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「葛餅」と「久寿餅」

ご存じですか? 「くずもち」には2種類あるそうなんです。

「葛餅」と「久寿餅」は、まったく別のものなのだということを初めて知ったので、メモしておきます。


葛粉でできた「葛餅」

関西人であるわたしが知っているのは、葛粉で作られた半透明のお餅です。音でたとえるなら、とろん、ぷるん、つるん。最高!

原料の葛は、どこにでも生えるつる性の豆科の植物。秋の七草のひとつにもなるくらい、ポピュラーなものですよね。

Wikipediaより)

中でも、奈良県の吉野地方に自生する葛の根から澱粉をもみだして精製したものは、高級食材・吉野本葛と呼ばれています。


発酵食品の和菓子「久寿餅」

一方、江戸発祥の「くずもち」は、小麦のでんぷんを発酵して作るそう。池上本門寺近くのお店では「久寿餅」とも表記。見た目は、生麩かこんにゃくのような感じで、ずっしりした食感がありそうです。

発酵させるため、出来上がるまでには2年近くかかるのだとか。

これに、きな粉と黒蜜をかけていただきます。

“もっちり”というより“しっかり”という食感。くずもちを食べて「噛む」なんて、という新鮮な驚き。お餅自体には味がなく、風味を味わう感じですね。きな粉と黒蜜という最強コンビの力があれば、なんでも最高になれる!という気もしますが。

旬を大切に、手間を惜しまず作ることが肝だと思っていた和菓子の新たな一面を発見した気分です。


現在、病院にいて食が進まないので「くずもち買ってきて」とお願いしたところ、夫が見たことのない物体を買ってきたため、今回の問題が発覚しました。

これは「わたしが知る“葛餅”ではない」、「ぼくはちゃんと“くずもち”と書いたものを買ってきた」とケンカが勃発。葛餅とはなんぞや?をめぐる戦いは、調べてみるとなるほど、どちらも正しかったのでした。

「久寿餅」も何店かあるようなので、これは食べ比べに行かなければ!

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