見出し画像

私達が、会社を潰した(3、行動)


前に勤務していた会社が消滅してから5年が経過しました。
今から5年と1ヶ月ほど前の事を、二度にわたって紹介しました。

https://note.com/33536631/n/ndfc68fa14a01

この続きです。

深夜2時の決断


社長の裏に不穏な動きを感じとったのが、深夜の11時過ぎのことでした。細かいことはかけませんが、その場にいた数名の社員は震えあがりました。
会社に残っていた数名は、「これはどうすればいいんだ」と途方に暮れました。たまたまそこにいた一人が、弁護士と酒飲み友達だったため、即座に連絡を取りました。相手の人はとんでもない深夜だったにも関わらず快く電話に応答し、即座に彼のもとへ数名が訪問し、相談しました。

深夜2時ごろに帰社。そして、私たちが決断したのは、
「従業員が破産をさせる」
策を取ることでした。

会社を破産させるのを決めるのは、本来であれば社長です。しかし、社長のやり方には何かおかしなところがある。酒飲み友達だった弁護士はそのカラクリを知っていました。
債権者にも、会社を破産させる権利があるんだそうです。私たち従業員は、給料が巨額未払い状態、つまり立派な「債権者」(労働債権というそうです)。その権利を行使する(一刻も早く。その間、前回紹介した「債権譲渡」をなんとかして止める(先延ばしする)。
ただし、リスクはありました。破産申し立てを裁判所にしなければならず、そのためには巨額の予納金を納めなければならなかったのです。そしてその予納金が戻ってこない可能性も、ゼロではないとも言われました。若手の従業員にはそんなお金を払う余裕はありません。なので、40代以上の従業員がカンパしあって支払うことになりました。私もそのカテゴリーです。銀行にあった残り金額はきわめて少額でしたが、私だけ降りるのは筋が違うと、賛同しました(残念ながらここで降りた人もいました)。妻には黙って、振り込みをしました。

タダ働き確定

同時に、私たちは関係者へ連絡をしなければいけませんでした。

ここから先は

885字

¥ 200

この記事が参加している募集

熟成下書き

至ってごく普通のサラリーマンのつもりですが少し変わった体験もしています。