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マイクロスクール ラーンネット・エッジでのインターン①:探究の学びの場での気づきや感じた事~子ども達との距離~

1 エッジとの出会いとインターン開始まで

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「こんな学校があるんだ!」初めてラーンネット・エッジの記事をnoteで読んだ時、何とも言えない気持ちになりました。"探究中心の学びの場は現実にある”という驚きと”それが可能な時代になったという”感慨深い気持ちです。

「しかも! 神戸にある!」その立地にも興味を惹かれスクールについて
詳しく調べ始めたのは2021年の5月頃でした。

スクールのスタッフは子どもたちの探究的な学びをナビゲートする役割なので「先生」ではなく「探究ナビゲータ」と呼ばれています。

スクールの説明の中のこの一文に目を引かれたのは、在職中に私学の家庭科の授業で探究型学習を取り入れていた時”探究をナビゲートする”難しさをイヤという程感じていたからだと思います。そして、ある日スクールでの「インターン募集」の記事を見つけます。

実際にインターンに応募するまでは”自分の年齢:こんなおばさんに勤まるの?” ”インターンの活動内容:何をすればいいのだろう?” ”新しい世界:インターンもマイクロスクールも未体験だけど大丈夫?”などへの不安が大きくすごく時間がかかりました。

実際に応募し面談を経て採用のお知らせをいただいたのは7月。1学期が終わる頃でした。「9月からお願いします!」という約束がコロナ第5波で延期になり、先週からようやくインターン生活が始まりました。

2 お伝えしたい事

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ラーンネット・エッジがnoteやinstagramやtwitterなどで発信している時の
ハッシュタグを見ると”マイクロスクール” "オルタナティブスクール” "積極的不登校”などの文字が目に入ります。

どれも家庭科教師として自分が経験して来た世界にはなかった事ばかり。
でも息子と娘の子育てを通して、子ども達が中学受験を経て中高一貫校に
進学したにも関わらず学校生活になじめず苦しんでいた時には退学やフリースクールへの編入等を考え悩んだので決して遠い世界の話ではありません。

もし当時、ラーンネット・エッジがあったなら私は息子と見学に来ていただろうと思います。ただ実際に見学までこぎつけるには相当時間をかけて調べただろうと思うのです。だってHPなどの表に出ている情報が全てではないから…。特に子どもの生活の大半を占めるスクールで実際にどんな活動がどんな雰囲気の中で行われているかは、あまり外には出て来ないからです。

今は特にコロナ禍ではオンライン配信が進み”いわゆる”普通の学校以外の学びの場への捉え方が変わり、実際に多様なスクールが出来ているように思います。それぞれに個性があり、こだわりがあり、情報だけに触れているととても魅力的に見えますが内部に入ってみないと見えてこない事もあります。

今回インターンに採用していただき、3月までの半年間、週3日ではありますが、学びの場に参加させていただく機会を得て、自分に出来る事は何かと考えた時、私のフィルターを通す事にはなるけれどスクールでの取り組みについての気づきや感じた事を発信していく事かもと思いました。

今の子ども達が生きる事になる未来は不透明で不確かで分からない事だらけです。その状況の中で何が子ども達にとってベストな選択かというのは、教育も含めて”正解がない時代”になっています。

その時代に子ども達の未来を決めていく時、学校選びなどでは出来るだけいろいろな情報を知る事が大切かと思います。個人で”子ども達が未来を生きる力を育むという活動”をしている事もあり、インターンの立場で情報をお伝えする事にしました。この内容が少しでもお役に立てれば幸いです。

3 インターン初日

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ラーンネット・エッジの初日は2コマ目からの参加となりました。エッジに向かう道には川沿いに大きな講演があり秋の木々を見ていると心が落ち着きます。子ども達がいる場所に行くには約半年ぶり緊張していたので、の風景には助けられました。

前回、授業に参加させてもらった時は見学会の時で、まだインターンとして採用されるかどうかも分からない時でした。今回はこれから半年間、お世話になる場という事で気が引き締まります。

2コマ目は「マジ探究カンファレンス」という時間。ラーンネット・エッジでは、午後は「マジ探究」という時間で子ども達がそれぞれ自分が決めたテーマに沿って探究を進める時間をたっぷり取っているそうなのですが、この「カンファレンス」では進捗状況の報告や他の子達の探究への意見交換などをするそうです。

ただ、この日は学期途中から”インターン”(私の事)が加わる事になるという事で、講師の方の配慮でそれぞれの自己紹介も兼ねた交流の時間にしてもらう事になったようでした。

そこで感じた事は、私がこれまで学校で経験していた「生徒達との距離感」「時間感覚」との全くの違いです。

まず「生徒達との距離感」。これがマイクロスクールのような小規模の学校のとてもいい所なのだと思うのですが、常勤のお二人の講師陣と生徒達は一種のファミリーのような感覚で信頼し合っていて、とても距離感が近いと感じます。でも、その関係はべったりしていたり依存関係にあったりする感じではなく、外から見ているとお互いを人として尊重している感じです。

ただ途中参入の人間にとっては、会話の中での内輪の話題やそこでしか通じないキーワードのには反応が出来ず、ついていけない事もありました。(これは想定内でしたが…。)

次に「時間感覚」。今まで学校で行って来た授業では授業開始とともにプリント等を配布し、その時間の流れを説明し終了時間を気にしながら作業があればいかに時間内に全員が済ませるように指導をするかに気を配りました。
そうすると
「早くしなさい。」
「ちょっと急ごう。」
「出来た人は残りの時間で〇〇をして。」
というような時間に関する指示をしなければならない事が多かったのですが、”ここではそれがない!”こんなにゆったりとした時間の過ごし方が出来るのかと驚きました。

さらに「”生徒の意思を尊重する”が徹底されてる。」という事にも驚きます。学校では家庭科の授業や実習で取り組んだプリントや作品は提出されて評価につながるので全てを「したくなければしなくていいよ。」では済まされません。でもエッジでは”いわゆる”評価”が多分ないので、子ども達の意思を最優先にする事が出来るのだと感じました。

ただnoteのスクールの紹介にもあるように、このスクールは10代の探究者のためのマイクロスクールなので、子ども達が全員何もせず何も話さずという事はありません。そういうベースがあるからだと思うのですが「カンファレンス」はとても穏やかな雰囲気で、子ども達が夏休みから2学期の最初に感じたり気づいたりした事を話題に進んで行きました。(ラーネット・エッジについてはこちらをご覧ください。)


この「カンファレンス」で、もう一つ驚いたのは一つのテーマからの広がり方の面白さです。生徒達の持つ知識量や視点のユニークさは「さすが10代の探究者たち!」と言わざるを得ません。インターンという部外者の立場からでしか分からない感覚かもしれませんが、学校だと同調圧力というか、他のクラスメートの目を気にしてというのか、何かのテーマで生徒達に意見や考えを聞いても常識的でお利口さんの発言が多いのが普通でした。(この点は学校によりましたが…。)

それが少人数で、すでに信頼関係が出来ていて”話を来てもらえる安心感”とそこからどんな方向に話を進めても”受け入れてもらえる雰囲気がある”とこういう風に話が広がり、新しい知見を得たり、他の子からの視点を得る事が自然に出来るのかと感じました。

おそらく、これは、その場を進める講師の方の存在とファシリテーションのうまさが引き出したものだと思います。私自身の発言はわずかでしたが、参加させてもらえただけでとても楽しい気持ちになりました。

4 まとめ

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私がとてもいいなあと思ったのは教室の雰囲気です。落ち着いた色合いの内装にとてもよく合った白木の机。大きな窓は開放され、外の美しい樹々に目をやる事で心が和みます。自然の中で自分のペースで穏やかに落ち着いて、自分自身の学びや探究に集中できる環境はそろっていると感じました。

午後の「マジ探究」は、これから年度末の3月までずっと続く時間ですので活動を通して感じた事や気づいた事をまとめて行ければと思います。

ここで書かせていただいた内容が何かのお役に立つ事が出来、子ども達が未来を自分らしく生きる力を育むサポートにつながれば、これほどうれしい事はありません。〈終わり〉

私個人の活動に興味を持っていただいた方は下記のサイトをご覧いただければと思います。