見出し画像

“本の沼”からのぞき見る中年の世界 『中年の本棚』 #416

蔵書3000冊は多いのか、少ないのか、普通なのか。

先日、会社で「他己紹介」がありました。わたしの紹介をしてくれる方と打ち合わせをしていた時、自宅の本の冊数を聞かれたので「だいたい3000冊くらい」と答えたら、ちょっとざわついてしまいました。

もちろん、すべての本の、すべてのページに目を通した訳ではなく、いわゆる「積ん読」本もあります。途中で放置した本もあります。普段はだいたい5冊くらいの本を平行して読んでいるので、これまたどの本をどこまで読んだのかも把握してない。

こうした、気の向くままに本を読み散らかすタイプを「拡散型」と呼ぶそうです。計画をたてるとしても、あまりこと細かく決めて「タスク」にしない方がいいとのこと。たしかに、計画をたてるのも、その通りに実行するのも苦手なんですよね。

上の記事の最後にあるFFS診断の拡大版は、『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み』に自己診断用のアクセスコードがありますよ。

飽きっぽくて移り気。でも、本との出会いは一期一会だから、「お!」と思ったらとりあえず買う。

本との付き合い方がこんな感じなので、書評や読書エッセイを読むとどんどん欲しくなってしまいます。荻原魚雷さんの最新刊『中年の本棚』がまさにそれでした。

人は誰でも初めて中年になる。
この先、自分に何ができるのか――。

「中年期に書かれた、あるいは中年をテーマにした、ありとあらゆる本」がとりあげられています。“中年の先輩たち”を研究した“夏休みの宿題”といえるかもしれません。

お気に入りは「上機嫌な中年になるには」の章。わたしの大好きな作家である田辺聖子さんの話から始まるのですが。

わたしは長年、田辺聖子の本を避けてきた。関西のアクの強いおばちゃんだとおもっていた。

えー! それは上沼恵美子さんでは!?

そして、いま気になっているのは「サブカル中年の話」で紹介されていた数々の書籍です。

・吉田豪『サブカル・スーパースター鬱伝』
・杉作J太郎『杉作J太郎が考えたこと』
・大槻ケンヂ『40代、職業・ロックミュージシャン』

といった、サブカルな人々の濃い~話が読めそうな本たち。どんどん手を出してしまいたくなる。

わたしはサブカルの脇道を通った程度だったので、いまあらためて「知りたい」気分が高まっています。これは完全に大根監督の影響ですね。「モテキ」「SUNNY 強い気持ち・強い愛」を続けて観たせいかも。

まさかこんなところに沼の入り口があったなんて。

「ちょっとだけ」という気持ちでのぞいてみたら、ズルッと足首をつかまれていました。でもどんどん底まで行ってみたくなる。誘い込まれる。

こんなエッセイが書けるようになりたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?