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【ゲーム紹介02】はじめてのゲーム・果樹園

今回は、3歳前のお子さんと遊びたい方には超おすすめのゲーム「はじめてのゲーム・果樹園」をご紹介します。

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おすすめポイント3つ


1)3歳前は「おもちゃ」として活躍し、3歳から5歳くらいまでは、「協力ゲーム」として遊べて一石二鳥
2)果物が可愛い、それだけでなく大きくて持ちやすくて、ごっこあそびに使える
3)サイコロを振る→同じ色の果物を収穫する、というシンプルなルールが、初めてゲームをするくらいの子どもにちょうど良い

入っているもの

1)大きな果物が16個(赤いりんご、緑のりんご、いわゆる青リンゴですが混乱しないように緑と言います、黄色い洋ナシ、青いプラムの4種類が各4個)。このサイズ感はピンポン玉くらいですね、子どもの手には十分な大きさと重さがあります。塗装はしっかりしていて、色がくっきり出ています。

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2)この果物が木になっているという想定で、直径12cmの丸い果樹カードが4枚、このカードにはそれぞれ木が1本、木の下には赤いキノコとか青いバケツといった色を示すものが描かれています。赤いリンゴは、赤いキノコが書かれた樹木カードの上に載せるんですね(私としては、「果樹園ゲーム」のように木に赤いリンゴを4個描いてもらった方がわかりやすいと思うのですが)。

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3)それから大きな木製のサイコロ、一辺3cmあります。これも小さな子には持ちやすく、振りやすく、しかも見やすい。重さがあるのでボテボテっと転がるので、遠くに飛んでっちゃうことが少なくなります。

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4)あとは、木製のカラスが1羽(黒い体に黄色いくちばしで、親しみやすい可愛い表情をしています)、カラスが進んでくる小道カード5枚(これも5.5cm角なのでまあまあ大きい)、収穫した果物を入れるバスケット、こちらは紙製です。

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5)果樹カードや小道カードの厚みは2mmもあります。テディメモリーと同じですね。これは500円硬貨よりも厚いんです。
6)ゲームのパーツは以上です。16個の果物、丸い果樹カード、大きなサイコロなど、どれも大ぶりです。手が小さくて、まだそれほど手先が器用ではない子どもにも扱いやすくなっています。ゲームで楽しく遊ぶ中で、ごく自然に手先の器用さも育まれるんですね。
7)もちろん、日本語の説明書も入ってますよ。

3歳前の遊び方


3歳前は「おもちゃ」として自由に遊びしょう。付属のバスケットに果物を入れたり出したり、もしおもちゃの皿とかあれば、その上に並べたり。買い物ごっこやままごとに最適です。買い物カゴや袋などに入れるのも楽しいと思います。

その中で、「赤いリンゴをください」という感じで、自然に色や果物の名前を呼ぶことで、具体的なモノと結びつきます。

また、この果物、転がっていかないように、底の部分が平らになっていて、ちゃんと立てると安定するんです。横向きに置いたりすると転がっちゃいます(そうやって遊ぶのもアリだと思います)。

ゲームとしての遊び方

[概要]
そんな遊びを十分してから、本来のルールで遊びましょう。このゲームはプレーヤー全員が力を合わせる「協力ゲーム」です。力が強い方の強力ではなく、力を合わせる方の「協力」です。与えられたミッションをクリアすれば、プレーヤー全員が勝ちです。敵はカラス。みんなの目的は、カラスが果樹園にやって来る前に、木に実っている果物16個を全部収穫すること、そのミッションに成功したらプレーヤー全員の勝利です!逆に、果物がまだ残っているのに、カラスが果樹園に入ってきたらミッション失敗でカラスの勝ち、つまりプレーヤー全員の負けです。

[準備]
最初にカードを並べて果樹園を作ります。4枚の果樹カードを適当に並べたら、その果樹カードの示す色に合わせて、果物を4個ずつ置きます。これで果樹園ができました。次に、この果樹園に向かって1本道を作ります。5枚の小道カードを並べて、果樹園から遠い側にカラスを置きます。この道をカラスがやって来るのです。カラスだから、飛んで来るかと思いきや、一歩一歩、道を歩いて来るんですね〜(笑)

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[進め方]
それではゲームを始めましょう。自分の番が来たら、まずサイコロを振ります。サイコロの6つの面には、赤青黄緑の4色とカラス、そしてバスケットが描いてあります。

色の目だったら:同じ色の果物を収穫します。例えば赤が出たら、果樹カードの上の赤いリンゴを「1個」取ってバスケットの中に入れます。バスケットは大きなものが1つ付属しているので、みんなで共用します。
カラスだったら:果物は収穫できません。カラスが小道を1マス、果樹園に向かって進みます。キャ〜って感じですね。
バスケットだったら:4種類の果物のどれでも好きなものを1個収穫します。

次の人も同じようにサイコロを振って、果物を収穫するか、カラスを1マス進めるかをします。

[終わり方]
これを繰り返して、カラスが果樹園に着く前に、全ての果物を収獲したらプレーヤー全員の勝利、カラスが先に着いたら、プレーヤー全員が負けです。

このゲームで育つもの

*注意*
これはあくまで「結果として」育つものであって、これを目的にして、子どもに押し付けたり、無理強いしたりしないようにしてください。「楽しく遊ぶ」ことが一番大事です。

・色の認識(赤・青・黄の3原色+2次色の緑←この組み合わせはネフのリグノやネフスピールと同じ。2次色は緑、オレンジ、紫)
・形の認識(リンゴと洋梨は似ているけど洋梨は下ぶくれ)赤いリンゴと緑のリンゴの形が同じ。あえて同じリンゴにしたことで、色の認識ができているか、上位概念としてのリンゴがわかるか確認できます。
・サイコロに描かれたシンボルの理解
 ・サイコロの色の目と果物の色との対応
 ・サイコロのカラスの目=カラスが1つ進む
 ・一番難しい(抽象度が高い)のはバスケット(カゴ)の目
・「すごろく」への最初のアプローチ。このゲームでは、果物を「1個」取る、カラスが「1マス」進む、ということを繰り返し体験します。子どもはまだ「1」という「数」を認識していないが、サイコロの目に従って操作をする中で抽象化した1を扱っていることが重要。点で記された赤が、赤1個に相当し、カラスのマークが、カラスの1マスに相当する。これが、すごろくへの第一歩にもなります。これは、「テンポ・かたつむり」という2つの色サイコロを使ったすごろくでさらに発展します。(記事「すごろくの前に」参照)
・指先の器用さ:果物を取ってバスケットに入れる。サイコロを振る。カラスを動かす。
・もちろん言葉も使います。


プラスワン:一口メモ

・「協力ゲーム」は、プレーヤー全員で勝った!とか負けた〜となるので、負けた時のダメージが小さいのが特長です。兄弟で遊ぶ場合や、勝ち負けにこだわる子がいる場合に重宝します。
・カゴの目の意味:ラッキー、好きなものが選べる=子どもの楽しみになると同時に、ゲームの進行が早くなる、というメリットもあります。また、複数の選択肢の中から「どれを選ぶか」という「戦略性」の始まりでもある。
・でも、「最善手」を教えるのは、私的には少し我慢してほしいと思います。できれば、子どもが気づくまで待ってあげてください。モデルを見せるのはあり。例えば、「赤いリンゴがまだたくさん残っているから、赤いリンゴを取ろうかな」などと、状況を言葉にして説明しながら、プレイすることで、なぜそうしたかが子どもに伝わります。
・その子の理解度に合わせて、丁寧に付き合ってあげるのが大事です。大げさかもしれませんが、赤いサイコロの目を見て、赤いリンゴを手に取って、バスケットに入れる、これができただけでも、最初は大きな達成感があります。その子の表情を見ながら、それを一緒に喜んであげる。もしかしたら、果物をもいでカゴに入れる、ということが理解できないかもしれません。絵本や実体験でそれを補うことができれば理想的ですね。これは、親だからこそできる部分です。
・サイコロを振る練習:最初はフタを使っても良いかも。上手に振ることができたら、それだけでもすごい。

ササユキ's EYE


・1986年に出たロングセラー「果樹園ゲーム」の小さい子向けバージョンです。
・このゲームは2009年に登場し、「2歳から遊べるゲーム」として、「テディ・メモリー」に続いて私たちを驚かせました。
・大きな果物は存在感があり、手に持った時の重量感もあって、私たちは即座に「ごっこ遊びに使えそう」と思いました。また、これまでにない大きさのサイコロも驚きでした。
・ハバ社は、ゲームも作りますが、木のおもちゃのメーカーでもありますから、こういった大ぶりの木のおもちゃを作るのはお手のもの。生産のノウハウも、安全性のノウハウもありますから、ハバ社は自分の得意分野を使って、この「おもちゃ+ゲーム」を出したわけです。
・しかも、ロングセラーで知名度の高い「果樹園ゲーム」が小さい子向けになった、となれば、みんな注目しますよね。実物を見れば、果物の大きさやサイコロの大きさに驚くし、果物の数を減らしたり、カラスが小道をやってくるという設定の巧みさにも感心します。元のゲームがあることで、小さい子向けの工夫が、より際立ったわけです。
・私の記憶では、この「はじめてのゲーム Meine ersten Spiele」シリーズの先鞭をつけたのが、このゲームだったように思います。この戦略を考えたハバ社は実に頭がいいなぁ〜と感心します。
・このシリーズは、その後も「フィッシング」や「農園」など色々と出ますが、この「はじめてのゲーム・果樹園」の成功(おそらくですが)が、大きな要因となったに違いありません。
・ちなみに、「テディ・メモリー」が出たのは、2002年、続編に相当する「ビークル・メモリー」が出たのは2006年なので、先にラベンスバーガー社が目を付けた、3歳未満の子どものための「おもちゃ+ゲーム」という市場に、ハバ社が得意の木のおもちゃのノウハウを注ぎ込んで2009年に参入してきた、という図式でしょうか。

エンディング

・今日はおすすめゲームの第2回として「はじめてのゲーム 果樹園」をご紹介しました。概要欄には、私が勤めている百町森サイトのページへのリンクを貼り付けておきますので、よかったら見てみてください。
・ボイスマガジン「今日も家族でボードゲーム!」は毎週土曜日配信です。気に入っていただけたら、いいねやフォロー、購読をお願いします。お便りや質問も募集中です。ツイッターもやってますので、そちらのフォローもお願いします。ハッシュタグ「かぞボド」を付けて呟いてくだされば、私の方で見つけて、ご紹介します。
・それではまた来週、チューす!

YouTube動画

私の勤務する「百町森(ひゃくちょうもり)」のライブ配信で、なんと30分も話してしまいました。お時間あればご覧ください。


音声でも聴けます!

10分間の音声番組です。この記事は、その台本のエッセンスになります(上のYouTubeとは内容が異なります)。YouTubeと違い、通勤途中などに「ながら聞き」ができるので、オススメです。himalaya、Radiotalk、stand.fmユーザーの方は以下のリンクからどうぞ。ポッドキャストで聞く方は、さらにその下からどうぞ。

himalaya

Radiotalk

stand.fm

ポッドキャスト:iphoneの方向け

iPhoneをお持ちの方は、「Apple Podcast」というアプリが(おそらく)入っていますので、それで聞くことができます。

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この下の画像のリンク↓をクリックしたら、自動的に「Apple Podcast」が起動して、聴けると思います(iPhone持ってないので自信がない)。

ポッドキャスト:Androidの方向け

Androidにはあらかじめ入っていないかもしれませんが、Googleが提供している「Google Podcast」というアプリがあるので、とりあえずそれをインストールすれば聴けます。

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この下の画像のリンク↓をクリックしたら、自動的に「Google Podcast」が起動して、聴けます。

その他のポッドキャストアプリで聴く方へ:Podpage

色々なポッドキャストアプリへのリンクがある便利なページですが、更新が反映されるのが遅いのが残念。

Listen Notes

こちらはPodcastの検索サービスで、更新が早いのが嬉しい。

https://lnns.co/ZIEygMverXc