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映画へGO!「グランツーリスモ」

(※多少のネタバレあります)
これは誉め言葉なのですが、予想通りでかつ王道な展開の、スカッとできる映画でした。必要な起承転結やアップ&ダウンが非常にテンポ良くトントン拍子に進んでくれるので、ノーストレスで楽しめます。

予告編でもわかるのですが、およそあらすじは知った上で観に行きました。
出口の見えないさえない日常を生きる、ヴァーチャルなゲーム上でのシムレーサーが、リアルなトップレーサーひしめき合うカーレースにガチで挑んでいくという世界観は、新しい時代のワクワクするシンデレラストーリーとしてとても惹きつけられますし、しかもそれが実話に基づいているということに「こんなことあるんや・・?」と驚きを隠せません。

そしてさらに感情移入できた要素としては、カーシミュレーターの”グランツーリスモ”自体が、日本人ゲームクリエーター山内一典氏の情熱とリーダーシップで開発されたものであり、それをソニーやニッサンほか、日本の様々なメーカーが主体的に支えることで進化・成長してきたという事実があります。

ので、映画の中でもチラチラとプレイスメントなどされていますが、日本のブランディングにも寄与する役割を果たしている作品と感じました。主人公のシムレーサーの日本へのレスペクトも、さりげなく表現されていたりします。

観ていて特に解釈が分かれたりということもあまり無さそうですし、個人的に何か深堀りしてコメントしたいシーンも正直ありません。
むしろ静と動、緩と急、爆音と無音などのカーレースの映画に求めたくなる、視覚上・聴覚上の演出の変化がしっかり組み立てられているので、一本調子にハイテンションになっていることもなく、ちゃんと人間ドラマとしても腹落ちすることができました。

俳優陣は、そんなにトップスターが顔を揃えるわけでもなく、とはいえ地味ながらもそれぞれが必要な役割を果たしてましたね。
鬼チーフエンジニア役のデヴィッドハーバーはピタッとハマってましたし、オーランドブルームが、カーガイとマーケティング野郎のキャラクターを行ったり来たりする演技が、むしろリアリティありました。笑

それと、主人公が挫折と成功を繰り返しながら、自らの夢に近づいていく映画らしく、いいセリフも結構出てくるので、それも楽しみどころです。
さりげないセリフでしたが、主人公がリアルのレースにはじめてチャレンジするときに「たかがゲームじゃないか」とつぶやくのが、妙にココロに刺さりました。主人公はゲームの世界で全力で戦ってきたはずなので、それは最高の武者震いのセリフではないでしょうか?

個人的評価:★★★☆☆
隙の無い楽しい映画でした。



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