金融腐蝕列島

守るべきは会社か、家族か 『金融腐蝕列島』 #194

4月から新しい仲間を迎えるにあたり、研修に追加した項目があります。

ザ・お給料!

というテーマで、給与明細の説明をしようかと考えています。

・銀行に振り込まれるのは20万円だとしても、会社があなたに支払っているのは30万円です。じゃあ、10万円はどこにいったのか?
・1年目のお給料でパツパツ生活設計をしてしまうと、「2年目の衝撃」で破綻する可能性があるよ。住民税の支払いが始まるからね!

といった話をする予定なのですが、事前に社内でアンケートをとったところ、「収入を増やす手段としてしていること」に「投資」が多く挙がりました。みんな、意識高いな。

NISAとiDeCoの違い、銀行の普通預金の利息(調べてみたら、みずほ銀行や三菱UFJ銀行などの都市銀行は0.001%)など、資産づくりについて考える時間は朝の勉強会で実施しています。銀行にお金を預けると、手数料が必要になるかもしれない時代ですから、お金のことは自分で学んでおくに限ります。

新卒研修と合わせて、いま企画中の勉強会が「株主総会ってなにやってるの?」です。総務や経理の人以外は直接関わることがないため、弊社の株主さんがどんなことを期待しているのか、どんなことに怒っているのか、知る機会がないんですよね。

そこでCFOに相談しました。「株主総会」に対するわたしのイメージはこんな感じ。

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CFO「こんなことは弊社では起こりません!!!」

mame「つまんない」

CFO「怒怒怒」


「株主総会」と聞いて、「総会屋」を思い浮かべてしまうのは、バブルがはじけた後のニュースに多かったこともありますし、高杉良さんの『金融腐蝕列島』を読んでいたせいかもしれません。

協立銀行虎ノ門副支店長の竹中は、総会屋対策のため、突然総務部への異動を命じられます。ただし、それは表向きの理由。本当は会長の娘の不祥事を解決するための特命人事でした。チンピラと手を切るための融資がズブズブと食いつかれる結果となり……というストーリー。

1999年には続編の『呪縛−金融腐蝕列島2』が、監督・原田眞人、主演・役所広司で映画化されています。

『金融腐蝕列島』始まる小説は、

金融腐蝕列島

呪縛 金融腐蝕列島II

再生 続・金融腐蝕列島

混沌 新・金融腐蝕列島

消失 金融腐蝕列島・完結編

と続きます。タイトルだけ見ても「失った20年」を感じさせますね……。すべてKindle Unlimitedに入っているので、契約されている方は一気読みできますよ。

腐った上層部に立ち向かう中堅クラスの奮闘という、高杉さんお得意の構図に、実際に起きた総会屋事件を組み合わせているので読み応えがあります。

ひとりの会社員として、我が身に置き換えてみるとどうでしょうか。それはお給料に見合った仕事なのか。守りたいのは会社なのか、家族なのか。

とりあえず、お金のこと、もっと知っておかなくてはと思います。

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