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【地域活性企てLabo】#2 DXの視点から企画を考える。

第1回目のイベントレポはこちら ⇒ ♯1 観光コンテンツの企画を考える。
第3回目のイベントレポはこちら ⇒ ♯3 ものづくりの視点から企画を考える。

2024年8月28日(水)
開催場所:サザンガク
主催者:(株)信州未来づくりカンパニー、サザンガク
参加者:8名

地域を盛り上げる“企て(くわだて)”を考える。

今回が第2回目となった「地域活性企てLabo」は、
松本地域の様々な分野で活躍されている方とのセッションを通じて、
地域の未来を思考するための「企画」や、地域と関わりながら働くことについて、参加者の皆様とともに考えるイベントです。

プレゼンターの松嶋さん

前回に引き続き、信州未来づくりカンパニー代表取締役/地域DMO(一社)松本市アルプス山岳郷 DMO戦略室長の松嶋豪さんにプレゼンターをお務めいただきました。松嶋さんは、信州の様々な地域の皆様との共働を前提に、観光コンテンツの実行や地域の戦略づくり・プロモーション・マーケティングなど多岐に渡り活動していらっしゃいます。

今回のテーマは「DXの視点から企画を考える。」
ゲストには、清泉女子大学教授、ALPSCITY Lab代表の山本達也さんをお迎えしました。山本さんは、松本市基本構想2030市民会議の座長を務められるなど、松本市でも様々な分野でご活躍されています。

ALPSCITY Lab代表の山本さん

山本さんからは、「Digital meets Green and Local ~国立公園のアップデートとデジタル技術に関する事例から~」というテーマで、お話しいただきました。
山本さんが手がける、デジタル地域通貨「ALPSCITY Pay (ACPay)」は、単なる決裁システムではなく、地域の経済活動の在り方に一石を投じる「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の取組みです。

電子決済が一般化した現在、クレジットカードや決済システムなどの手数料という形で、地域から東京などの大都市圏や海外に少しずつお金が流れています。この「バケツの穴」のように地域から漏れだすお金を少しでも留めないことには、地域が潤わない、と考えた山本先生が始めた取り組みが「ACPay」です。

ACPayのコンセプトは「Pay Forward」。共感と感謝をマネー+メッセージで可視化し、送り合うコミュニティです。
ACPayでは、あえてお金をチャージしてから失効するまでに3カ月という有効期限を設定しています。決裁の他に、一定の金額を「ギフト」として渡す機能があり、「どうせ失効してしまうなら、お気に入りのお店に渡したい」という利用者が多いそうです。定価+平均10%程度の額がギフトとして決裁されているというのは、驚きでした。
また、失効してしまったお金のうち3割は地域課題解決のために使用され、残りの7割はユーザー全体に再配布されます。再配布は一律ではなく、ギフトを多く送ったユーザーに多く還元される仕組みです。
一件不合理に思える有効期限3カ月の「生きた」お金は、決裁を通じて人と人をつなぎ直すことができるのかもしれません。


後半の松嶋さんとのトークセッションでは、「企画の始め方」の話題に。

「何か企画をしよう!と考えてやるのではなく、地域課題に着眼し、そのときの社会情勢や周りの人間からコンテンツを組み立てる」と松嶋さん。
山本さんからは、「課題となっている事象に対してその要因を超俯瞰と超現場の両極端から見るのが好き」とお伺いしました。

今回の「企てLabo」の様子

松本で「企て」を起こしている方をお迎えしている地域活性企てLabo、今回も大変興味深いお話しでした。山本さん曰く、社会学的にACPayのような取組みで社会と人との変化を期待できる都市の最大規模が約20万人だそうです。丁度そのくらいの人口規模で、自然との距離も近い松本は、まだまだ「企て」の可能性を秘めているのかもしれません。

次回、地域活性企てLabo#3 「ものづくりの視点から企画を考える。」では、前田木藝工房四代目の前田大作さんをゲストにお迎えします。
新しい「企て」について考えたい方、地域で働くことに興味のある方、次回も盛り上がる事間違いなしですので、ぜひご参加ください!


地域活性企てLabo#3 「ものづくりの視点から企画を考える。」
・日時 9月25日(水)18:30~20:00
・会場 サザンガク
・申込 こちらからお申込みください。

 ☟ 次回(#3)のイベントチラシはこちら



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