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異国の地でミラクルが連発して人情に触れた上に自分の強運を噛み締めた話

数年前の話。

アメリカはフロリダに仕事で飛んだ時の話だ。


仕事が思ったよりスムーズに終わって
自由な時間も取れたし
いろんな意味で
私的には非常に濃くて
素敵な時間となったエピソードの一つを
お話したいと思う。



帰国の日、空港で私が
荷物検査に並んでいた時のこと。


列はガラガラで、ロープだけが
暇そうにプラプラと
ここに並ぶんですよ〜といわんばかりに
配列されていた。


ロープで仕切られた順路を半分くらいまで
進んだところで
私は、気になることがあったので
もう一度質問するために
航空会社のカウンターに戻ることにしたのだ。


ロープで区切られた
クネクネした順路を戻るより
すいっとロープをの下をくぐった方が
早く外に出られると思った私は
私はディズニーランドで
あまりの列の長さに
途中で諦めたお父さんのように
ロープをくぐってひょいっと
列から外れた。

すると、すぐに
メガネをかけたツルッとした頭の
ガードマンがつかつか私のもとにやってきて
私に何やら怒鳴ってきた。

お前は悪い!
お前は間違っている!
正しく出ろ!

みたいなことを言っている。
私はそんなに怒ることかしら?
とぽかんとガードマンを見ていたら

指を刺してきて
さらに威圧的に


お前は悪い!
間違っている!


と言ってきたので

はいはい、すんませんでしたね〜
という感じで


おーけーおーけー
あいみすとぅっく〜
そり〜


と伝えた。
それにしても世界のどこにでも
正義感の強い人はいるものだわ〜と
後味の悪さを感じながら
ツルツルガードマンを無視して
航空会社のカウンターに戻った。


私が気がかりだったのは
乗り継ぎ。


この乗り継ぎの時間が
わずか1時間足らずしかないのだ。


しかも乗り継ぎする空港はとても広くて
空港内をモノレールのようなもので
移動しなければならない。


さらに、点検のために
出発が遅れるというアナウンスもあった。
それに加えて、
着陸したらすぐに降りられるように
私が事前に押さえていた前の方の席が
なぜか変えられていて
一番後ろになっている。


うーむ。
どうしたものか・・・・。
乗り継ぎ間に合うのか。
とカウンターに引き返したのだ。


交渉したが席は変えてもらえなかった。
自分の強運に頼るしかないのかっ!!


悶々としながら
飛行機に乗り込んだ。


そして機長が点検で遅れた分
ぶっ飛ばしてくれることを
祈るだけだったが
それも叶わぬ願いだった。


着陸のアナウンスが来た時には
次の乗り継ぎ便出発まで
30分もなかった。
私は流石に不安になってきた。


まだ飛行機は止まってない。
降りれる準備はバッチリなのに。


でも飛行機の中はまだ人で溢れかえっている。
そして一番後ろの席の私は
出るのもきっと一番最後。


いやー
まじで間に合わんくね〜???


さてどうしますかね。。。
焦った時ほど冷静に。
我が家の家訓の一つ。



と私は、あっとおもって、
すぐ後ろで仁王立ちしていた
ウーピーゴールドバーグに似た
CAさんに助けを求めた。



あの〜
実は、乗り継ぎするのですが
間に合うか心配してます。
この飛行機を降りてから
乗り継ぎの飛行機まで
どのくらいかかるかわかりますか?


と質問した。


ウーピーさんは
オッケー!と真剣な顔をして
自身のスマホで何やらチェックし始めてくれた。


私に、何時の飛行機なの?
どこにいく便?などの質問をした後
私の乗り継ぎ便が
どこのターミナルで
どこのゲートかを
とても早口で教えてくれたのだ。


間に合うわよ!大丈夫!
とニコッとしてくれたのはいいけど
刻々と時間は過ぎていく。
乗客は全く降りる気配はない。
したがって私も降りれない。。。


じーっと天井を見ながら
間に合わなかったら
どうしようかね〜なんて思っていたら


その時!
機内に声が響いた。


ウーピーさんがマイクを使って
何やら話し出した。


まぁ恒例の着陸アナウンスですかね〜
そんなことより、私はジャパンに
リターンできるんですかね〜。


ぼや〜っと聞いていたら
なんと機内放送で私のことを言っている!!!


は〜い!
みなさん〜。
ここにいる黄色い帽子をかぶった少女が
乗り継ぎに間に合うように
道を開けてあげて〜


機内がざわついた。


なんと〜!!

ウーピーさんを見ると
ウーピーさんがシッシッと
ウインクしながら手を振っている。


通常シッシッは本当に嬉しくないけれど
この時のシッシッジェスチャーは
本当に嬉しかった。


ウーピーさん!!!ありがとう。


私は感謝を伝えながら
パンパンに膨れ上がったリュックを
かついで機内を颯爽と駆け抜けて行った。


途中で
グットラック!
間に合うといいね!
がんばれ!
なんて異国の声援を受けながら
私の黄色い帽子に気づいてくれて、
乗客はどんどん
道を開けてくれた。

せんきゅ〜
せんきゅ〜

モーゼの気分を味わったところで
私は無事に飛行機を降りることに成功した。

あ〜なんて私は運がいいのだろう。
異国でこんなに親切に、しかも
励まされるなんて。


まだ気は抜けない。


猛ダッシュだ!


走れせしぼん!!


英語、ちょっと勉強してて良かった。
そんなことを回想しながら
無事にモノレールにも乗ることができ
ターミナルへ到着。


離陸10分を切ったところで
最後の一人で飛行機にギリギリセーフで
乗り込むことができた。



仕事の出張でしかも超短期間で
持ち物として黄色い帽子なんて
絶対に必要ないし、
帽子なんかかぶっていかないけど
なぜかフロリダには
この黄色の帽子を持って行こうと思った。


邪魔にしかならないし
帰るが帰るまで本当に
なんで持ってきたのかわからなかったけど
ウーピーさんと乗客にPRするためだったのかと
自分の直感を褒め称えたかった。


私の直感万歳。


それにしても。
黄色帽子の少女って。
ねぇ。。。


少女の母くらいなんですけどね。
実年齢は。

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