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【体験談】友達の結婚式での話(後半)

1、結婚式でまさかの。

僕はムービをUSBに入れて、結婚会場に持っていった。

場所は某一流ホテル。

結婚式の受付の場所にて、ムービーを流してほしい旨を伝えると、予想外の言葉が返ってきた。


ホテル「DVDじゃないと流せないです」

「!?」

前日に完成した動画。ホテルに電話をかけ、確認する時間はあったのだが、それを怠ったことが招いた結果だった。前日の怠慢を超絶に後悔しながら、USBから出力することや、ホテルでDVD化ができないか等、どうにかムービーを流す方法がないかを相談した。

方法はこの二つだけらしい。
・パソコンを持ってくる方法(謎に手数料二万)
・DVDを持ってくる方法(無料)

パソコンはないため、DVD化するしか方法はなさそうである。
(ホテルのパソコンは使えないそう)

この時点で10時過ぎ。
結婚式は11時から。

僕は結婚式に出ないことにしてDVD化できる店を探すことにした。
また、一緒に出席していた地元の友人が一人いたのだが、その友人には結婚式場に残ってもらい、僕と連絡をとってもらう形にした。
僕は、ホテル側が指定したショップやショッピング施設のコンシェルジュが教えてくれたデジタルカメラ屋、コンビニなどをスーツ姿で全力で走り回った。せっかくのスーツも夏の日差しで汗まみれ。

、、、まったく、友人の結婚式で何をしているんだか。

1時間半走ったところで式場にいる友人から電話が、、、
友人「式場の人が、動画の確認作業に入りたいから、もう現物が欲しいらしいって」

この電話とほぼ同時に、あるコンビニにてDVD化できそうな機械を発見したが、現物のDVDがなく、周辺の施設にもDVDを売るショップがないという状況であった。

ここでタイムアップとなり、披露宴でムービーを流すという夢が潰えた。


2、披露宴


汗だくの状態で式場に戻り、披露宴の受付会場に合流した。
ここでご祝儀を渡す。

スーツ姿の男性陣と淡い色でドレスアップした女性が続々と受付に並び、カクテルやシャンパンを嗜みながら、披露宴会場の前の広いロビーで過ごしている。
煌びやかなロビーには、夫婦の幸せそうな写真が飾られており、多くの人は涼しげな顔でグラスを片手にその写真を見てお喋りをしていた。

いろんな感情に包まれながら、その中に合流し、待機してくれていた友人を見つけ、二人で残念な気持ちを共有した。

新郎には披露宴中の隙を見て、スマホで動画を見せようということになった。




披露宴会場の準備が整い、新郎新婦を除く全員が会場入りする。
座席は七人席で、そのテーブルの中で僕の知り合いは地元の友人ただ一人だった。

座席に着くと、プランナーっぽい人が僕の元に来て、「ご友人代表の方ですよね。本日はスピーチをよろしくお願い致します」と言った。
「よろしくお願いします!」と返すと、「スピーチですが、新郎新婦が入場され、乾杯が終わったすぐ後、数分後によろしくお願いします」と告げられ、僕はびっくりした。

「友人代表スピーチのタイミングは、食事が進み、新婦のお色直しが終わった後のだいぶ後半であるから、食事中はスピーチのことは忘れてリラックスしましょう」とスピーチの参考書には書いてあった。先ほどまでのランニングの休憩時間がかなりあるものだと思って寛ぐ準備をしていたのだが。。

気持ちの準備が、、、と一人で思っていると、すぐさま新郎新婦入場の時間になった。「新郎新婦のご入場です」というアナウンスと共に、全員で手が腫れんばかりに力一杯に拍手をし、幸せな二人を出迎える。

次いで、司会者が二人の馴れ初めや生い立ちなどを笑いを交えながら解説した。
周りの人たちに目をやると、各テーブルが和気藹々と談笑する光景などが見られたが僕は一人下を向き、スマホに映ったスピーチ原稿を復習した。

しばらくすると同じテーブルの人たちが話しかけてくれた。
「スピーチ大変ですね」「新郎とはどうゆう繋がりなんですか」などと、少し雑談をした。全員同学年の男たちなのを知った。

結果謎に仲良くなり、「スピーチで滑ったら助けてね!」「スピーチはチーム戦だから!」と言うと、「任せとけ!!このテーブルが盛り上げる!」と心強い言葉をくれた。

そんなこんなで、すぐさま出番は来た。

「それでは、TAKAさん、よろしくお願いします!」というアナウンスと共に、拍手が起こり、緊張が増した。

そこから先の、スピーチしてる最中のことはよく覚えていない。
ただ、同じ卓に座っていたメンバーが盛り上げてくれたこともあり、めちゃめちゃ下手ながらも、現時点で持てる力を全て発揮したスピーチをすることができた。
新郎新婦や出席者が過大に褒めて労ってくれたため、非常に報われた気がした。

スピーチを終えると凄まじい脱力感を感じ、食欲がなくなった。
達成感や解放感や満足感など、数日間気を張っていただけにいろんな感情にさせられた。その日食べたホテルの最高に美味しかったであろうご飯の味は全く感じなかったし、今も覚えていない。

一方、式の後半に差し掛かり、タイミングを見計らって、問題のムービーをスマホで新郎に見せた。新郎は感動していた。
「うわー、こりゃ、披露宴で流したかったな!」と言われたが、それに関しては本当にごめんなさいとしか言えなかった。
様々な反省はあれど、この時に新郎が喜んでいた姿を見ると「動画を作ってよかったな」と感じた。

この日、僕個人としては紆余曲折あったが、新郎新婦による結婚式はお日柄も良い中、滞りなく挙行され、新郎新婦は終始幸せそうであった。



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