80年の時を超えて明かされる謎 ドラマ「シカゴ・タイプライター ~時を越えてきみを想う~」 #566
わたしには、子どもの頃からよく見る夢がありました。あ、将来の希望という意味の「夢」ではなく、眠っているときに見る「夢」の方です。
壁も床も石造りの、薄暗い部屋。すごく汗をかいていて、右手に何かを握っていて、床に三角座りをしている。扉の向こう、廊下の奥の方から靴音が聞こえてきて、「逃げなきゃ!」と思うこともあれば、扉が開くのを待っていることもあります。
15年くらい前、前世がみえるという先生に会いに行ったことがあり、そこでこの夢のことを聞いてみました。
「あーー……。新聞記者? ジャーナリスト?」
職業を尋ねられたのかと思って、「はぁ、ライターをしてますけど」と言うと、先生は笑って答えてくれました。
「あなたじゃなくて、直前の生の人がね。南米のジャーナリストだったみたいですね。地下活動とかしていたみたいだけど、拷問で死んだわけではなさそうだから安心してください」
安心できませんっ!!!!!
この日、わたしは友人ふたりと訪れていたのですが、前世のある時期、わたしの友人だった人が、まさにこのふたりの特徴にピタリと合っていて、大笑いしたところでした。だからよけいに、先生の言う「南米のジャーナリスト」という言葉が心に残ってしまったのでした。
ゲバラの仲間だったなら、うれしいなー。
と、ちょっと思いました。信じない人にはまったく信じられない話ですよね……。前世の記憶は、現世にも影響を及ぼすのでしょうか。
若手実力派俳優ユ・アインがスランプの小説家に扮し、前世の記憶をたどっていくドラマ「シカゴ・タイプライター ~時を越えてきみを想う~」を観て、そんな昔のことを思い出しました。
<あらすじ>
人気作家ハン・セジュの家に強盗が押し入り、彼の小説を読んで事件を起こしたと語る。危機を救ってくれたのは、セジュのファンであるチョン・ソル。シカゴから届いたタイプライターを配達してきたのだった。以来、1930年代の幻を見るようになったセジュはスランプに陥ってしまう。セジュが事故で行方不明の間に、なぜか新作の連載がスタート。セジュは謎の男ユ・ジノが、自分の代わりに執筆していることに気がつくが……。
「太陽を抱く月」のチン・スワン脚本家が手がける、ファンタジーロマンスです。謎の古いタイプライターが、80年の時を超えて3人の人物をつなぎ、ミステリアスな過去の事件が明らかになっていきます。
クソが付くほどの“オレ様”小説家ハン・セジュを演じるのは、もちろんユ・アイン。注目すべきは、毎日違うメガネです!
登場人物に作家や出版社が出てくるせいか、本棚も多種多様です。いいなー、図書館並みの書斎。憧れます。やっぱりネクスト韓流コンテンツは「インテリア」ですよ。
1930年代の抗日運動をしている青年たちと、現代を生きる人びとは、どういう関係だったのか。そして一文字も書けなくなってしまったセジュの代わりに『シカゴ・タイプライター』を書いている謎の男ユ・ジノは誰なのか。これ、まさかの。
ゴーストライターが、ホンモノのゴーストだった……!
という展開になっていきます。「付喪神」かと思ったよ。
アンティークなセットや、ドラマチックなストーリーを盛り上げるOST。誰も信じないと語る男の過去。すべてがかっちりとハマっていて、夢中で観られるドラマです。
現在、NetflixとAmazonレンタルで配信されています。YouTubeでは第1話の無料公開も。
https://www.netflix.com/title/81167065
(画像は公式サイトより)
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