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予定調和の安心感「崖っぷちホテル」

最初「崖っぷちホテル」を見た時、
あれ?これ三谷 幸喜作「王様のレストラン」じゃない?と思った人はわたし以外にも多く、他の所に書いたレビューでも似たような意見は見られた。
まあ、正直筋としては同じだと思う。


元は威厳があり活気にあふれていたホテルもいまや崖っぷち、それにあわせ曲者従業員もやる気がなく、そこに一人の人間が入ることによって、
ときに(いやいつも)喧嘩しながらも、最後はうまくまとまり、バラバラだった従業員たちにも一体感が出始める。
それとともにホテルもだんだんと変わり始める。

うん、同じ。おおまかなすじはね。

でも、そうはいいつつも毎回見ている。
大体一話完結で、毎話誰か従業員が中心人物となる。
そして、そうたいした事は起こらず、いつも一話の中で解決する。
でも、これが見ててほっこりするのだ。
この予定調和が心地いいのだ。
最後のフランク・シナトラ「Strangers In The Night」がかかると、
いやあ、なんか、良かった。そんな気になる。

とくに私が好きなのが、料理部の総料理長ハルちゃんと、
やる気が無い為スーシェフに降格江口さんの掛け合いだ。
天才的ひらめきを持つが故、暴走しかけるハルちゃんを、
「おい、おい、お~い。」と言ってツッコミ入れながら止めに入る江口さん。
その中村さん演じる江口さんの顔が絶妙なのである。
冷めた口調ながらも、ハルちゃんを好いているのが分かるそんな顔だ。

と、思ったら公式でのインタビューでご本人もそのように演じているとの事。またもや、役者さんの凄さにふれた。

好いているといっても男女のそれではなくて(まあ多少あるだろうけど)、
先輩目線と親目線と、とにかく目が離せず、
俺がいないとこいついつまでもジャガイモの皮剥いてんだろうな、と思っているのだと思う。

まあ、万が一ハルちゃんと江口さんがお付き合いして、でもデートは競艇場で、
ハル「わたしこれ買っちゃおっかな」 江口「ほんとド素人は何にも分かってねーな(フッ」
がそれが大当たりし、
ハル「競艇ってけっこうかんたんですね」 江口「おまえなああーー!あーーーー!!(頭ぐしゃぐしゃ」
というのは見てみたい。
(競艇よく分からず競馬に当てはめて書いてるが、間違ってたらすみません)

そして、何故かこれを見ると、不眠の私でも、そこそこ眠れるのである。
(当然眠剤は入れているが)
これ、安眠にもいいのかもしれない、そう思うドラマである。


療養中の為、療養費に充てたいと思います。サポート感謝いたします。