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日常生活で生かしようのない豊かな雑学 『究極の文字を求めて』 #476

「すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる」

かつてコピーライターの谷山雅計さんのお話を聞いたとき、谷山さんはそう言って、「すぐには役に立たないけど、アタマの実用にはなる」本を紹介してくださいました。このイベントからもうすぐ一年。どれくらい「役に立たない」こと、人生の遊びができたかなーと考えています。

今週は「日常生活で生かしようのない辞書」を紹介してきましたが、ラストを飾るのは『究極の文字を求めて』です。

オリジナルの文字を作ることに熱中した青春時代を経て、いまならもっとすばらしい文字ができるのでは!?と考えたという著者の松樟太郎さん。世界各国の「文字」を紹介しています。

文字に対して「かわいい」とか、あんまり考えたことがなかった……。本で紹介されている中で、一番ヤバそうなのが「殺傷能力が高そうな」文字です。それがこちら。

チベット文字

チベット文字なのだそうです。かなり研ぎ澄まされたナイフ感ありますね。こんな文字の看板があったら、ちょっと下を歩くの怖そう。

この本の版元である「手売りブックス」は、ミシマ社が発行しているシリーズです。書店独自にカスタマイズできるという「手売りシール」が付いているそうなんですが、わたしが買ったものにはなかった……。このシリーズはどれも装丁がレトロかわいいので、つい欲しくなってしまう。本屋さんで探してみてくださいね。

以前、「字がうまくなる科学的メソッド」について書かれた本も読んだことがあるのですが、あまりにも「理系向き」すぎて内容を解読するのが大変でした。笑

まあ、文字ってデザインなので、長さや角度の黄金比から計算するという主旨は理解できました。

わたしはPCの前に一日座っているような仕事をしていますが、比較的手書きの文字も書く方です。だから「字がうまくなる科学的メソッド」にとても心引かれたんですよね。ただ、実践は難しい。で、いまの夢は。

「字がうまくなる科学的メソッド」を使って、「殺傷能力が高そうな」文字を綴ることです。

いや、まず普段書く文字をなんとかしようよ……。

気がついたら、今年もあと2か月。こんなにおうち時間が長くなるなんて思いもしなかった、今年のお正月が昨日のことのようじゃないですか?

今年は「ユーモア」がわたしのテーマだったので、残りの時間でたっぷりと「役に立たない」ことをしたいと思います。

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