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世界を広げるきっかけは、日常のどこにでも転がっている

先日久しぶりに僕が夕飯を作った。

僕達夫婦は結婚二年目で子なし。穏やかで楽しい日々を送っている。

家事の分担は大体半々になるように曖昧に分担されている。きっちり役割分担をしてしまうと上手くサボれないからだ。この理由は妻も了承済み。

サボるっていうと聞こえが悪いかもしれないけど、もし「毎週金曜日は僕が夕飯を作る」っていう明確なルールを設けると、僕は月曜日の昼くらいから憂鬱になってしまう。それにもし急に火曜日に残業だとか会社の付き合いだとかが入ってしまうと、本来は夕飯づくり担当ではなかった妻に飛び火してしまう。

そんなような事を話したら妻は大賛成してくれた。料理が好きな方で良かった。

「今日はお互い仕事が早く終わったし外に食べに行こうか」という急な提案があっても、「本来なら夕飯づくりの担当なのにサボれてずるい」なんて感情にも悩まされなくて済む。

僕としたことが、なんて天才的な発想なんだろう。

しかし上手いこと口実を作ってなるべくサボろうという魂胆があるわけでもない。

僕はあまり縛られた予定を作りたくないのだ。だから時間とか気持ちに余裕があれば進んで夕飯も作るし洗い物もするし洗濯だってする。

今のところほぼ半々の割合で家事を分担できているのではないだろうか。

妻は僕の仕事に理解を示してくれるし、僕も妻の仕事を理解しているつもりだ。外であんまり身内を褒めることは良しとされないかもしれないけど、僕は妻のことを人として本当に尊敬している。

僕が数日間残業が続いて仕事でへとへとになっているときは、妻は文句も言わずにたくさんの家事をしてくれる。だから僕は仕事が落ち着いたら、しばらくは妻に感謝の気持ちも込めて8割くらいの家事を快く引き受ける。もちろん逆も然りだ。

僕たちは交際期間も含めると、もうかれこれ6年以上一緒にいるが、よそと比べるとお礼を言う回数が多いと思う。でも一日にお礼を言った回数なんて人と比べたことないし、ましてや数えてもないからあくまでも僕の推測だけど。

何十年か後、孫に僕たちの仲良しの秘訣を聞かれたら、それは息を吐くように感謝の気持ちを伝えることが大切だと伝えよう。

そうそう。なんか前置きが長くなってしまったけど僕が夕飯を作った話。

料理が得意な妻と違って僕はあまり料理は得意ではないしレパートリーも少ないから、クックパッドデリッシュキッチンなどのレシピを参考にしながら作っている。

妻はよくスーパーで安売りしている食材や、冷蔵庫の余っている食材があればそれを使って料理をする。しかしあいにく僕はそんな優れた才能を持ち合わせていないので、あらかじめレシピを決めてから食材を調達する。

家計のことを心配したらあまり良くないのかもしれないけど、妻と同棲するまで包丁なんて年に数回しか握らなかった僕にしてみれば大成長だ。

それに最近はテレビや音楽をBGMにできるくらい心に余裕ができた。

僕たちが住むアパートのキッチンはカウンターキッチンで、目の前にあるリビングにはカウンター越しにテレビを見られるようにテレビを置いた。」

この前は春巻きを作ろうと思ってクックパッドをスタンバイし、餡を作ろうと思った一瞬の静寂の間に、テレビから

「そこに愛はあるんか?」

という声が聞こえてきた。

僕たちは基本的に見たいテレビ番組は録画しておいて、あとからCMを飛ばしながら見る族なので、最近のCM事情にはあまり詳しくない。

料理をしているときにリアルタイムでテレビをつけていても、あくまでもBGMだからあまりちゃんと見たことは無かった。

だからさっきの「そこに愛はあるんか?」はめちゃくちゃ響いた。言葉のチョイスも良い。

なんならこれから春巻きの餡を作ろうとしていた僕には

「そこに餡はあるんか?」

とまで聞こえた気がした。

どうやらこれは大地真央さんと今野浩喜さんが出演するアイフルのCMだそうだ。

「アイフル→消費者金融→とんでもない利子→893→怖い」という短絡的な思考を持ち合わせている僕だから、CMが日常に普通に溶け込んでる感じがすごく不思議な気がした。

アイフルに限らずだけど、商品や会社のことを知らない人や興味がない人に向けてアプローチする方法はとても難しいと思う。僕もそんなような経験があるから分かる。

妻が帰ってきて春巻きを食べながらアイフルのCMの話をすると、なんと妻はそのCMを知っていた。

ちょっと悔しかったので僕は妻より一枚上手になれるように妻がお風呂に行っている間にアイフルのことを調べて、第二次アイフルマウント攻撃を仕掛けた。

僕が仕掛けた内容はこんな感じ。

アイフルは初めて利用する方なら最大30日間利息が0円で、即日の融資も可能なお金を借りる方法のひとつ。審査とかも何日もかかるのかと思いきや最短25分。

いや公式サイト見れば誰でも分かる。

マウントを取るにはあまりにも簡単すぎる内容な気もしたが、妻はそこまでは知らなかったようで、2回にわたるアイフルマウント戦争はドローで終わった。

それからしばらく大地真央さん発する「そこに愛はあるんか?」は、我が家でのちょっとした流行語になった。

妻が「いただきます。」と言ってご飯を食べ始めるとき、すかさず僕が「そこに愛はあるんか?」と問う。最初は困惑していた妻だけど、すぐに「愛がいちばん~」と歌って返してくれるようになった。

そんなこんなでくだらなくも愛おしい日常が繰り広げられている。

なんかタイトルだけ見るとすごく壮大なお話が始まるんじゃないかとか期待できそうだけど、僕のちょっと知識が深まった話と妻との日常を書いただけになってしまった。

まあでもこんなスタンスでこれからもnoteを書いていけたらいいと思う。

日常生活のこれからは、変わらず夫婦仲良く、お互いに尊重し合いながらね。

たまに「そこに愛はあるんか?」と問いかけるのもいいかもしれない。

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