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映画へGO!「ブルーピリオド」

(※多少のネタバレあります)
原作のことをそんなには深く知らずに鑑賞して参りました。

美術の世界を描いていますが、心・技・体でライバルと向き合い、仲間と向き合い、そして己と向き合うという、あたかもアスリートシップを捉えた普遍的な物語になっていたので、自然とその青春世界に引き込まれ、エンターテイメントとして楽しめました。

最近の若手俳優の名前はすらすらと出てこないのですが、スマートで熱い主人公の眞栄田郷敦さん、トランスジェンダーの盟友を演じた高橋文哉さん、憧れの森先輩こと桜田ひよりさん、ライバルだけど意外といいやつを予感させる板垣李光人さんなど、主要キャラクターそれぞれが、役柄を上手く捉えて演じてくれているように感じられたため、落ち着いてストーリーに入って観ることができました。

身近な存在として、実際に藝大を目指し一生懸命な努力のすえ合格した人物がいるので、芸術分野で人から相対的・絶対的評価を受ける厳しさや大変さを多少は感じ取れるのですが、何よりすごいと思うのは、まだ大人になる手前の段階で、自らが一生をかけても良いと思えることを発見し、そこに向かって努力を続けられることですね。
眞栄田郷敦がその発見までのプロセスと以降の覚悟をシンプルに表現してくれていましたし、そこへ導く大人としての大事な役割を果たす、薬師丸ひろ子の存在感が素敵でした。

主人公が「自分は天才ではないから、天才に少しでも追いつくために無限の努力をする」と語りますが、逆に”その無限の努力を続けられる消えない熱量”こそが天賦の才能じゃないかというメッセージを受け取りました。

個人的評価:★★☆☆☆
特に映画的なカタルシスを感じることはなかったですが、肩の力を抜いて楽しむことができます。
美術の世界のエンタメ化もあっていいのではないかと思いました。
(みんなで発見し、楽しみ、評価し、その市場を盛り上げていくという意味です!)


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