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アートが嫌いだった僕が”アート関連”のイベントを企画するまでの話6/3 続・完結編3

まず、この場を借りて、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々におきましては、心よりお悔やみ申し上げます。今日この時も治療を受けられている方々におかれましては、1日でも早いご回復をお祈り申し上げますと共に、改めてお見舞い申し上げます。

今週末3月1日(日)に迫ってまいりました私たちの対談イベント。「落合陽一・新宮晋の対談『芸術を通じた人類の未来構想』においても、主催者の方で中止か、実施かの検討を続けていただいておりますが、今日現在この投稿を書いている段階では『中止』という判断は下されておりません。しかし、これは決定ではなく、検討中を意味していて、予断を許す状況ではありません。


と書いていたら、主催者から正式な中止の連絡を受けました。


以下発表文。

新型コロナウィルスの感染が拡大する中、現状では、県内の感染者が確認されていないとはいえ、広域から多数の方が参加されることから、参加者の皆さんの健康・安全を第一に考慮し、3月1日(日)に開催予定の「対談 新宮晋×落合陽一~芸術を通じた人類の未来構想~」を中止させていただきます。
開催を楽しみにしていただいた皆様には、急なご案内となりご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

令和2年2月28日

関係各位
兵庫県、(公財)兵庫県芸術文化協会、三田市


2月28日なのに、先に送ってしまうほどの慌てふためきよう。


先日めでたく、974名の定員に達したのにもかかわらず、中止となってしまったこと、深くお詫び申し上げます。

前回の投稿で、落合・新宮は言わばペガサス。このイベントは2頭のペガサスに繋がれた馬車であると書きました。このイベントを進行するに対し私が講じた『秘策』を今回は書きます。最後だから。

秘策!ペガサス達にきちんとコースを指し示す!

こんなことを書くことに意味があるのか無いのかは、分からない。

しかし、1000人もの人に集まって頂き開催し、もしものことがあっては、洒落にもならない。でもどう考えても心の整理がつくまでは暫くかかると思う。ここまで書いてきているから、このnoteは完結したいと思う。

最初は、こんなことを考えていたわけではない。しかし、期日が迫ってくると、もしもの時の惨状が頭をよぎるものだ。なので、私は無い知恵を絞りに絞った。『芸術を通じた人類の未来構想』という大それたタイトルが、かなりの重量感を危機感に変えて私に牙を剥いてくる。

そこで私は所謂ところの”コスい”方法で対策を講じた。

自由に走らせるとどこに行くか分からないペガサス達に、きちんと走らせるコースを走るようにテーマを細分化することを思いついた。

例えば・・・

『芸術と素材・手法』
『芸術を教育』
『芸術と社会』
『芸術と環境』

この4つの柱でイベントを支えることができないかと考えたのだ。

こうすれば、必然的にこのテーマに沿ったトークを展開できるし、脱線しても細かく修正していけると考えたのだ。(至極、当たり前のことを言っているのだけなのだが…)

素材・手法ならば、二頭のペガサスは共通の話題も尽きないだろうし、教育ならばそれぞれの思想があったにせよ、こんな私でもバランスを整えることも可能だろう。

社会においては、常に芸術と密接に関わっていることだし、これからの社会と芸術の関割りは重要になってくるものだと確信している。理由は、物の見方や判断が目に見える物ではなく、内在する本質的価値を見出すことが重要になってくると考えているからだ。それも教育とリンクさせることも可能だ。何よりも環境をどう考えるかという点においては、落合と新宮はどんな対談をするだろうか。ここを山場に持ってきて、未来にどう繋げていこうか。本当にワクワクしていたのだ。

私は、中止となってしまったが、『こんな時代だからこそ、人間は芸術に救われる。そして、芸術を通じて人類は未来を如何様にも変えることができる。』このことをこのイベントで来て頂いた皆さんと共有したかったのだ。

とても素晴らしいイベントになる。そして何より意義あることができそうだと胸を撫で下ろし、私は最終の打ち合わせのために2月25日に新宮のアトリエに向かったのだった。

2月25日新宮アトリエにて

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新宮はフランスからこの日の三日前に帰ってきたばかりで、少し時差ぼけが残っているようだった。相変わらず精力的に活動をし、新たなポップアップの絵本の出版も決めて帰ってきていた。

どう対談を進めるかという話を終え、あとは本番を残すのみだなという感じだった。それでも私たちは暫くの間、これからのことを話していた。

『本当にこのイベントを期にいろいろなことが変わりそうですね』
『世界で色んなことが起こっているけれど、ここから変えられるね』
『このイベントに参加してくださる方々と仲間になって、この変な世の中を変えていけたらいいですね』

新宮はそう嬉しそうに言ってくれた。

私もそれを本当にそうだと思っていたのだが、今回中止となってしまった。

本当に呆気なく決まってしまった。

しかし、私はどこかで信じていたのだ。
こんな時だからこそ、このイベントをやる意義がある。

しかし、参加者の皆さんの安全を考えたら、そんなことも言ってられないものだ。今のところ、延期ということも目処がつくわけもなく、なすがままに私たちは事後処理に追われている。急転直下というのはこのことだと、私は本当この言葉の意味を噛み締めている。

しかし、こんなとんでもない企画もここまでこれるんだ。
そういう気持ちがあることも事実。複雑な思いが交錯している。

何より申し込んでくださった人に謝りたい。

兵庫県三田市。本当に『ちょっと行こうか』というノリで行ける場所では無い。このイベントのために皆さんは、様々な予定の調整をしてくださったに違いない。そんな皆さんのことを思うと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになっている。ここまで、散々盛り上がって書いてきたこのnoteも今となっては、本当に悲しいことだ。

本当はひとりひとりの皆さんに直接謝罪したい。
『ドラゴンボールがあれば。』
今、本当にそればかり考えている。

『本当に申し訳ありませんでした。』

なんとか、この奇跡の対談を実施したかった。
兵庫県三田市のホールを満員にするという光景をみたかった。
そして皆さんと一緒に未来を考えたかった。

それは、登壇者全ての気持ちだと思います。

だめだ、これ以上何を書いていいのかわかりません。

しかし、この事態が落ち着いたら『再チャレンジしたい。』という気持ちはあります。もう一度、一から調整をして、再びこのタイトルでイベントをやりたいと思っています。その時、また皆さんは応援してくださいますか?

私は、是非兵庫県三田市でのリベンジをしたいと思っています。

落合陽一と新宮晋の対談。予期しなかった理由により実現しなかったが、私は、こうして、集まってくださる意思を示してくださった皆さんのおかげで、再度立ち上がることができそうです。

本当に申し訳ありませんでした。
また、必ずこの企画を蘇らせてみせます。

主催者からの中止のコメントはウェブサイトに掲載しています。
もうすでに申し込み頂いた皆さんには最速でメールにて通知させて頂きました。(慌ててしまったため日付が明日だか…)


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