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4月の短歌

・不幸ですと百戦錬磨の顔をして急な霰に泣いたりしている

・旧友のまなざしに五条悟いて笑顔をうまく思い出せない

・クチナシの花は朽ちると汚くてそんな言い方されたら痛い

・来し方に泣いてるその子は常にいる 姿勢をただして恥じずに歩け

・白い包みの祖母とふたりでお昼ごはんひとりぶんだけ箸の音する

・教えを破っても死なないと知りやっと生きたいと思えた下宿8日目

・傷痕にガーゼを貼ればミイラ男みが出る人生(だけどHAPPY)

・じゃまされず噛みしめたいな「人生への絶望」という最後の自由きぼう

・バイバイと別れて心軽くなるそれが真実, unfortunately

・恵まれた座標を買った星の子が星座に成って輝いている

・泣いているときの無様な呼吸だけ産まれたときから自分のものだ

・大切な〈好き〉がSNSにバレてファーストフードの味ばかりする

・「わかりあう」を完了可能と思ってるらしい無断でレモンかけるのに

・誰にも言わなくてよかったすぐ消える蛍のような夢だったから

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