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フリクションボールペンと電子レンジの楽しい実験(元教授のスケジュール管理 その5)定年退職 64 日目

この note を始めたのは、「定年退職を機に、今まで時間がなくてできなかったさまざまなことにチャレンジしてみよう」と思ったからです。なぜこのような趣旨説明から始めたかというと、今回はそんなチャレンジの1つとして、前回まで話題にあがっていたフリクションボールペンに関して少々ユニークな(馬鹿馬鹿しい)実験を行ったからです。ぜひ、お付き合いください。


先日、YouTubeを見ていたところ(定年後の余暇でこういう時間も持てるようになりました)、面白い番組を見つけました。その中で「フリクションで書いた手帳に飲み物をこぼしてしまい、それをドライヤーで乾かしたら一瞬で全消えしてしまった」という話がありました(注1)。これを私も試してみたくなり、実験してみました。


ドライヤーでの実験

まず、YouTube の検証をしてみようと、白い紙にフリクションで絵を描き、実際にドライヤーで熱風を当ててみました。風になびいて当てにくかったのですが、風に当たった部分から絵はあっという間に消えました(下図)。YouTube の内容が実証されました。

右がドライヤーでの実験(左の絵が消えています)


オーブンレンジと直火での実験

次に、オーブンレンジで 30 秒温めてみました。予想通り、完全に絵が消えました。というか、2度目は温まったレンジに入れるだけで絵が消えました。一方、直火ではガスレンジで海苔を炙るように行いましたが、上部で揺らすだけで一瞬で絵は消えました。

オーブンレンジでの実験
直火での実験
左がオーブンレンジ、右が直火での結果(絵は全部消えました)


電子レンジでの実験1

「電子レンジはどうだろう」と、600W の電子レンジで実験を行いました。少し予想していましたが、30 秒経っても1分経ってもほとんど色は変わりませんでした(下図、上。紙の温度も上がりませんでした。1分加熱しても人肌程度でした)。

電子レンジでの実験2

そこで紙の絵の部分を少し水で湿らせ(キッチンタオルで軽く湿らせた程度)電子レンジに入れると、なんと30秒でほぼ絵が消えました(下図、下)。水分の効果が顕著に現れました。

上が普通の電子レンジ、下が少し絵を湿らせた電子レンジの結果(いずれも30秒)


電子レンジの加熱の原理は、マイクロ波により水分子が回転・振動し、互いに摩擦しあって熱が発生する仕組みです。この実験結果はそれを示しており、湿らせた実験では、絵の近くにも水分があるので熱が発生して絵が消えました。一方、湿らせないと、紙自体は水分量が少なく、紙は加熱されず、絵も全く消えませんでした。


応用実験(電子レンジでの実験3)

それでは、絵の半分だけを水で湿らせて電子レンジに入れたら、半分だけが消えるのではないかと考え、実験をしてみました。すると、半分だけではなく絵全体が消えてしまいました(下図、左)。さらに、紙とは別の場所に湿らせたキッチンタオルを置いて電子レンジを動かしても、同様に絵全体が消えました(下図、右)。

左が半分だけ湿らせた実験、右が別の場所に湿らせたキッチンタオルを置いた実験(いずれも30秒)


これらは何を示しているか考察しますと、水がある部分のみが加熱されたのではなく、水が熱せられ水蒸気になり、電子レンジ内に充満して全体を温めた結果です。つまり、電子レンジが「蒸し器」のような状態になり、水気のない部分(絵)も温められたわけです。水が加熱の媒体となったのです。


実際にやってみないとわからないことでしたが、今日は楽しい実験を行いました。今晩はシュウマイでも蒸そうかな。

また何か思いついたら試してみようと思います。お楽しみに!

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注1:【書きやすい!】消せるボールペンの世界、有隣堂しか知らない世界 YouTubeより


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