夢日記②

2015/05/10
僕は部屋を探している。1年目は学校が用意した寮に入った。そのまま寮に居続けることもできたが、僕はきちんと一人暮らしがしたかったので、親に無理を言って引っ越し先を探していたのだ。

いくつかの不動産屋に希望する条件を伝え、めぼしい物件があれば連絡を貰うことになっていた。今日も僕が寮生とくだらない話をしている最中に2件の留守電が入っていた。僕は少し首を傾げた。留守電が入ってるということは1、2回のコールではない。マナーモードにはしているものの、これまで誰かと話をしていて着信に気づかなかった経験もないし、況していつも以上に着信を気にしているなか、2度の電話に全く気づかないということがありえるのだろうか、と。
もちろん、未だ見ぬ新居への期待が勝り、そのような違和感はすぐに頭の隅へと追いやられてしまう。

留守電1(A不動産、30代男性)
「お世話になります。A不動産の○○でございます。お伺いしていた条件に沿うお部屋をいくつか取り揃えましたのでご連絡させていただきました。恐れ入りますが、お電話をお待ちしておりますのでよろしくお願いします。」

留守電2(Bホーム、50代女性)
「誰よあなた!あなたちょっとおかしいんじゃないの!聞いてるの!?ねぇ」プツッ

僕はすぐにBホームに電話をかけた。担当の女性が応答したので、僕は先ほど留守電について尋ねると、「ごめんなさい、でも留守電に繋がったと思ったら歳をとった男の人の声で、とっても気味の悪いことばかり言うものだから、取り乱してしまったんです」。
メッセージの内容は「水の中に虫がいる、夥しい数の虫がいる」と繰り返すものだったという。

もちろん僕は留守電にそんなメッセージを吹き込んだ覚えはないし、かなり歳をとったような声であったと彼女は話していた。そのあとすぐに友人に携帯を置き忘れたのでと嘘をつき、彼の電話から僕の電話にかけて留守電に繋げてみたが、メッセージは至って普通で、特に不自然なところはなかった。

A不動産に電話をかけ、担当者に留守電を入れたとき何か変わったことはなかったかと尋くと、「そう言えば普通の留守電メッセージのあとに虫がどうとか言ってましたよ、悪戯かなにかだと思ってそのまま伝言入れて切りましたけどね」。

僕はもう一度自分の携帯に電話をかける。留守電に繋がった瞬間、そこには理屈も根拠なかったが、僕はその電話が全く別のところに繋がってしまったと直感する。覚醒。

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