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心を通した未来予想 「フューチャー・オブ・マインド」から考えた事

1 この本を手に取った理由


「このまま行ったら、どんな未来が待ち受けているんだろう?」 子供の頃は未来をワクワクしながら待っていられた。でも、大人になった今、しかもコロナ禍が続く中で未来を想像するのは怖い。

そんな時は本を読む。片っ端から気になる本を読む。最初から最後まで1ページずつなんて読み方はしない。自分なりの課題を持って、1シートに書き出す手法で。レゾナンスリーディングという読書法は本の著者と対峙しながら本から欲しい情報やメッセージやアイデアを取り出していく事が出来る。

「きっと、自分の考えを超える何かの叡智をもらえるに違いない! 」そう思って本を選んでいた時、目に飛び込んで来たのがタイトルの本。”心の未来を科学する” その副題に惹かれ、これしかないと決めて、この本を選んだ。

2 悩んでいた事

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情報の波にのまれ、想定外の事ばかりが続く状況の中で何か救いが欲しい。やがて来る未来を迎えるために「どんな心構えが必要なのだろう?」 それが1つ目の課題。そして「その心構え〈マインド〉をどう創っていけばいいのだろう?」それが二つ目の課題。

今考えると、学校再開後、子供達を目の前にして自分自身が信じる事が出来る何かを持っていたかったのだと思う。「きっと何とかなるよ。」「多分大丈夫だよ。」そんな曖昧で他人任せな未来予測で子供達に何かを語る事なんて出来ないと、その頃の私は思っていたから。

でも実は自分が不安にさいなまれ、どうしていいか分からず、藁にもすがる気持ちだったのかもしれない。今となっては、分からないけど、1冊の本に2つの課題で向き合えたのは貴重な経験となった。

3 課題1 未来に対して必要な心構え

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ページを開きシートに気になる語句を書き出していくうちに、自分なりの「幸福」の定義づけの必要性を感じた。受け身でなく自分で未来を創りだすためには、「幸福」をどう考えるかを明確にしなければと強く思った。

本の中の”取り込む成功と満足の先延ばし”という本のフレーズが印象的だった。昭和生まれの私には「とにかく何か成功すれば右肩上がりで収入も社会的地位も上がるはず。何かの分野で成功するまでは、どんな状況にも甘んじない。満足しない。」という変な固定観念があった。

ウィズコロナで時代が変わると人によって”幸福”の定義は大きく違ってくるように思う。自分にとって幸福度を上げるものは何なのか? ニューノーマルの時代には一律のみんなが目指す幸福は曖昧になり、社会的成功の基準が大きく変わってくるという認識〈心構え〉をしておく必要がある。

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では「心」とは何か? 生の感覚でどう捉えているのか? 今まで、漠然と「心」という言葉を使っていたけれど、本に出てくる ”心と関連する言葉の数々”との明確な違いは意識した事がなかった。例えば、意識・感情・記憶・脳など。これら全体のコントロールシステムをどう考えるか? 学術的な解答ではなく、自分が納得できる捉え方が必要なのだと思った。

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最後は、脳と心の関係をどうみるか? 

下記は文中からの抜粋分だ。(かなり前にシートにまとめた資料を基に書いているので間違っているかもしれません。すみません。)↓

”予測不可能な人生の出来事にどう対処するかこそが人生の幅”
 ”人の経験値によるニューロンのふるまい” 
”何千もの無意識に要因からの選択を脳がしていく” 
”運命の支配者”

いろいろな刺激的なフレーズが心に刺さった。脳には神秘的なイメージがつきまとう。そこに心が加わるとますます分からなくなる。ただ、この2つの関係はとても強く、そのイメージをしっかり持つ事が「わけもなく不安」という今の状態から脱却できる鍵となりそうだ。

最後にたどりついたのは、「自分の心が望むのは、どんな未来?」という問いだ。今までずっと、誰かが決めてくれた未来を生きて来た。小さい頃は親の言う事を聞き、21歳で結婚してからは主人や義理の父母の望む通りに生きようと頑張った。

これからの人生を考えると、誰のものでもない未来を人生の幅を持たせながら、どう生きていきたいかの決意や覚悟が必要で、それを明確にする事で〈心構え〉が出来ていくのだろうと思う。

そして、そこに科学的な思考が入る。これは科学の本だから。心のクオリティを高めるために、”仮定→分析→検証”のループを取り入れていく事が大切なはず。

”心的能力を伸ばす事が本質の変化につながる”

これは、どういう意味だろう? それが2つ目の課題を考えてみようと思ったきっかけだ。

実際は出来ていない事の方が多いけど、受け持っている家庭科の科目を通して子供達の心的能力を高めていけたらという想いはある。コミュニケーション力、生活に関わる感性、ものづくりを通してのレジリエンスなど、言葉にすると立派そうに見える。恰好がつきそうな言葉だけに惑わされて、「本質を見失ってはいなかったか?」

「本質」という言葉の意味する所は広くて深い気がする。その解釈も様々だけど、忙しさの中で忘れかけていたものを突き付けられた気がした。

誰も経験した事がない未来を築いていくためには、それに見合う心の持ち方〈マインド」も必要になるに違いない。それが次の課題につながる。

4 課題2 未来を創るために必要な事

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これから迎える未来は希望に満ちていると信じたい。その事を自信を持って伝えていく事で、一人でも多くの人が前を向いて生きていけるようになれたらと思う。特に次の世代を担う子供達には、明るい未来を感じてほしい。

ただ、それぞれが置かれている立場や状況は様々だ。では自分のソーシャルポジションは? 自分が感覚としてとらえている社会の中での立ち位置は?

私の場合は家庭科の非常勤講師。子供達は独立している。趣味も少なくアクティブではない。自己啓発系のセミナー受講は好きでそのつながりはある。今の時点での社会の中での人とのつながりは薄く、自分から働きかけていく事が必要と分かってくる。

見栄っ張りなので、”ぼっち”と見られるのは嫌だ。それが本当の事でもだ。寂しくもあるし不安も感じる。

ただ、この状況はこれから自分が入っていきたいコミュニティを何にも縛られずに選べるという事ではないかと思う。どんな人達と交流するか? 自分に出来る事はどんな事か? 

状況を客観視して違う視点から考え、取るべき行動を考えて行くと前向きな未来を創っていけそうだ。

未来を考える時に”自分がいる未来をシミュレーションする”事は、孤立などのつらい現実と向き合う事になるかもしれないが不可欠な事なのだと思う。

「自分の世界モデルを認識ベースで造る」
本から受け取ったメッセージだ。

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次は、自分の”心のくせ”を知る事。ネガティブ思考の強い私は、すぐに否定的に物事をとらえてしまう。よく言われるのが「考えすぎ」「神経質になりすぎ」。過去の反省から、仕事でも家庭でも、これでもかっていう程の策をたてる。そして疲れる。だって、事前の想定していた悪い事は大抵の場合は起こらないから。やっておいた事が無駄になってしまう。もうやめようと思うのに繰り返してしまう不安の想定と事前策の準備。

そういう変えたいと思っている”心のくせ”をどう変えていくか? その変容を意識出来る仕組みをどう作っていくか、それが未来のマインドづくりには大きな影響を及ぼすと思う。

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最後は自分との向き合い。自分の中にあるクリエイティブマインドはどんなものだろう? どんな特技や才能がある、または、眠っている? それを十分に発揮できる所はどんな場所やコミュニティだろう? どんな人があなたのクリエイティブマインドを発揮する対象になるだろう? 

どんな人も持つ、その人ならではの個性や特性は磨けば磨くほど、確かなものになる。それを自分の中でどう認識していくか研ぎ澄ましていくかが、未来を創っていくスピードやその内容を大きく変えていくと思う。

5 まとめ

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まとまりのない文章をお読みいただい事を感謝します。文系の私にとって科学系の本は近寄りがたいものがありますが、この本はどうしても読まずにいられなかった本です。

心というとらえどころのないものを科学的に分析するのか? しかも未来という漠然とした時制でどう捉えるのか? 読み始めると次々に新しい問いが出てきました。もし、機会があれば手にとって読んでみてほしい1冊です。

ここに書いた事は私見なので、本の内容理解に誤りがあるかもしれません。お許し下さい。

この本を読んだ後、自分なりに少しでも科学的な見方や考え方を意識出来るようになった事は大きな成果でした。それを少しでもシェア出来ればと思い、まとめさせていただきました。お読みいただきありがとうございました。