2024/03/15

シェアハウスの物件の内見に行った。これで5件目。 

今月末には今いる実家を出なければならないのだが、金欠すぎ&仕事3つ掛け持ち&体力とメンタルの兼ね合い&薬のせいかなぜか寝ても寝ても眠い、みたいな状態で、2〜3月はとにかく時間もお金も体力も無い状態で"すべて"を同時並行で行う必要があった。

みんな、本当にこんな事を一人でやってきているのだろうか。それともこれまで実家でぬくぬく育ってきた私が甘っちょろくて鈍臭いだけ?
もちろんこの実家に惰性でだらだら居続けても決して幸せになれないのはわかっているのだが、それでも自分自身のために「一人」で"すべて"を行う、というのは、怠いうえに恐ろしくもある。それを心地よく思う人もいるのだろうが、しかし私は基本的にあまり一人が好きではないのだ。
この26年間は常にお姉ちゃんという話し相手(および喧嘩相手)がいたし、加えてここ10年ほどで犬という新しい家族もできた。去年に一度実家を出たときは、親友でもあり恋人でもあった人と二人暮らしをしていた。そこでの生活がむずかしくて、上手くできなくて、自分の限界を感じてまた戻ってきてしまったけど。
あと、「自分のための家事」もちゃんとできる気がしなかった。誤解しないでほしいのが、私は料理はちゃんとレシピ通りに作れるし、洗濯もそれなりに好きだし、皿洗いも(正直かなり嫌いだけど)一応なんとかできる。ただ、じゃあそれを自分一人のためにできるか?と自問すると、ウ〜ン…という感じだった。私は「自分のため」に家事をやるよりも、「誰かのため」に家事をやるほうがよりちゃんとできるだろうな、と。

なので、私は自分のことを、家でも外でも常に他人に囲まれていたほうがよい人間なのだと思っていた。だからシェアハウスで物件を探していたわけだが、4〜5件ほど内見しまくった結果、だんだん「そうでもないかもしれない…」という風に感じてきた。
つまり、これまでずっとシェアハウス一本に絞って探していたのが、退去の15日前になって『一人暮らし』という選択肢が入ってきてしまったのだ。
いまさら方針変更かよ?という感じなのだが、よく思い返してみると、そういえば私は作家になりたいんだった。9月末〆切のナントカ文学賞とかいうやつに応募するための作品を書こうと思っていたのだ。
小説というのは、基本的に一人で書く必要がある。誰にも話しかけられず、目の前の作業に集中できる環境が求められる。横で誰かと誰かが気前よく酒を飲みながらわ〜きゃ〜と上機嫌に騒いでいる場で、筆が進むようなものではない(中にはそういうタイプの人もいるのかもしれないが)。なので、私が今後どこかへ住むとして、そこは私が問題なく小説を書けるような落ち着いた場所である必要がある。

私は恋人と別れたとき、というか「お互い距離をとって離れよう」と話し合ったとき、「お互い離れたところで自立して、自分の生活をして、それぞれのやりたい事をちゃんとできるようになろう」と約束した。
だからっていう訳じゃないけど、これからの私には自分の生活を落ち着かせた後にもやるべき事が残っていて、いま探すべき家は、それがちゃんとできるようにちゃんと一人になれるような場所である必要があるのかな。というのを、シェアハウスを4〜5件見てまわって、ようやく決めることができた。

↑「ちゃんと」とか「○○すべき」とかいうワードが多発している時点で、いまの自分にまったく余裕がないことがわかる。

おととい見に行った物件のオーナーさんに面白い人がいた。もともとテレビのディレクターをやっていたらしく、なんやかんやの流れで数軒のシェアハウスの運営とWEB制作を行うことになったという、一風変わった経歴の方だった。
「今いる実家を今月末には出なきゃいけないので、急ぎで次の家を探しているんです」と話したら、「まあそんなに焦らなくてもいいと思いますけどね〜」と返された。確かに。

「新人の若いADさんがね、『○○さん〜自分いまどうしてもお金が無くて、ずっと貯金が貯まらないんです』って言うんですよ。その人も確か23区内に住んでるんですけどね、『いま住んでる家の家賃いくらなの?』って訊くと、『9万です』って。そんな高いところ住むなよ!フツーにボロい3〜4万あたりの家に住みなさいよ!と思っちゃいましたね」

これを聞いたとき、私は「た、確かに……」とたじろいでしまった。自分のことを言われているような気がして、グサッときたのだ。一見、至極普通の事を言っているように聞こえるかもしれないが、私は自分の家を探すにあたって「とにかく綺麗で、自分が気に入る程度の清潔さがあること」を無意識に条件付けていた。なぜなら、私は綺麗な家と整頓された部屋が好きだからだ。
しかし、いまの私にはお金が無い。ということは、身の丈以上の物件に住むべきではない。はず。

という事で、タイムリミット残り15日というタイミングになってようやく、一人暮らしするための安めのボロ物件を探そうとしている。私はゴミ屋敷(実家)に住んでいたことはあっても、ボロい家に住んだことはあまりなかった。人生経験として、一回ぐらいは限界住宅みたいな家に住んだほうがいいかもしれない。
家賃が安めで、職場に近くて、リラックスして小説を書けるような場所を探します。東京とかいう温室で育ってしまったせいで毎日ヒイコラ言っておりますが、まあなんとかなるだろう。なんとかします。あと15日。

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