見出し画像

ヨガの先生

もう7〜8年くらい前になるだろうか。ヨガスタジオに通っていた。はじめホットヨガに通っていたが引っ越しに伴いお店が遠くなってしまい、引っ越した家の近くにあったスタジオだった。

スタジオでは様々な先生のクラスが開講されていたが、その中で、定年前に退職してヨガインストラクターになった男性の先生のクラスによく通っていた。
すごくエネルギーの高い先生で、クラスの最後のシャバーサナの時、わたしはよく、照明が落とされて薄暗くなったスタジオに横たわって、静かに泣いていた。

当時、仕事やらプライベートやら参加していた団体?のことで悩んでいたが、その先生とのヨガを通して、なにかわたし自身に少しずつ変化があったのだと思う。

その後しばらくして、悩みのひとつであった団体を辞めた。辞めるときもいろいろあったが、ヨガを通して自分自身の根源的なところとつながる経験をしていたからだろうか、答えは自分の中にあるはずだ、そう思って辞めることができた。
そのヨガの先生にはとても感謝している。

最近どうされているのかと思ってスタジオのスケジュールを見たら開講しているクラスの中にみつからず。ブログを見に行ったら、脳血管系の病気をされたようだった。

脳神経外科の病棟に入院していた患者さんの様子を思い出す。リハビリをしてある程度の回復が見込めても、多くの人に障害がのこってしまうはずだ。ヨガのインストラクターに戻るには、少なくとも今すぐには、難しいのかも知れない。

ある日突然病気になって入院し、もとの仕事や生活に戻れなくなるのは、どんな気持ちだろうか。もしそれが自分自身であったら、その後の人生どうやって生きていけるだろうか。
今のわたしが楽器を吹くことができなくなったとしたら、自暴自棄にならずにいられるだろうか。



ちきりんさんのvoicyの中で、ライフネット生命の出口治明さんについて少しお話された回を思い出した。

出口さんの本は何冊か読んだことがあったが、病気をされていたとは全くしらなかった。
本筋の部分ではないのだけれど、voicyの中でちきりんさんは言っている。

「自分が大きな不幸に襲われたときにも、同じように、前向きにその場で、自分の限界を受け入れて、できることの中で努力して、前向きに生きていけるの?(中略)そういうふうになれる人間力を手に入れておきたい」

またいつか、先生のヨガのクラスに参加できたらいい。もしそれが叶わなくても、先生が人生を前向きに送っていますように。

そしてわたし自身が同じ状況に直面しても、voicyでちきりんさんが話していたように、前向きに乗り越えられるような人間力が今のわたしにあるだろうか。そんな力を身につけておきたいと、強く思ったのでした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?