優しかった

自由を求めて羽ばたいていく。
空を飛んで風の気持ちよさを感じたり
空の青さに目を細めたりする。
そんな時ばかりではないと
強風に混じって鋭く雨が打ち付ける。
僕は自由とは何だ?と考える。
自分勝手に生きていけることこそ自由であり
そこに苦労はありはしないと固定した考えが
当然の様に有りました。
然し、一人で飛んでいくことは、
難しいことの連続で、
どうやって生きていくかを考え、
自分で餌を獲る方法を身につけ、
新たな場所の自分とは違う性質の生き物と
心を通わせていかねばならなくて、
自由とはラクなものでは無いなと感じる。
今まで与えられていたことは、
どれも苦しくて、早く広い世界に行きたいなぁ
と思っていたけれど、
広い世界は僕が想像していたよりも困難が多く
一人で飛び続けることは寂しくて、
空の青さを見つめながら、
かつての囲われた生活の中の優しさや
温かさを思い出して、
あれは苦しいばかりではなかったのだと
漸く知ることができたのだ。

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