スナックに夢中な王子様に夢中になる! ドラマ「屋根部屋のプリンス」 #554
「屋根部屋」こそ、韓国ドラマを象徴する部屋です。
建物の屋上にもうひとつ、部屋をムリヤリ建てたのが「屋根部屋」。ペントハウスといえば聞こえはいいですが、実際には家賃が安いため、若くて貧しい登場人物が住む場所としてピッタリなのです。だいたい高台にあって見晴らしがいいので、ドラマの舞台として画的にもきれいですしね。
「秘密の森」では、ペ・ドゥナの住む屋根部屋の庭で焼き肉パーティーをしていましたし、「キム秘書はいったい、なぜ?」では、2PMのチャンソンが屋根部屋の庭を自家菜園にしていました。
ただ、吹きっさらしの掘っ立て小屋に近いものも多くて、夏は暑く、冬は寒いのだそう。
そんな下々の住む部屋に、プリンス??
ユチョンとハン・ジミン主演のドラマ「屋根部屋のプリンス」は、意表を突いたタイトルも秀逸でした。
<あらすじ>
皇太子イ・ガクの嬪宮ファヨンが、池から遺体で発見される。何者かによる陰謀だと考えたイ・ガクは3人の臣下を集め、事件の真相を解明しようとするが、襲撃を受けて逃走。崖を飛び越えた時にタイムスリップし、21世紀のソウルに飛ばされてしまう。そこはパク・ハの屋根部屋で……。
日本語では「プリンス=皇太子」となっていますが、原題は「屋根部屋の王世子」。「王世子」は次の王のことなので、「皇太子」という訳があてられているようです。ドラマでは「王子さま」という方がピッタリきそうなユチョンがイ・ガクを演じています。
運命のいたずら、というか、悪意を持って運命の糸を取り替えられてしまった「王世子」。もつれてしまった糸を解すべく、奮闘するのですが。
21世紀のソウルにやってきても、王子は王子。どこまでも傍若無人だし、なのに労働はできないし。ハン・ジミン演じるパク・ハともケンカばかりしています。
「王世子」の付き人役も豪華です。
頭のいい司書はイ・ミノ(緑)が、武術の達人はチョン・ソクウォン(青)が、そしてコミュニケーションの達人は「パラサイト 半地下の家族」の長男チェ・ウシク(黄)が、それぞれ演じています。
彼らは朝鮮時代の人なので、タイムスリップしてきた当初は長ーいワンレングススタイル。きれいなポニーテール姿も拝めますよ。
で、このドラマで「王世子」を演じたユチョン。手を後ろに組んで堂々と胸を張った、立ち姿が印象的でした。パク・ハが彼を見分ける伏線にもなっています。そして、これこそ、ユチョンがつくり出した“王世子スタイル”なのではないかと思います。
手を後ろに組んだ立ち姿はエラソーにも見えるため、エラソーにしている役人や王がすることが多かったんですよね。「屋根部屋のプリンス」が韓国で放送されたのは、2012年のこと。これより前に制作された「イ・サン」や「根の深い木」などのドラマでは、“王世子スタイル”があまり出てきませんでした。
でも、ユチョンの“王世子スタイル”以降、みんな手を後ろに組んでいた!
「チャン・オクチョン-張禧嬪-」のユ・アインも。
「太陽を抱く月」のキム・スヒョンも。
「100日の郎君様」のド・ギョンスも。
ユチョン式“王世子スタイル”!
そんな「ゆったり、おっとり」した雰囲気を活かした「王世子」は、現代において、バナナ牛乳やスナックフードに夢中になってしまう。彼らが巻き起こすドタバタとロマンスがとても楽しいドラマです。
時代劇を観る時に分かりにくい用語を、以前ツイートしたんでした。ようやく見つけたので参考にしてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?