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STEAM教育と家庭科のつながりは?

「この子達に役に立つ家庭科はどんな内容なのだろう?」
超進学校で家庭科の授業を受け持ちながら、在職中、ずっと自分に問い続けた事です。

その学校は男子校。なので身の周りの事は大抵の場合、保護者の方々がしているようでした。だとすると細かい生活知識や暮らしのためのスキルを高校生の時に学ぼうという気持ちになりにくいのは分かります。

であるなら「受験勉強に忙しい彼らの貴重な時間を家庭科に使う事の意味は何?」これは本当に難しい問いで、退職した今も、その答えは出ていません。

ただ、当時考えていた事は理系に進む生徒が多い事を踏まえてSTEAM教育とつなげてみたらどうだろうという事でした。これは、これからの家庭科教育を考える上でも外せないと思います。

進学校の男子校で家庭科の授業や実習をしながら考えていた事は次のような事です。

生活を科学する視点を身に付ける家庭科はS:サイエンスに強い。

T:テクノロジーやE:エンジニアリングは家庭科の得意とする”ものづくり”や”探究を含めたプロジェクト学習”の成果発表の時のITツールの使いこなしなどで事で身に付く可能性がある。

A:アートの創造性は作品作りやその他の実習で養われる内容

M:マスマティックスは食分野の栄養計算や
衣生活や住生活などでの人間工学などでも養われる。

そう考えていた時、昔ある事情で電気やエネルギーの授業を受け持たなければならなくなり、必死で勉強した事を思い出しました。

正規の家庭科の分野では詳細に扱わない所ですが、家庭科の視点で授業に取り入れたら、生徒達には関心の強い分野だろうなと思いつつ結局何も取り入れられないままでした。

当時は家庭の事情で新しい事を導入する余裕がなく「やるといいだろう」と思っても
「どんな形で?」「どのタイミングで?」「授業で?何かの実習で?」「プリントはどうする?」などゼロから考えるゆとりがなく手を出せませんでした。

時代はどんどん変化しているのに新しいアイデアは形にするのが難しいし、時間がかかるのが現実です。

この時、もし誰か「私のアイデアに寄り添い、アドバイスをくれたりサポートしてくれる人がいてくれたら! 」そう思った事があります。

学校現場を離れ少し余裕が出来た今、当時の多忙で孤独だった時の事を思い出し「みらい家庭科ラボ」という家庭科の先生のためのコミュニティをもう一人の家庭科の先生と一緒に立ち上げました。

その頃、このラボではやりたかったのに、やったらいいと思っていたのに手を出せなかった事などをシェアしたり実験的にやってみる場にも出来ればと考えています。

そのうちの一つのSTEAM教育を意識した教材作りはトライしてみたい事の一つです。

だって、これからの時代を生きていく子ども達には不可欠な教養だと思うから。それが子ども達の身近な暮らしというフィールドで身に付ける事が出来れば、これほど子ども達にとってメリットになる事はないと思うからです。

そんな内容も含めた家庭科の授業のアイデアなどは、今後みらい家庭科ラボが主催するアップデートセミナーでシェアしていければと思っています。

セミナーの場はご参加いただける先生方とアイデアや考えをシェアし合う場なのでいろいろな先生方のご参加をお待ちしております。
もちろん聞くだけでのご参加も大歓迎です。どうぞよろしくお願いします。

みらい家庭科ラボの活動の詳細については下記のサイトをご覧ください。

〈終わり〉