短編「お菓子屋さんの日常」
駅から少し離れたおしゃれなお菓子屋さん。
またに買いにくるお客さんもいれば常連のお客さんもいる。主婦や会社員、ちょっと贅沢したい学生さん。毎日誰がくるか楽しみに過ごしている。
そろそろ閉店時間だ。お店を閉じる準備をしていると、カランカランとベルがなる。
「すみません」
週末に必ずやってくる、少し乱れた息とよれたスーツが目印の常連さん。
「今日はどれがありますかね?」
「そうですね。ケーキはショーケースにあるのが全てですね。あと」
私はショーケースの隅にある箱をお客さんの前に出す。
「いつものシュークリームです」
「ああ!ありがとうございます」
お客さんは嬉しそうに、2つ入ったシュークリームを見つめる。
「あ、あのあとショートケーキとチョコのください」
お客さんはニコニコと笑ってケーキを頼み、私は釣られて笑顔になりながらケーキを包んだ。その後は会計をしつつ、他愛のない話をした。お帰りになるお客さんを見送れば、お店の看板をクローズに切り替える。
明日は土曜日。もしかしたら平日よりも忙しいかもしれない。
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