「海賊と呼ばれた男」本を読んだ感想

「海賊と呼ばれた男」 百田 尚樹(著者) ☆4.5

 出光興産の創業者、出光佐三の人生を描いた物語。(物語の中では出光佐三が「国岡鉄造」、出光興産が「国岡商店」となっている)

 日本が誇る名経営者の人生は本当に苦難の連続で、「いや、これは詰んだわ」という状況に何度も陥るが、全てを泥臭く(もちろん合法的に)乗り越えてしまう。

 出光佐三の人間的な魅力には読んだ人全員が引きつけられるだろうし、数々の難所をクリアしていく様も手に汗握る面白さがある。もう何から何まで面白い最高の作品。

 出光佐三はたくさん優れている点があるが、個人的に特に一つ取り上げるとしたら、チーム(社員)のやる気や能力を最大限まで引き出し、全体としての生産性を驚異的なレベルで引き上げるというところだ。

 会社のために日本に帰れなくなるかもしれないのにイランにタンカーで石油を受け取りに行ったり、ホワイトカラーの人間が率先して燃料タンクにもぐりに行ったり、この会社の社員すべてが社会的使命感を胸に獅子奮迅の活躍をする。

 こんな会社をよく作ったなと。松下しかり、本田しかり、日本の偉大な経営者たちはそれぞれ個性は違うが、皆強い信念、カリスマ性を持ってすばらしい組織を作っていることを再認識した。


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