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1000日チャレンジ:書評

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1000日チャレンジで書いている「本」のコラムです。 ビジネスパーソンにおすすめの小説、ノンフィクション、語学の本多め。
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#短編小説

レストランを舞台に繰り広げられるお料理と人間模様 『タルト・タタンの夢』 #595

我が家で料理をするのは、わたしだけです。在宅勤務となる前は、ダンナは皿洗いさえしたことが…

mame
3年前
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“変化球”でみつかる人生のチョイス 『お探し物は図書室まで』 #594

「人間万事塞翁が馬」とは、人生における幸不幸は予測しがたい、いたずらに一喜一憂することな…

mame
3年前
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飲み込まれる前に考えたい。夫婦とは何か 『異類婚姻譚』 #574

「翻訳するより難しいな」 イム・シワン×シン・セギョン主演の韓国ドラマ「それでも僕らは走…

mame
3年前
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タイトル当てクイズ「パワハラが暴き出した会社の秘密」 #467

「会社員」をやっていてよかったなーと思うことがあります。 ・設備が整っている(複合機とか…

mame
4年前
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タイトル当てクイズ「梢のざわめきは災厄か、神のお告げか。答えは人間の中にあり。」…

この作家の小説は大好きでいろいろ読んでいるんですが、これはちょっと毛色の違うホラーちっく…

mame
4年前
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日韓の12人の作家による、愛についてのおしゃべりが止まらない 『小説版 韓国・フェミ…

「ルビンのツボ」とは、デンマークの心理学者エドガー・ルビンが考案した多義図形のことです。…

mame
4年前
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小さな違和感をガマンしない勇気 『ヒョンナムオッパへ』 #451

かつて「ダメンズ」という言葉が流行りましたね。いまではすっかり普通語として定着しているみたいですが、もともとは倉田真由美さんのマンガ『だめんず・うぉ〜か〜』から始まったもの。ダメな男=ダメンズを渡り歩いてしまう女性の体験談を紹介するマンガでした。 ダメンズの特徴として挙げられるのは、虚言癖やドメスティックバイオレンス、浪費癖、浮気癖などです。「こいつ、マジであかんヤツじゃないか……」と思っても、なかなか離れられない女性たち。ひとりの男と別れても、またダメンズと付き合ってしま

自分をも見失う“喪失”の物語 『外は夏』 #449

「喪失」という言葉に、もし色がついているなら。 それは、うすいうすいグレーかもしれない。…

mame
4年前
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不器用で、ぎこちなくも必死に生きる人たちのジタバタ 『走れ、オヤジ殿』 #448

韓国映画やドラマを観ていて「父の不在」を感じることがあります。母と娘の確執、母の溺愛で壊…

mame
4年前
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韓国版“世にも奇妙な物語” 『屋上で会いましょう』 #446

海外文学の窓口になってくれる人といえば、翻訳者ですよね。日本語しかわからないわたしと作品…

mame
4年前
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モブたちの生き様が輝くとき 『フィフティ・ピープル』 #445

「モブキャラ」ってかわいい言い方だなーと思っていたら、実体はぜんぜん違うものでした。これ…

mame
4年前
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わたしの中にある“無意識の悪意”に気づくとき 『優しい暴力の時代』 #442

この記事は、個人ブログに移しました。ご了承ください。よかったら、こちらのリンクからご覧く…

mame
4年前
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命と科学はとても近いところにあるのかもしれない 『月まで三キロ』 #419

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mame
4年前
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SFのせつなさと、あざとさと、どんでん返しを堪能 『ZOO 1』 #392

「SFって、物語をつくる上での決まりを考えなくてもいいというか、あざとくて当たり前というか、展開がころころ変わっても、どんでん返しがあってもいい。自由に発想できるじゃないですか」 小説家・乙一さんの原作を映画化した際、脚本・絵コンテ・キャラクターデザインを担当したマンガ家の古屋兎丸さんは、こう言って「SFは乙一さんに向いている」と勧めています。 SFってあざといのか。笑 でも、乙一さんの既成概念に縛られない、当たり前をヒョイと飛び越えてしまう世界は、たしかにSFに向いて