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優雅で華やかなトイレの世界 『Another Room』 #326

人間が住む家には必要不可欠なものなのに、ひっそりと目立たないようにつくられるもの。

それが、「トイレ」なのだそうです。

今年初めに、我が家のトイレをリフォームしました。築40年以上経っていて(正確なことが誰にも分からない)、一度も直したことがないトイレ。さすがに老朽化が進んでいたので、この機会にと工事したのですが。

選択肢がなさすぎる!!!

いまの主流は「タンクレス」ならしく、そちらはまだ種類がありました。でも「タンクレス」にしてしまうと、手を洗うところを別に工事しないといけなくなります。できるだけカンタンに終わらせたかったわたしの希望は、現在のものと同じ「手洗い付き」タイプ。

するとですねー。なんとビックリ。

2種類しかない!!!

わたしが行ったお店は「たまたま」そうだったのかもしれません。でも、カタログにもなかったんですよ……。

『Another Room もうひとつの部屋』を見ていたので、ちょっと衝撃が大きかった。

表紙の写真がなにかお分かりになりますか?

便器です。ええ、用を足す時に座る、あの便器です。すっげー美術品感あふれる便器!

本ではヨーロッパのトイレの歴史が紹介されています。排水設備が整ったことによって、トイレは「おまる」形式から「水洗便所(ウォーター・クローセット)」へと進化。19世紀末には、写真のような華美な便器が流行したのだそうです。

ローマ市民のトイレ、ルネサンス期のトイレなど、トイレに歴史ありを感じる一冊です。17世紀頃は、庭で用を足すことを「薔薇を摘みにいく」と表現していたそうです。優雅ですね。

この本を見ていると、トイレにちょっと凝りたくなりますよ。うっとりしちゃう。便器だけど。


韓国の水原というところには、「解憂斎(ヘウジェ)」というトイレミュージアムがあります。「清潔が大事」とトイレ文化運動をした、元水原市長が寄贈したものです。建物自体が便器の形をしていて、昔のトイレや、ウン○でイタズラした壁など、遊び心のある展示も。

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外にあったトイレが家の中に収まり、洗練されていく。いまは水洗も自動ですものね。

もう少し選択肢がほしかったなーと思いつつ、無事に工事を終え、ホッとしていたところに新たな問題が発覚。本格的な大工事になってしまいました。夢のお告げに震えた。

人間が住む家には必要不可欠なトイレ。便器は選べなかったけれど、快適空間にするべくがんばっています。神様に嫌われないように。


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