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未完成ピアニスト

最近読んで感動したマンガを紹介します。「マンガPark」というアプリで読める『未完成ピアニスト』です。

<あらすじ>

ピアニスト志望の高校生・双葉は極度のあがり症。人前での演奏がからっきしダメな彼女の前に現われたのは、音楽一家の御曹司で、「ピアノの皇帝」一宮王輝。人前で実力を発揮できず、自信をなくしていた双葉に王輝は「君の音が好きだから」と練習につきあいます。

ダメダメな演奏をしても可能性を信じてくれる。そんな王輝に双葉は励まされ、少しずつ人前でも実力を発揮できるように。

一方、周りからは「天才」と持ち上げられながらも、王輝はピアノを楽しいとは思ったことはありませんでした。だからこそ、ピアノが楽しくてどんなに失敗しても弾き続ける双葉に惹かれたのです。そんな2人が自分が弾きたいと思える演奏ができるようになるまでの物語です。

<感動ポイント>

まず、双葉のあがり症にはとても共感します。人前にでると震えたり、普段の自分が出せなかったり..、という経験をしたことがある人が多いのではないでしょうか。周りからは「どうしてできないの?」「そもそも下手なのでは?」と思われることはとてもつらく、何より自分自身に失望してしまいます。あがり症に苦しむ双葉もそうでした。

でも、王輝は双葉のあがり症克服のために練習にとことんつきあい、励まします。あがり症という、自分が経験したことのない苦しみであっても寄り添い、解決策を考えてくれること。そして何よりダメなときでも、この先の可能性を信じてずっとそばにいてくれたこと。それが双葉の演奏に大きな力をくれました。ただピアノが楽しくて弾いていた双葉が人のために弾きたいと思えた、最後の演奏シーンは必見です!


<面白ポイント>

このマンガはピアノの演奏やコンクールをメインにしているので、真剣な音楽シーンが多いのですが、ところどころ面白いところがあって、読んでいて楽しかったです。主に3つに分けて紹介します。

1.まず、双葉のあがり症状態の演奏のたとえ方です。「子犬のワルツ」が『震えるチワワ』?!、「情熱大陸」が『絶望大陸』?!など言葉遣いがツボにはまります。

2.双葉に振り回されてしまう王輝の様子にも注目です。双葉を気に入った王輝はさりげなくアピールするのですが、全く伝わらない様子が面白いです。普段なんでもスマートにこなす人だからこそ、そういう意外性が印象に残ります。

3.双葉と王輝以外の登場人物も面白いです。双葉の同級生の園田さんと、王輝の「自称」ライバルな四條先輩の2人は、個性が際立っていました。

園田さんは、正確なピアノ演奏で定評のある真面目な子です。でも少しツンデレで、双葉の演奏を照れながら褒めるところが可愛いです。

四條先輩は、破天荒なバイオリニストです。陽気でサバサバとしていて、 アフロをかぶって演奏したところが面白すぎました。(葉加瀬太郎さんのオマージュだそうです!)

<まとめ>

「未完成ピアニスト」はピアノに対して、演奏に対して、どこまでもひたむきな人たちの物語です。まだ未完成でも、この先どこまででも行ける、そう思わせてくれる作品でした。

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