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外山雄三を讃えて マーラーの交響曲第5番

さきほどから、時間を無駄に使っているのと、この新しいパソコンでのキーボードの練習のため、くだらない記事を連発して書いています。またクラシック音楽マニアックネタの記事ですから、お読みにならなくて大丈夫ですよ。

四半世紀前から外山雄三を追いかけています。今回の記事は、名古屋フィルがかつて出したCDから、マーラーの交響曲第5番です。

外山雄三のマーラーについては、学生時代からいろいろな思い出があります。雑誌の評論で見たのは、たとえば交響曲第1番(巨人)で、第3楽章のコントラバスソロを、みんなで弾いていた話。そういう楽譜があることが多くの人に知れ渡るずっと前の話です。また、6番を指揮したときの評論は、マーラーらしくない、というものでした。ずいぶん印象批評だなあと思ったものです。また、当時の外山雄三のブログで、マーラーのスコアを読んでいると、自分と共通するものがある、と書いてあるものもありました。それらの記憶よりはずっとのち、しかし、現代からはずっと前に、このマーラー5番のCDが出て、買ったのです。

ずっとこの記事を書かなかった理由は単純です。あまりいいとは思えないからです。何回聴いてもよさがわかりません。曲はいいですけど、この演奏のよさはわかりません。とくに指揮者の主張が出ている演奏とは思えないですし、また、オケがあまりうまいとは言えないのです。せめてもう少しオケがうまかったらなあ、と思いますが…。

マーラーの5番は、学生時代から、よく生で聴きました。ただしプロの演奏で聴いたことはないと思います。アマチュアオケがよくやる曲なのです。(私もある市民吹奏楽団で、第4楽章の吹奏楽版をアンコールに演奏したことがありますが、そういうのはやったうちに含まれまい。)いろいろな思い出があります。四半世紀前は、マーラーの世間の認識がいまより低かったです。あるCD屋さんの店長さんは、マーラーの5番の第3楽章や第5楽章を理解できるという人は信用できない、と断言していました。支離滅裂だというのでしょう。これを理解できると言う人は知ったかぶりだと。また、私はそのころ、スヴェトラーノフ指揮のN響で、マーラーの7番を生で聴いています。そのときのプログラムもいまだに持っていますが、そこに曲目解説を書いている人さえ、マーラー7番のよさを理解している人とは言い難い人です。いまやマーラー7番は人気の曲です。時代は変わりました。

マーラーの交響曲を集中的に聴いていたおよそ10年くらい前に、9番や8番、また10番の補筆完成版などを聴いて、5番を聴いてみると、確かに5番も名曲ながら、10番などの深みと比べるとまだ浅く感じられることに衝撃を覚えたこともあると記憶します。また、この5番は、嬰ハ短調で始まってニ長調で終わります。冒頭の苦悩と別のものが最後に解決しているのですが、こういう指摘はあまり見ない気がします。ほかに7番はホ短調のわりにロ短調みたいな始まりかたをして、しかもハ長調で終わるとか、9番はニ長調ながら変ニ長調で終わることなど…。この5番が大好きな友人がいました。理由は単純で、その人はトランペットだったのです。ホルンでこの曲が好きな人もいました。自分の楽器が活躍するかどうかで曲の好き嫌いが決まる人ですね。

そんなわけで、時間つぶしをしています。これは私の知る限り、外山雄三指揮の唯一のマーラーの録音です。それほどおすすめはしません。もっといい演奏があるでしょう。以上です。

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