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映画化希望(嫌われた監督(鈴木忠平))

プライムリーディングの作品で読む事ができました。
プライムで読めるのは小説やマンガ、自己啓発の本が多いので、これが読めたのは驚きでした。

落合さんが監督を務めたのは8年間。その8年を記者目線で書いた作品です。あまり映画を見なくなった私ですが、これはもう映画レベルの作品です。あまりにもドラマチックすぎます。最後の解任劇は本当にクライマックス感がすごい。
落合さんがやってきたことは一貫しているのですが、周りの反応が変わっていきます。その描写もすごい。そして、記者は一対一になった時の落合さんの姿を細かく書いていて、それが非常に人間味があっておもしろいのです。
まぁいろいろしがらみも多いのでとても映画化にはならないでしょうし、誰が落合さんを演じるんだっていう問題もありますが。

「勝ち方」を問われた


落合さんが貫いたのは「勝つ事がファンサービス」という思いでした。
ただ、それがつまらないとも言われ、勝つのに観客数が増えないという状況になっていました。
すごくディフェンス重視の戦い方だったんです。

その戦い方で思い起こすのは、私の場合、ボクシングです。
ボクシングでも、勝つために「打たれない」事を重視する戦い方をする選手がいます。
3分間、相手のパンチを避け続け、1・2回だけ強いパンチを相手に当てる。
それを1ラウンドから12ラウンドまでやり続けます。
「もっとパンチ打てば相手を倒せるんじゃないの?」と思うのですが、3・4回パンチを出し続けると相手がそこの間隙を縫って打たれるかもしれない。だから「追撃」をしません。
結果、こういう選手の戦い方は「塩試合」と言われます。

私はこういう戦い方を「つまらない」とは思わないのですが、世の中的にはお客さんを呼べる戦い方ではないようで、落合さんのときの中日も守り勝つ戦い方が主流でした。

で、落合さんが辞任して以降、ドラゴンズは優勝を手にしていません。

勝てば強いし楽しいはず。でもおもしろい勝ち方をしてくれなきゃつまらない。

戦いの「あり方」を世に突きつけた落合さんの8年間だった気がします。


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至ってごく普通のサラリーマンのつもりですが少し変わった体験もしています。