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4月の短歌

・不幸ですと百戦錬磨の顔をして急な霰に泣いたりしている ・旧友のまなざしに五条悟いて笑顔をうまく思い出せない ・クチナシの花は朽ちると汚くてそんな言い方されたら痛い ・来し方に泣いてるその子は常にいる 姿勢をただして恥じずに歩け ・白い包みの祖母とふたりでお昼ごはんひとりぶんだけ箸の音する ・教えを破っても死なないと知りやっと生きたいと思えた下宿8日目 ・傷痕にガーゼを貼ればミイラ男みが出る人生(だけどHAPPY) ・じゃまされず噛みしめたいな「人生への絶望」と

    • 月を眺めるようなこころで

      鏡をまっすぐ覗き込んで、映った人と視線を合わせるとき、月を眺めるようなこころでいてもいいのではないか。 手入れがなかなかうまくいかない自宅の庭を眺めて、「ここもだめ、そこもだめ」と点検するような、そんな厳しさがなくたって、案外問題ないのではないか。 ⁂ 欠ける。消える。 陰りもする。 暗い裏面をもっている。 日々変化して安定しない。 ひと月の間で、完璧なのは1日だけ。 そんな月のことを、人は素直な気持ちで「美しい」と言える。 半分以上が欠損して見える姿にさえ、大昔の

    4月の短歌