生産性の向上~周りを巻き込む整理整頓術~
第7回では生産性向上のために「個人でできる整理整頓」について書きます。第8回は「周りを巻き込む整理整頓」について書きます。
周りを巻き込む整理整頓
周りを巻き込む整理整頓の代表的なものは「職場のレイアウトの見直し」です。日常業務の中でレイアウトってすごく大切です。レイアウトの専門家が世の中に存在するぐらい大切です。特に窓口業務がある部署ではお客様がいるため、職員の導線も大切になってきます。また、机の配置は職員同士のコミュニケーションにも大きく影響を与えます。プリンタの位置など共有で使うものの位置は配置によって遠い・近いがでるので影響を与えます。すこし尖った言い方ですが、私は生産性を求めるあまり常に
自分の机からものを取りに歩く「その一歩」に税金が使われているんだぞ
ということを日常的に提言しています(キチガイ)。しかし、それぐらいのコスト意識を持たないといけないと考えています。レイアウトを見直し、皆が気持ちよく過ごせる環境を実現することは職場環境の向上に繋がりますし、もちろん生産性の向上に繋がります。
立ち止まってじっと見る
でもレイアウト変更っていきなり何をすればいいの??提案するにしてもどれが良いかわからないし、自信もないし・・・・専門家から意見もらう予算なんてないし・・・
そんなときに教えてもらったのが「立ち止まってじっと見る」ということです。私はレイアウト変更に関係する部署に配属されたことがありました。担当者の方とどうしようなんて相談しているときに必ずやっていたことがあります。それが「立ち止まってじっと見る」です。これは製造現場なんかでもカイゼンのために使われているテクニックの一つでもあります。
レイアウト変更を検討しているオフィスに座り、何もするわけでもなく、そこの職員の動きをじっと観察します。普段の生活の中でじっと見るということはなかなかできないので、意識してじっと見ていると「日常の不具合」が見えてきます。
例えば、プリンタの高さが高いから印刷物を取りにくそう。机の配置が悪いから窓口のお客さんに気付かないことが多い。大きい資料を広げたいけど、資料の保管庫からひろげるための机が遠い。画面を見ながらよく相談している上司と部下がいるけど、対面に座っているので、画面を見るためにわざわざ回り込まないといけない。日常的に使う資料保管庫が遠い位置にあるため、頻繁に離席している。窓口にデットスペースがあり、整理整頓すれば、もうひとつ窓口を増設できる。机の島と島が一直線に並んでいないため、台車などでものを運ぶときに大変そう。などなど
これが何につながるかというと、レイアウト変更を提案するときの根拠になります。そして皆が困っていることを改善するので「レイアウト変更のメリットを共有すること」ができます。
OA機器のレイアウト配置
職場にOA機器(オフィスオートメーションに必要とされる機器の総称。 コンピューター、コピー機、ファクシミリなど)が設置されていない職場はないのではないでしょうか。そしてレイアウト変更をする場合もOA機器の移動はトラブルになることが多く、専門性も高いためどうしても職員では対応できないですし、費用が発生するケースもあるのではないでしょうか。
これに対しては、早い段階でまずOA機器の担当者に相談するということです。年度末の組織の統廃合・職員異動は必ず発生し、それに対応するために予算も確保してあるはずです。それを利用します。一歩的にレイアウト変更するからよろしくね。というのは単純に喧嘩を売っているので、レイアウト変更したんだけど、大丈夫ですか?とOA機器管理の担当者に相談し、予算・実施時期などの案を作成し、担当課の職員がやることをまとめる。
これをやっておかないと、せっかく課のメンバーで相談して、案がまとまっても、結局実施できないということが多いように感じます。
レイアウト変更実施の注意点
「じっと見て現状分析」「OA機器の担当者との事前調整」「根拠を作って課のメンバーと対話」をしていよいよレイアウト変更の実施が決定するとレイアウト変更作業が待っています。
これには課のメンバーの協力が欠かせません。時間外となれば残業代が発生します。休日実施となれば休日出勤となります。勤務時間中にできることとそうでないことを明確にして、段取りを作成します。段取りは本当に大切です。段取りが悪いとモチベーションが低下します。
一番残念なパターンは「何もすることがなくてぼぉーとしている」という状態の人が存在することです。それが残業であったり、休日出勤であるとモチベーションの低下に繋がります。イベントなんかでも動員がかかったのにすることがなくてめっちゃ暇ということがあると思います。「何もすることがない」ということは辛いですし、それは不平不満につながります。休日や時間外にレイアウト変更するといって課のメンバー全員が出勤する必要はありません。休日や時間外の場合は必要最小限の作業人数を検討してください。
つまり、レイアウト変更作業をしながらも、全体を見るようにして手が空いている人を作らないように配慮する必要があります。
段取りは書類の移動、机の移動が完了したら終わりではありません。自分達ではできないOA機器の移動があります。これに関しては事前に担当者や業者さんと段取りについて入念な打ち合わせをする必要があります。自分達のレイアウト変更が終わって後はよろしくねというのは良くないです。配慮を忘れないようにするべきです。
Before After の写真を撮影する
レイアウト変更前と後の写真を撮影しましょう。レイアウト変更が完了すると不思議なことですが「前どうやったけー??」と忘れてしまうことが多いです。Before Afterを写真にすることで変化が分かって「おぉ!!スッキリして良くなったねー」という具合にカイゼンをメンバーでシェアして達成感を味わうことができるのでオススメです!
「周りを巻き込む整理整頓」としてレイアウト変更について書きました。なかなか大変かもしれないですが、レイアウト変更には調整が必要ですし、段取りもしっかりしないといけないです。不平不満も言われるので、相手の話を聞いて対話をしないといけないです。そういう意味ではレイアウト変更のメイン担当になることは自分のスキルアップにもなるかもしれないです。じっと見て問題発見したアナタはぜひ挑戦してみてください!
さて、第9回はテーマを「地域に飛び込む」に変更して、実際の事例を紹介しながら、FRTの苦戦ぶりを紹介します(笑)
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