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ストコフスキー指揮ニューヨークフィルによるシューマン「交響曲第2番」

さて、また、だらだらとクラシック音楽マニア記事でも書きますか。本日も「好きなCD」のお話です。ストコフスキー指揮ニューヨークフィルによる、シューマンの交響曲第2番とハイドンの交響曲第101番「時計」というCDについてです。

まず、これは、20年以上前に自分で作った非売品のCD-Rです。しかし、われながらよくできており、ひんぱんに聴きます。とくに前半のシューマン2番ですね。

後半のハイドン101番からお話をしましょう。これは、ストコフスキー唯一の「時計」の録音です。ライヴ録音なのですが、これは先述の通り自作CDであり、きちんとデータが書いてなかったりします。したがって、これがどの日の演奏だかはわからなくなって久しいのですが、おそらく、シューマン(こちらはデータが残っています。1949年2月6日)と同じころなので、1949年ごろの録音でしょう。このころ、ストコフスキーはニューヨークフィルばかり指揮しています。1946年12月から、1950年4月まで、ひたすらニューヨークフィルを指揮しています。そして1950年4月に、マーラーの8番をやって、ニューヨークフィルとさよならをします。以降、ニューヨークフィルはたまに客演するというオケになりました。しかしこの1949年前後というのは、ストコフスキーがニューヨークフィルの指揮者陣に入っていた時期であり、ストコフスキーは非常にひんぱんにニューヨークフィルを指揮していました。このハイドンもその時期のライヴには違いありません。

しかし「好きなCDの紹介をする」と書いておきながら、ちょっとこのハイドンに関しては「厳しい」ことを書きますね。ストコフスキーとしては平凡な出来なのだなあ!いや、ストコフスキー唯一の「時計」ですし、資料的な価値は高いのですが、演奏そのものが平凡ですね。私のずいぶん過去の記事で「ハイドンにハマったころ」というのがあると思いますが、確かに私は若いころハイドンにハマりました。ハイドンオタクと言ってもいいほどです。そして、ストコフスキーオタクになって30年以上。やはり、ハイドンとかストコフスキーについては厳しくならざるを得ません。はっきり言いましょう。ハイドンの「時計」で、この演奏を上回る演奏はいくらでもある!ひとつ私のおすすめの「時計」を書いておきましょう。アダム・フィッシャー指揮オーストリア・ハンガリー・ハイドンオケ。もっともこのアダム・フィッシャーの全集は、時計に限らず、いろいろなハイドンの交響曲の超名演を成し遂げていますけどね。とにかくストコフスキーの「時計」は平凡なのだ!

それにも関わらずこのCDが大好きなのは、前半のシューマンの交響曲第2番ゆえ!

これはすごい演奏です。ストコフスキーの真価が発揮されています。まったくゆるむことのない緊張感。すみからすみまで行きわたった芸の細かさ。なんど聴いても感動する驚異の名演奏です。これはすごい。すごい!すごいのです!!

ストコフスキーは、シューマンの4曲ある交響曲では、過去の演奏会記録を見る限り、4曲ともまんべんなく演奏しています。統計を取ったわけではないのですが、ほんとうに、4曲をまんべんなく演奏しています。しかし、残念ながらすべての録音が残ったわけではないです。この2番だけがレコード録音され、それはこのライヴの翌年、1950年のことです。(この演奏のようなすごさはないですけど、とにかくストコフスキーにはシューマン2番の正式な録音があるということです。)あと、2番はほかにもライヴ録音があったっけかな?という感じです。そして、後年、スイス・ロマンド管弦楽団に客演したときの4番のライヴ録音が残った。これがストコフスキーの残されたシューマンの交響曲の録音すべてではないかと思います。つまり、ストコフスキーのシューマンの1番と3番は、永遠の歴史に葬り去られているのです!なんということ!

ストコフスキーのこの日の演奏会は、ほかに以下の曲が演奏されました。シベリウスの「ペレアスとメリザンド」、ウォルトンの「スピットファイア」前奏曲とフーガ、モーツァルトのピアノ協奏曲第21番(ソロ:マイラ・ヘス)、そしてこのシューマンの2番と。このうち、モーツァルトの協奏曲も録音が残っています。おそらくこのシューマンよりも有名な演奏かと。(ソリストが有名人ですしね。)それもいい演奏です。それから、ウォルトンのスピットファイアもニューヨークフィルのライヴが残ったのですが、果たしてこの日の演奏かどうかは、やはり手元にデータがなく、ちょっと不明です。シベリウスは残っていないと思います。(シベリウスのペレアスは、後年、ヘルシンキ市交響楽団でのライヴは残りました。)

というわけで、大好きなCDですが、この算数・数学教室がまわり始めて以来、このシューマン2番はパソコンに取り入れて、授業が始まる前の時間調整音楽として重宝しています。CDだと続けてハイドンの時計がかかっちゃいますからね。シューマンだけかかるようにしています。33分くらいの演奏なのですが、まさに33分くらいの時間を調整するのにぴったり!しかも、シューマンの2番という曲は、非常に後味がよく、授業の開始前の音楽としてもぴったりなのです!これは最高ですね!

そこで、最後に少しだけ、シューマンの2番で、この演奏以外の名演奏をあと2つ挙げて、さらに生で聴いたときのブログのリンクをはってこの記事を終えたいと思います。まず、サヴァリッシュ指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団。これは多くの皆さんがいいとおっしゃる超名演。それから、ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽団。ムーティの若いころのレコーディングです。

ブログは、まさにそのサヴァリッシュがN響を指揮したときのシューマン2番の演奏会です。これ、無料で聴けてしまったのですよ!ある日、渋谷を歩いていたら、招待券2枚を持った友人にばったり会い、しかも彼は一緒に行く人がいなかったのだ!棚からぼたもちのように聴いた演奏会です。私がサヴァリッシュを生で聴いた唯一の機会となります。以下の記事もよろしければどうぞ。

棚からぼたもちのように聴いた演奏会 | 星くず算数・数学教室 (hoshikuzumath.com)


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