「女帝 小池百合子」本を読んだ感想

「女帝 小池百合子」 石井 妙子(著者)

 2022年1月現在東京都知事である小池百合子の虚飾に塗られたかこの軌跡を執念ともいえる圧倒的な取材量でまとめたルポ本。

 幼少期から現在に至るまでを時系列をおって整理し、学歴詐称問題はもちろんのこと、政治活動における問題点をとりあげ、さらにどうしてこのような人物が形成されていったのかが考察されている。

 今現在僕は拘置所におり、この本に書いてあることの真偽を確認することができないが、都知事に就任する前後からは僕も東京で暮らして目にしていたのでよく覚えている。

 7つのゼロ政策はほぼ未達で努力の形跡も見られない。オリンピックの費用も就任前はあれだけ叩いていたのに、就任後はもっと増え、スタッフのユニホーム作りなどのパフォーマンスで無駄使い。

 築地も騒ぐだけ騒いで何もしない。アウフヘーベンとか一般人に馴染みのない横文字ばかりをあえて使ってインテリぶってばかり。そんな人物でも、政治家としてこれだけの地位を築いてきたというのは、ある意味優れた能力の持ち主なんだと思う。

 何より思うのが、多くの有権者は前の選挙の公約などの過去のことを忘れてしまうものなのだなということだ。これには、より過熱しやすいネタ・構図ばかりを追いかけ、真に民主主義のための正しい情報を伝えてこなかったメディアの罪もあると思う。

 戦時中のメディア自身の失敗を反省せず、情報でさえティッシュのように大量消費する社会の流れに迎合し続けるのは問題なのではないだろうか。

 まあ、自論はさておき、そして真偽のほどもさておいて、読みものとしての読み応えは中々なので、一度この本を手にとってみてはいかかだろうか?

ブログ村 へ


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?