったのは0回。(PC、プライベートでは使っていました。)


Aさんとの仕事は、私が初めてPCを使う仕事でもありました。なんというか…「どうしても、この仕事をしたい!!」って情熱だけで転職してしまったんです…。

Excelの使い方やメールの書き方、ビジネスマナーなど、知らないことだらけでした。

知らないことが多い中、プレスリリースを出したり、偉い人しかいない会議に出たり、50人規模のセミナーを開催したり。今振り返っても、あれは怒涛の半年…。


正直、自分のレベルより高い仕事ばかりで、ついていくのに必死でした。プレスリリースなんて言葉も知らなかったです。

Aさんは、とある所の人事部長だった方で、仕事でも人生でも大ベテラン。私みたいなペーペーが横にいていいのか…?と度々思ってました。

Aさんにとってビジネス文書はお手のもの。敬語の使い方すら怪しいし、全角数字を何とも思っていなかった私に、丁寧に教えてくださいました。本当に本当にありがたかったです。


仕事そのものは1年半でしたが、一身上の都合によりAさんだけ半年で退職。2011年3月のことでした。

退職する日、Aさんは私に

あなたは素直なところがいい

と仰ってくれました。

「アンケートをやってみようか?と提案したとき、すぐにたたき台を書いてきた。素直なのは、あなたのよいところだ」と。


Aさんがアンケートを提案したとき、私は文章を書くのに慣れていませんでした。たたき台をAさんに見せ、何度も何度も修正され、実際はとてもつらかったです。

私は自分自身を「仕事ができない」「周りとレベルが違いすぎる」と悲観することが何度もありました。


当時27歳。自分を「ダメな人間」と思うときさえあった。そんな私が「あなたは素直なところがいい」と褒められたのは、衝撃でした。しかもたくさんの人を見てきた、元人事部長の方に…。だから今も強く印象に残っています。

分からないことだらけでしたが、どうしてもやりたい仕事だったので、無我夢中の日々でした。仕事の他に資格試験の勉強、ボランティアもしていて、怒涛の半年。時間にも精神的にも余裕はありませんでした。

Aさん以外にも、いろんな所のいろんな人に相談して、修正されたり、応援されたりしながら、自分なりに工夫して働きました。


分からなすぎて、素直に従うしかない仕事もありました。いっぱいいっぱいの時期もあったけど、Aさんに「あなたは素直なところがいい」と言われたとき、とても救われました。

やりたい仕事に就いたこと自体、自分のやりたいことに素直に従ったわけです。それが、より素直に映ったのかもしれません。


好き・感情を素直に受け入れる

「あなたは素直なところがいい」と言われて以来、たまに『素直』について考えるようになりました。

約10年間、頭のどこかに『素直』が引っかかっているのです。

思えば私は、「周りがこうだから…」という流れにあまり振り回されず、生きてきました。

例えば中学生の頃、深夜ラジオにハマっていました。「友達が聞いているから…」という理由ではなく、私が聞いて面白いと思ったからです。誰かとラジオの話をするわけでもないのに、睡眠時間を削って聞いていました。(笑えるぐらい成績が下がりました…。)

音楽や映画、漫画なども同じです。“私”が好きだから、“私”が面白いと思うから、の感情を大事にしてきました。


また、他人がすすめたものは見ない・聞かない、というわけではありません。

友達が貸してくれた漫画、弟が好きなゲーム、母が行きたいと熱望したライブ、恋人が聞いてきた音楽など、他人が好きなもの・すすめたものも、わりと素直に受け入れています。

つまり、私の好き・感情を大事にしてきたように、他人の好き・感情も同じように大事にしてきました。

昔から、自分が「好きか?」「どう感じるか?」を無意識のうちに大事にしていた気がします。そして、他人が好きなこと・感じることを否定しない。

例えば、私はコーヒーが好きですが、当然ながら嫌いな人もいます。でも嫌いな人に無理やり押しつけないし、「コーヒーを飲まないなんて人生損してる!」なんて責めるようなこともしません。


他人の好き・感情を否定せず、素直に受け入れると、いいことだらけです。自分とは違う好き・感情でも、いったん「そうなんだ」と受け入れる。

すると、相手の好みや趣味がよく分かり、関係性が深まり、仲良くなれます。

さらには知識がどんどん増え、好きなものが増え、会話のネタが増え、仲間が増え、時間があっという間に過ぎます…。悲しいけど、時間だけは増えない。

夫とはよく、いろんな話をします。つい先日も3時間ほど話し込んでいました。

私が素直に話せる、数少ない相手が夫です。仕事の悩み、一緒に見たテレビ番組、学生時代のつらかったこと、好きな音楽など、実にいろんなことを話します。

素直に話すお陰か、ほとんどケンカせず、お互いの趣味や時間を尊重しつつ、穏やかに過ごしています。

(余談ですが、パートナーには「察してほしい」なんて考えず、言いたいことは素直に言ったほうがラクですよ…。言いたいことを言わないとPOISONにやられます…。)



他人からの「変わってるね」を気にしない

時々、一風変わった人に好かれます。上手い言い方が見つからないのですが…一風変わった人とは、周りから「あの人、ちょっと変わってるね」と言われる人。

おそらく好かれる理由は、他人の好き・感情を否定せず、人によってあまり態度を変えないからだと思います。


「ちょっと変わってる」のは別に悪いことではないし、変わってるのって避ける理由にならないんですよね。(あくまでも私の場合)

一風変わった人と話すと「自分に正直に、素直に生きてるなあ」とよく感じます。周りから「変わってるね」って言われるのは、周りとは違う意見や考えがあるからだと思うんです。それって個性だとも思います。


周りと同じような意見・考えは、悪く言えば個性がないんですよね。(当然ながら、場合によっては同じような意見・考えのときもあります。)


わざと、周りとは違う意見・考えを持とうよ…と言いたいわけではありません。

もし周りと意見・考えが違っても、変わってる人と思われても、自分が素直に「どう思うか?」「どう感じるか?」を大事にしよう、と伝えたいのです。

「変わってるね」というのは、たぶん「(大多数の人とは違うから)変わってるね」だと思います。

同じものを見て、各々が違うことを感じるのって当たり前のはず。時には同じものを見て同じように感じますが、全部が全部そうじゃないはず。

つまり、周りと意見・考えが違うのは、当たり前のはずなんです。


そう思ったあれこれを詰め込んで、先日の記事で以下のように書きました。

誰ひとり、同じ人間はいない。
一言一句、全く同じ記事もない。素直に、思うがままに書く。それで大丈夫!

私も、「変わってるね」と言われる・思われる側の人間です。血液型を答えると「やっぱり!」とよく言われるAB型です…。


だけど、変わってるのは別に悪いことではないし、当たり前だし、むしろそれが個性になる。結構いいことだと思うんですよね。先日の記事に書いたように、

他人に左右されず、あくまでも“自分”がどう思うのか、素直に書く。

これでいいと思います。


素直に過ごしていると、心地いい

先日、雑誌『Pen』特別編集号「自分らしく、生きるってこと。」を購入しました。テーマは“自分”に焦点をあてています。書店で一目惚れし、つい買ってしまいました。

(500円とは思えない圧巻のボリュームと質なので、おすすめです。以下の特設サイトで一部読めます。)

雑誌では、さまざまな職業の方のインタビュー記事を掲載。皆さん自分に正直に、素直に生きているなあと感じます。実際に『素直』という言葉もありました。

文中には「伝えたい」「つくりたい」「届けたい」など、「〜したい」がいくつも登場します。


誌内の次の文を読み、私が『素直』にこだわる理由を垣間見た気がします。

「〜したい」に基づいて行動する時、生物本来の心地よさを感じる。
引用:本能と理性の間でゆれる、面倒な生き物。

「〜したい」と思っても行動できないときって、とても辛い…。ブログやnoteで「書きたい」と思ったことを書けるのは、確かに心地いいんですよね。

もし書きたいことを書けない人がいるなら、「大丈夫だよ」と伝えたい。あの記事には、この私の「伝えたい」も含まれています。


素直について考え始めたのは「あなたは素直なところがいい」と言われたのがきっかけでしたが、それから10年経っても何か引っかかるのは、心地いいから…かもしれません。


お金より、やりたいことを素直にできる時間が大事

昨日、NUMBER GIRLの無観客ライブを生配信で観ました。

ライブを観ながらふと、「この人たちは素直に、自分のやりたいことを全力でやっている」と気づいたとき、自然と涙が流れました。

私は、音楽が大好きです。

好きなアーティストは他にもたくさんいます。アーティストによって、声もメロディも歌詞も違う。皆違って、皆すごく良い。心底惹かれます。

仕方なくアーティストを続けている人って、ほぼいないと思うんです。おそらく、やりたいから続けている人がほとんど。

NUMBER GIRLのライブを観ていて、「アーティストは素直に、自分のやりたいことをやっている。だから私は音楽に惹かれるのでは?」と急に思いました。

アーティストだけではなく、お笑い芸人にも「素直に、自分のやりたいことをやっている」と感じます。

しかし世の中には、売れないアーティストやお笑い芸人もいます。売れなくても続けている人がたくさんいる。イラストや漫画、個人開発のインディーゲームもそうです。 

売れない=やめる、という図式がそう簡単には成り立たない。

私もそうです。ブログやnoteはお金儲けのためにやっていなくて、やりたいから続けています。(続けているうちに、お金につながったら最高ですが…。) 

お金も大事。でも、やりたいことを素直にできる時間はもっと大事。大袈裟ですが、これからの時代はそれが重要なように思います。なんだか偉そうにすみません…。


他人を気にせず、自分が思うことを素直に

私は、そんなにできた人間ではありません。萎縮して、友達の前や職場で言いたいことを言えないことがあります。未だに…。

ブログを始めたのは、言いたいことを言える場所がなかったからです。

ブログやnoteは、私の気持ちや考えていることを素直に出せる、貴重な場所。だからとても大事だし、お金のことはさほど考えていません。お金が入ったら非常に嬉しいですが、目的にはしていません。

もし、もしも私と同じように、萎縮して自分の言いたいことを言えない人がいたら。萎縮して、書きたいことを書けない人がいたら。

そんな人の背中をそっと押せたらいいなあ、と。そんな想いを込めて、あの記事を書きました。

文字数を気にせず、他人を気にせず、“自分”がどう思うのか、素直に書く。

まとめると、とにかくこれを伝えたかった。


そして、見出しに書いたこの文。

萎縮せず、素直に書いてほしい

もし「きっと誰も読んでくれないし…」「こんなこと書いたら変に思われるだろうな…」と考えて書けない人がいるなら、そんな人に届いてほしいとも思いました。



素直な気持ちで投稿する人が増えますように

最近やっと、素直でいることは私の長所だと気づきました。

「あなたは素直なところがいい」と10年も前に言われたのに、たまに素直について考えていたのに、なぜかあまり長所とは捉えていませんでした。

言いたいことを言えないPOISONなときがあり、私にも素直ではない部分はあります。だから胸を張って「私は!素直です!!」と断言できないのです。


実は「素直でうらやましい」と言われれることもあって、ふと「あれ…もしかして素直なのは長所?」と考える機会はありました。しかも、どうやら素直じゃない人は結構いるみたいなので、「素直って武器なのかな?」とも考えます。


あの記事は他人を気にしたり、萎縮したりして書けない人に向けて載せました。一方で、自分に向けた記事でもありました。私も他人を気にする1人であり、萎縮して書けない1人だったから。

素直さは私の長所だと自覚し、最後に書いた「覚悟と決意」には、素直に書く覚悟、素直でいることの決意を込めました。(素直って言われるものの、ずっと素直なのは難しい…)

私がnoteを使い始めたのは、サービス開始5日後でした。noteは今年の4月で6周年を迎えます。見事なまでに優しい読者の方が多くて、何度も救われました。

やりたいから続けていると前述しましたが、シンプルなようで…とっても難しいです。

noteの独特な優しい雰囲気と、あたたかく見守ってくださる読者の方に支えられて、私はこうして文章や4コマを投稿し続けています。長らく続けているのは、間違いなく読者の皆様のお陰です。ありがとうございます。

先日の記事にはコメントやTwitterの引用リツイートで「勇気もらえた」「素敵な記事」「元気づけられる」「元気が出た」など嬉しい言葉ばかり並んでいました。ありがとうございます。

そして、声を大にして言います!


私の方こそ勇気もらえました!!!元気出ました!!!


たくさんのコメントを読みながら、届いてほしい人に届いたと感じて、夜中に泣きました。菓子折りと感謝状を渡して、直接お礼を言いたいぐらい、とてもとても嬉しいです。改めて、ありがとうございます!


冒頭であとがきと伝え、こんなに長くなるとは思いませんでした…。なんと、文字数が先日の記事の約2倍!

最後までお読みくださった方、心よりありがとうございます。

お財布は決して潤っていませんが、素直に生きるのはとても心地いいです。素直に書いたり、描いたり、撮ったり。noteで素直に投稿する人が増えますように。

サポートしてくださった分は、4コマに必要な文房具(ペン・コピック等)やコーヒー代に使います。何より、noteを続けるモチベーションが急激に上がります。