東京漫才(おぼん・こぼん)
表紙がめちゃくちゃいい。こんな写真を撮りたいものです。
仲直りはした、確かにした、けれども、みたいな雰囲気が、後ろ姿だから出ている。そんな気がします。
あの番組が「バラエティ」じゃなく「ほぼドキュメンタリー」になり、ギャラクシー賞を受賞することになった。その要因になった漫才コンビの本が発刊されていました。
昔のおふたりその1
毎週土曜日のお昼は「お笑いスター誕生」を欠かさず見ていました。
この番組を経て大ブレイクを果たしたのが、「おぼん・こぼん」です。圧倒的なおもしろさだったと記憶していて、お二人とも笑いを楽しそうにやっていました。つられてこっちも笑っちゃう、みたいな。。。
余談ですが、この番組はすごかった。とんねるずや竹中直人、小柳トム、シティボーイズなどなど、それはそれはすごいスターが次々と登場していました。
コロッケさんも強烈でした。この番組が印象に残っているので、私にとってのコロッケさんは「ものまねスター」ではなく「形態模写スター」だと思っています。
昔のおふたりその2
昔昔のことですが、たしか富士急ハイランドだったような記憶があるのですが、そこでおふたりのショーを見たことがあります。
すごい数の家族連れがいたのですが、すごいテンションが低い状態でした。
晴れやかな衣装でお二人が登場してもテンションは低いまま。
するとお二人が、「なんやテンション低ないですか? 私ら、じゃがいも畑に向かってしゃべってるみたいなんで、もっと盛り上がりまへんか?」
みたいな事をなかばボヤキのように言うと、たったそのひと言で空気がガラリと変わり、笑いあふれる場に変貌しました。
「これはすごい。たったひと言だけで変えてしまうって」
で、この本を読んだら、もうこれは「訓練」でなく「天性」だと感じました。
仲違いの原因
おふたりの性格の差。これがひとつの原因なのかなと思います。
でもそれは当たり前のことです。ちょっとした何か(ボタンみたいなもの)のかけ違いが続いたことで、どっちも引くに引けない状態になってしまった。そんな感じだと思います。
無理に仲がいい必要もないと思います。「漫才」を通して「人を笑わせたい」と思う気持ちだけをおふたりが共有していれば、あとは別に無理せず、普通でいればいいように思います。
50年も一緒に仕事をしていれば、「戦友」です。
それと、著書の中でおぼんさんが説いている「不器用であれ」の教え。これはスポーツや芸術にも通じていることだと思いました。
最後にお願いできるとするならば
このお二人は「ベテラン」の領域にいると思います。この本にも、お笑いの歴史の一端が書かれているのですがこれは非常に貴重な証言だと思います。赤坂コルドンブルーのことは全然知りませんでしたが、東京の風俗史には絶対欠かせない1ページのはずです。
東八郎さんや横山やすしさんのことも少しだけ語られていますが、もっとこういう歴史を語り残してくれないかなあと思いました。
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