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ストコフスキー指揮の弦楽作品集(RVW、パーセル、ドヴォルザーク)

これは私がときどき書くクラシック音楽オタクネタです。それでもよろしいというかたはどうぞお読みください。本日もマニアックにだらだら書くぞー。

学生時代に、ストコフスキー指揮のCDが、2枚、リリースされたことがあるのです。1枚はラフマニノフの交響曲第3番とヴォカリーズ。ナショナルフィル。もう1枚がこれで、ヴォーンウィリアムズのタリス幻想曲、パーセルのディドーの嘆き、ドヴォルザークの弦楽セレナード。ロイヤルフィル。いずれもストコフスキー最晩年の録音です。いずれも92歳のときのロンドン告別コンサートよりあとの録音じゃないかな。

それで、そのときは、ラフマニノフの3番のほうは買ったのです。この曲は、ストコフスキーが世界初演したから。(ときどきレコード会社は、ストコフスキーに、若いころ初演した曲で、後年、評価の定まった、定まっていない曲も含めて、録音させる意図があったようです。そんな中の1枚。ストコフスキーのラフマニノフ3番はこれが唯一の録音になりましたから貴重な1枚です。)これは買いました。いまでもひんぱんに聴きます。大好きな1枚です。これの話もいつか書こう。それはともかく、もう1枚のほうの、ロイヤルフィルの弦楽作品集を買わなかったのです。当時は予算的な理由だったと思います。ラフマニノフ3番を優先したわけですね。ロイヤルフィルのほうは後回しになった。そして買い損ねたのです。買おうと思ったときにはもうどこにもない。悔やんで、悔やみました。

それから十数年以上が経過したと思います。それでもいまより十年以上前の話だと思います。CD屋さんで見つけたのですよね。このロイヤルフィルの弦楽作品集。ジャケットは変わっていました。むしろラフマニノフのほうは再発がされていなかったようです。買いました。そのCDについてです。念願のが買えたわけですが、それがまたとてつもなくよかったのです!

ストコフスキー晩年の弦楽合奏作品集です。

タリス幻想曲は、何度も繰り返し、録音してきた得意な曲です。ストコフスキーはヴォーンウィリアムズを得意としました。交響曲第9番はアメリカ初演しました。(そのときのライヴ録音も残っています。そのときの演奏会のCDも忘れ難い宝物となっています。これの話もいつかしなきゃ。)タリス幻想曲は、先述のロンドン告別コンサートでも、ニューフィルハーモニアを指揮して取り上げた得意中の得意の作品です。ここでも見事としか言えない出来栄えを示しています。録音もいいし。

そして、ストコフスキー編曲のディドーとエネアスを並べるセンスのよさ!タリスは昔の作曲家で、ヴォーンウィリアムズがイギリス人として現代によみがえらせたのがタリス幻想曲だとしますと、パーセルの作品から弦楽合奏曲として現代によみがえらせたイギリス人がストコフスキーだと言えるでしょう。何重にも見事な選曲と言えます。もちろん演奏もよいです。

そして、おそらくレコードではB面であった、ドヴォルザークの弦楽セレナード。ストコフスキーは長いこと、ドヴォルザークの作品は「新世界より」しか録音して来ませんでした。演奏会記録を見ても、交響曲第8番や第7番は、そもそもやったことがないのでは、と思うほど、やっていません。なぜだか知りませんが・・・。しかし、90歳くらいになって、チェコフィルを指揮したスラヴ舞曲第10番(有名なやつですね)をデッカに録音し、これがまた見事な演奏。そして、この弦楽セレナードが見事!どうしてストコフスキーはこのように最晩年になるまでほとんど(新世界を除いて)ドヴォルザークを録音しなかったのか?というほど見事な演奏です(レコード会社が偉いです)。第2楽章の終わりかたや、最後の終わりかたなど、決然としていて、ストコフスキーの、感傷的にならない、はっきりした態度が如実に表れていて、滅多にないようなドヴォルザークの弦セレの名演となっています。

これ、アルバムのコンセプトとしても非常によく、ストコフスキーのコンディションもよく(晩年のストコフスキーはレコードによって出来不出来があります。これは最高)、じつに見事です。これは長いこと買い損ねていましたが、買えてよかった!

果たしていま、これが手に入るのかどうかわからないままに書いています。私は買ってよかったです。以上です!

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