「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前章」前章として完璧だった話。

連載時から気にはなっていたものの手をつけていなかったデデデデ。
『ソラニン』、『おやすみプンプン』、その他短編集などそれほどコアなファンではないが、ある程度浅野いにおは通ってきた。
特に『おやすみプンプン』が個人的ナンバーワン。
あ、でも『勇者たち』も捨てがたい。
要するに結構ちゃんと好きです。浅野いにお。

どちらかというと実写化のイメージが強い浅野いにお作品。ソラニン然り。
で、今回ついに初のアニメ映画化したデデデデ。
原作未読のため、シンプルにどんな作品なのかすごく楽しみでした。

まず作品としては『ドラえもん』、『ガンツ』を浅野いにおのセンスでカオス（混沌）にした感じ。
まあ、ガンツはともかくドラえもんは確実にオマージュされてる。
そこに浅野いにお節の青春群像劇が合わさった感じ。
でもストーリー自体は結構王道なSF。
「正義」がテーマにになっていてなかなかシリアスな内容。
「正義」を振り翳し相手を問答無用に弾圧していく狂気さが描かれ、そこにこれからタイムリープなのかマルチバースなのかが絡んできそうな予感。
そんなのを相変わらず個性的なキャラクターたちでシリアスかつポップに描かれている。まさに浅野いにお。

そして今回主演を務めたのがあのちゃんと幾田りら。
あのちゃんは最初あのちゃんでしかないんだけど観ていくうちにキャラとマッチしていき結果的にめっちゃハマり役に。
そして幾田りらが想像以上にめっちゃ良かった。地味目だけどしっかり者の女の子とその内にある危なっかしさをしっかり表現できてて個人的にあのちゃん以上にハマり役だと思った。

そして何より映画の前章として完璧だと思ったのが構成。
序盤は舞台設定やキャラの相関性にポイントを置きつつ少し違和感を残しながら進め、中盤では人間ドラマに動きも見せグッとくる展開にしつつ、過去編では既視感のある某ひみつ道具でワクワクさせ、終盤では感じていた違和感が暴走していき、さあここからいよいよどうなっていくのかといった感じ。
それでいて後半へ続く！みたいなぶつ切り感もなくちゃんと１本の映画として楽しめた。

でもちゃんと後章も楽しみ。

どうやら漫画とは違う結末に向かうみたいなので後章までに漫画買うかも。

また後章観たらnote上げます。