ものづくりクラウドファンディング挑戦記
323工房のデザイナーYです。
私たち323工房は現在、始まって以来(と言っても、出来立てホヤホヤの工房ですが)最大のプロジェクトとして、「3Dプリンターで作るペンギンチェス」というテーマでものづくりクラウドファンディングに参加させていただいています。
実は開始早々に、驚くような、私たちにとっては本当に思いがけないような数のご支援をいただくことになったのですが……
(現在、わーきゃー言いながら煙をあげる勢いで製作中です!)
プロジェクトのさなかにいる今のうちに、このクラウドファンディングのことについて記しておこうと思います。
ものづくり人の方々には、「ちょっと興味ある……」と思っている方も多いかと思いますし、
ハンドメイド好きの方々には、「こんな舞台裏なんだ〜」と面白がっていただければ。
そしてもちろん、ご支援者の皆様には、中途報告の代わりとしてお読みいただければと思います!
そもそもどういうサイト?
私たちが参加させていただいたのは、ハンドメイド通販サイトCreemaが今年始めた新しいクラウドファンディング・サービス、Creema SPRINGSです。
そもそも、323工房を始めて、一番最初に登録したECサイトがCreemaでした。
以前から、ハンドメイドのお買い物でよく使っていたし、サイトのデザインや雰囲気も好き。
ユーザー歴は長かったのです。
323工房で売り手側として参加させていただいて、
ちょうどまもなく、「Creemaがクラウドファンディングを始める」というお知らせを目にしました。
Creema SPRINGS
https://www.creema-springs.jp/
最初は、私たちのような単なるものづくり人には関係のない話かな、
と思っていたのです。
たとえば「地域の伝統工芸を残したい」とか……
「ショップを開きたい」とか……
そういう大きなことをやる人たちのためのものだろう……と思っていたのですが(そして、実際、サービススタート時のプロジェクトはそういうものも多かったのですが)……
チラチラと気になって見ているうち、好きな動物モノ作家さんが参加されるのに気がつきました。
こんなことやってみたい!と思うような企画も立ち上がっていったり……
もしかすると、これって、思い切って新しいことに挑戦するチャンスなのでは?
そういう「場」を、あのCreemaが! 提示してくれている……
そんな思いが湧いてきました。
それに、やっぱり、ものづくり人の本能は、楽しそうなことを見ると自分でもやってみたい・作りたいと思ってしまうところにありますね。
おじけづく気持ちはだんだん小さくなり、ついにえいやとCreemaさんに連絡を取ってしまいました。
プロジェクトの立ち上げまで
一番最初は、「プロジェクト掲載・相談フォーム」から、
プロジェクトの大まかな内容や規模について書いて送ります。
すぐにCreemaのスタッフ様からご連絡をいただいて、
数日のうちに電話ミーティングをさせていただくことに。
この時点でもう少し概要を掘り下げるのですが、
私たちはまだ全然固まっていなくて、
「3Dで人と繋がりたい!」
「あと、ペンギンでゲームを作りたい!」
みたいな、ふわふわした状態でご相談に上がることになりました。
しかし、あちこち飛んでしまう話を、担当さんがちゃんと聞いて整理をしてくださいます。
そう、担当さんがつくというのも大きな特徴かなと思います。
Creema SPRINGSではどうやら、一人(一組)の参加者に対し、スタッフの方が一人ついてくださり、企画からプロジェクトの完遂までを見守ってくれるというシステム。
何度もやりとりをしてアイディアが固まってくるまで、色々助け舟を出して導いてくださいます。
私たちの場合は、しばらく形を固める時間をいただき、3週間後くらいにもう一度ミーティング。
この合間合間で、Creemaさんから、プロジェクトを形にしていくための補助になるようなものをいただけます。
これは具体的には言わないほうがいいかなと思うのですが、
例えるならば、
ドリルを解き進めることで、やがて数式を理解できるような……
使い心地の良い手帳に書くことで、自分のタスクが見えてくるような……
そんな感じです……!
プロジェクトの目的や、
なぜこのプロジェクトをするのか? といった思いや意義、
そして支援者の方々にお送りできるもの、
などが見えてくる、この時点で、私たちの場合は最初のフォーム申請から大体1ヶ月でした。
最初からビシッと固まっている人ならおそらく2週間くらいでもいけるのかなと思います。
そこからはいよいよ、プロジェクトを実際に立ち上げる準備です。
原稿を書いたり、写真を撮ったり、
材料や製作進行の計画表を作ったり、
私たちの場合は、チェスの専用の木箱を作りたい! という希望があったので、木工作家さんにご連絡をとったり。
実は、このあたりで、
「これはなかなか大変なことに挑戦してしまったぞ……!」
と思い始めていました……
しかし、
やっぱり私のものづくりの原点は、自分が「欲しい!」と思えるようなものを作ること。
特にペンギンのものを作るなら、絶対にちゃんと可愛いものを作る!
そして、今回はなんと言ってもクラウドファンディング。
「今はまだそこにないもの」を「欲しい!」と思ってもらえるだけの、しっかりとした思いと狙いと計画をお伝えしなければなりません。
一つのものを作り、
それを固まった形として提示し、お求めいただく。
それはもちろん基本であり一番ちゃんとしたやり方なのですが、
そのスケール、時間、一本の矢印のように決まった形……の中では(今の私たちには)できないことに、チャレンジさせてもらう!
それが私たちにとっての、「敢えてクラウドファンディング」の意義でした。
そんな思いも、プロジェクトページを作っていく中で改めて自分たちの中で整理されていきます。
途中、最初の1週間くらいの時点で一度軽くミーティングをして、
2週間後、8割方できてきたかな、あたりでもう一度。
申請からおよそ7週間後、いよいよ実際に「Creema SPRINGS」サイト内でのページ作成が始まります(この時点ではまだ公開はされていません)。
ここから先はひたすら地道な作業になります。
今まで、いわば一枚の紙の上で書いていたものを、
サイト内のシステムとして登録していく……
なかなか地味に時間がかかりました(とはいえ、サイトのシステムはきちんと構築されているので、特に難しいということはないと思います!)。
申請から2ヶ月半。
プロジェクトページが完成し、書類上の手続きを終えたら(銀行口座の登録や申請書が必要になります)、
ついに公開が始まります!
プロジェクトスタート!
9月10日木曜日、いよいよ私たちのプロジェクトがスタートしました。
実は、スタートの直前となる数週間、いっぱいいっぱいになってしまって、あまりSNSでのお知らせをできていませんでした……
本当は、スタート前からちゃんと、
今こんなことをやっています、とか、
始まったらお知らせしますね!というような告知を少しずつ出していく……
というのが正道。
しかしそんな余裕もなく、ほとんど告知なしからのスタート!
おそらく、私たちのSNSをご覧くださっている方々にとっても、「一体どんなものなのやら?」と訳も分からない感じだったのじゃないかな、と思います。
しかしその後、Creemaのメールマガジンにピックアップで掲載していただいたり、
Creema SPRINGS公式アカウントがtwitterでご紹介くださった投稿が、約1500RT/2000♡もの反応をいただき……
え? え? と思っているうちに、
数日の間にいくつものご支援をいただけることとなりました。
目標達成
そして、プロジェクト開始から4日後……
なんと、目標達成。
あわわわわとなっているうちの出来事で、今でもなんだかふわふわした記憶です。
本当に、本当に、ありがとうございました!!
プロジェクトは継続中!
目標は達成しても、プロジェクトは続きます。
さらに多くの方に「ペンギンチェス」を知っていただけたら嬉しいですし、
ご支援くださった方々は、今はまだ形もないものをご予約いただいているわけですから、
安心してお待ちいただくためにも、ちゃんと進捗を報告していかなければなりません(作るのに必死になってしまって、なかなか至らぬ部分が多いです……! 申し訳ありません!!)。
その間にも、
ペンギンチェスをきっかけに私たちを知ってくださった方々があったり、
ペンギンがらみで新しいイベントに参加できることになったりと、
別の形や場所での広がりというのも……
正直、思いがけない勢いでご支援をいただき、
まさに嬉しい悲鳴で、日々製作に必死になっていますが、
思い切ってチャレンジしてみてよかった!!というのは、間違いのないことです。
達成できなかったコースも……
実は、コースのひとつに「私たちと一緒にコマのデザインを考えませんか?」という内容のものがありました。
最初は、キングとポーンしかデザインを決めず、
残りの4種類のコマは、ご支援くださった方と一緒に考える、
3Dでデザインするというのがどんなものか、体験していただく、
というもくろみのための特別コース。
3週間近くに渡って打ち合わせをしていただきます!
というちょっとヘビーな設定にしてしまったためか……
あるいは、「実際こんな感じで作っているんですよ」というのを、もう少し事前にお見せしていくべきだったのかもしれません……
残念ながら、このコースはお申し込みをいただけず。
(なので、コマのデザインはすべて私たちで行なっています)
この先は、こんなこともしてみたい
3Dプリントものづくりを体験していただく、
というのは、ぜひ改めてチャレンジしてみたいと思っています。
例えばインスタライブなどでのオーダー会のようなものであったり(アクセサリーや時計の作家さんがなさっているのを、私もちらっと覗かせていただいたことがあります。ライブ感があって楽しいですよね!)(ご要望を伺って、最初の大まかなラフを作るところまでなら、私たちのやり方でもなんとかできるかな……)
もっとカスタムオーダーをしていただきやすい仕組みを何か考えたり。
クラウドファンディングという「場」は、
きっともっと何か面白いことができるのではないかとも思うのですが……
「こんなことが気になる」「こんなことをしてほしい!」などのアイディア、ご意見、もし何かございましたら是非お声がけください!!
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