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【アニメ感想文】GWに「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を一気見して箱ティッシュ1箱潰した話(その2・外伝と劇場版)


0.はじめに

 今年のGWはマリオの映画と「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」で終わった筆者です。さて、前回の記事(TV版とOVAの感想)の続きで、今回は「外伝」と「劇場版」の感想回です。また1万字超えちゃった…。

1.外伝「永遠と自動手記人形」

(1)前半:「寂しくなったら名前を呼んで」

 大陸縦断鉄道が開通しているので、時系列的には13話の航空祭後あたりですかね。「良家のお嬢様だけが通う女子寄宿学校」に通うお嬢様の一人であるイザベラさんの家庭教師という、今までとはだいぶ毛色の異なるお仕事に派遣されたヴァイオレットさん。依頼主(イザベラさんの父親か)がなんで自動手記人形に家庭教師を頼もうという発想に至ったのかは少々不思議ではあるものの、おそらく第5話のドロッセル王国での公開恋文の件あたりでヴァイオレットさんを知って「この子なら家庭教師とかもいけそうやん」と思ったのでしょうか。貴族の発想というのは庶民であるわたくしにはあまり理解できないのですが、結果的には最適任でしたね。
 あくまで家庭教師かつ侍女という立場ながら、第3話に続いてヴァイオレットさんが疑似的に学園生活を楽しめているのかもしれないと思うと、ちょっと嬉しくなります。なお、頭の上に本を何冊も置いても微動だにしないヴァイオレットさん、睡眠不足であくびするヴァイオレットさん、髪型で遊ばれるヴァイオレットさんは貴重な萌えポイントです。昔なら3日くらい寝なくても顔に出さなかったんだろうなあ。そう思うと、すっかり普通の人になってきたわけで、なんか感慨深いですね。
 さて、最初はぎこちない雰囲気のヴァイオレットさんとイザベラさんですが、徐々に打ち解けてきて「友達」になる二人。ちょっと脱線しますが、「友達なら一緒にお風呂入ってもいいでしょ」とイザベラさんに誘われて実際一緒に入浴するヴァイオレットさん、めっちゃ肌綺麗なんですよね。正直、この流れになったときに不死身の杉元みたいな傷だらけの身体かもしれないと少し構えてしまったのですが…そういや顔の傷もいつの間にかなくなってたし、身体能力だけでなく回復力もめちゃくちゃ高いのかもしれない。
 話を戻します。お互いを知ることで心を交わし、本当の意味での「友達」になっていく二人。このあたりはヴァイオレットさんがこれまで様々な人々の感情に触れてきたことにより、素晴らしいまでの共感力を身に着けたこともあってのベストマッチだったのかなあと。練習を重ねることで身に着けた二人の息がピッタリ合ったダンスのシーンは、短いながらも素敵な描写でした。
 その後、ヴァイオレットさんが去る前に「手紙」を依頼するイザベラさん。そこで自分の出自や「妹」のこと、妹のために離ればなれになり「エイミー」から「イザベラ」になる道を選んだことなどを語るのを聞いて、互いに「少し似ている」と感じるヴァイオレットさん。実際二人とも「親がいない」「大切な人との別離を経験した」という繋がりがあるので…そしてヴァイオレットさんは「会えなくても伝えられるのであれば、手紙でも想いを伝えるべき」と感じている(おそらくこの時点でのヴァイオレットさんは「少佐は生きているかもしれない」と信じているけど、一方で「自分は想いを伝えることを叶えられないかもしれない」とも薄々感じているぐらいの段階のはず)からこそ、イザベラさんの手紙を真っすぐに受け止めて書くことができたのだと思います。
 ヴァイオレットさんが「なんとなく、料金を受け取りたくない」と感じたのも「仕事ではなく、友達のためにやったことだから」という気持ちがあったからだと思います。確かにこの二人には友情が芽生えていたのだろうと、改めて感じるいいシーンです。ただ、個人的にはヴァイオレットさんの最初の友達はルクリアさんだと思っているけどなあ!!(ヴァイルク過激派の勝手な意見です)
 おっと失礼取り乱しました。このあとの、ベネディクト君がイザベラさん、いやエイミーさん(ここからはその名で呼ばせて頂く)の妹であるテイラーに手紙を届け、代読するシーン。これも泣けます。まだ言葉もつたないような歳ではあるものの、「エイミー」という名前はちゃんと憶えていたテイラー、そしておそらく手紙の内容はまだ理解しきれなかったとは思われるものの、なんとなく本能的に「姉」との別れを感じたのでしょう…。短い手紙ながら、エイミーさんの想いは確実に届いた。そして、ここのエイミーさんの独白の「(エイミーという名前を)魔法のように君が唱える限り、君を幸せにしたいと想ったことは、ずっと、消えないんだよ」なんですが…コレ視聴者視点だと、9話のホッジンス社長の台詞「してきたことは消せない。でも…君が自動手記人形としてやってきたことも、消えないんだよ。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』」を想起して余計に泣けてしまう。確実に狙って刺しにきていますね。こういうところがこの作品のおそろしいところなんですよ。んで、おそらくヴァイオレットさんもそこらへんのことをエイミーさんに話していたんじゃないかなあと。きっと「想いは、消えないのです」とか、手紙を書きながらエイミーさんに伝えてたのでは…とか妄想すると、それだけでまた泣けます。

(2)後半:「君の名を呼ぶ、それだけで二人の絆は永遠なんだ」

 場面は変わって「寂しくなったら名前を呼んで」から3年後、成長したテイラーがライデンにやってくるシーンから始まる。そういや前半の冒頭でちらっとテイラー映ってたね。
 また、平行してベネディクト君の郵便配達のシーンが続くものの、「毎日同じことに繰り返し」とちょっと退屈に感じているような様子。とは言いつつ仕事は真面目にやるベネディクト君。そしてテイラーさんとベネディクト君の再会。ちなみにこのあたり、3年後ということもあって、C.H郵便社のみなさんも少しずつ雰囲気が変わっているのが細かい。ヴァイオレットさんは17~18歳くらいでしょうか。
 3年前のヴァイオレットさんからの「困ったことがあったら頼ってほしい」という手紙を頼りに「ここで働かせてほしい」と頼むテイラーに、かつてのヴァイオレットさんを重ね合わせる社長。それも「郵便配達人になりたい!」という頼みになんやかんやで断り切れないベネディクト君の面倒見のよさ、このあたりもヴァイオレットさんが初めてC.H郵便社にやってきたときを思い出させるのがニクい演出だと思います。
 テイラーを連れていつもの郵便配達の仕事をするベネディクト君に、「一度も地図を見なかった!」と驚くテイラー。ベネディクト君にとっては当たり前のことだけど、初めて郵便配達を経験する子供にとってはすごいこと(そして実際は大人にとってもそうそう簡単にできることではない)であると視聴者に認識させる演出でもあるんですよね。というわけで、この後半パートは「手紙を書く人」だけでなく「手紙を届ける人」の重要さに焦点が当たっています。現実でも筆者はいつも、手紙や荷物を運んでくれる人にさんざん助けられています。物流素晴らしい。頑張れ物流業界。
 そういや今更なんですが、ヴァイオレットさんが社長から最初にもらった犬のぬいぐるみ、最初の頃はそこらへんに転がされてたのが、徐々に「とりあえずベッドの上に置く」→「机の上に置く」を経て、きちんと机の上に鎮座して「外を見ている」んですよね。こういうところもヴァイオレットさんの成長にリンクしているようで細かい演出。こういうところがこのアニメのいいところだと思います。
 テイラーの髪を三つ編みにしてあげるヴァイオレットさん、前半でエイミーさんに髪をいじられるヴァイオレットさんを思い出させる。こうやって、いちいちいろんなところで違う場面をリンクさせてくるのもこのアニメのいいところだと思います。いいところばかりだなこのアニメ。逆に不安になってきた。
 さて、その後筆者的にはヴァイオレットさんにとっての初めての友達ではないかと改めて激しく主張したいルクリアさんが再登場し(ただ、ヴァイオレットさん的には同じドールなので同僚に近い認識なのかもしれない)、どうやら幸せそうな様子を見せつけてくれたり(恋人ができたということは、おそらくあの後兄貴も無事社会復帰できて、兄妹揃ってお互い余裕ができたのでは…と推測できるあたりもルクリアさんファンとしては嬉しい)、配達先にエレベーターが設置されていることから文明レベルがだいぶ上がってきている様子が伺えたり、何気ない場面にも時間の流れを感じさせてきます。
 しばらくして、テイラーの姉を探せないかとベネディクト君に頼むテイラーとヴァイオレットさん。そして「やるだけやってみよう」と頑張ってくれるベネディクト君。やっぱりいいやつだなこいつ。何気に調査パートで電話が登場しているあたり、このあとの劇場版の伏線にもなってますね。
 そしてどうにか目星を付け(とんでもない調査能力だなこいつ。ある程度対象を絞り込んだうえで虱潰しに…といっても、それを実行できるあたりできる男であり郵便配達で色々な事情に精通した結果の能力なのかもしれない?)、報酬として社長から新品のバイクをもらい、テイラーともども手紙を届けに行くベネディクト君。後半パートの実質的な主人公だね。
 この後は…もう泣くしかないわ。完全に「イザベラ」になったエイミーさんに手紙を届けるベネディクト君と、「あえて会わずに陰から姉を見守るだけ」のテイラー。手紙を締めくくる一言、「わたしは、テイラー・バートレット。『エイミー・バートレット』の『妹』です」の重み、それに対して「『僕の』妹…」と一瞬だけ「イザベラ」から「エイミー」に戻るのがね…そして、二人をヴァイオレットさんが繋いだことも含めて心の底から「良かった…」と呟くエイミーさんに「同じじゃねえか…」ともらい泣きしそうになるベネディクト君。そして、いつかテイラーが一人前の郵便配達員になったら…という少し未来の話をしながら、テイラーも「立派な郵便配達員になったら(姉に)会いに行くんだ!」と決意する。やっぱりね、「今」会おうと思えば会えるのに、姉の気持ちを考えて「いつか、正面から会いに行ける立場になったら」会いに行こうと考えるテイラーがね、このほんの少しの間で一気に成長したなあと。ちなみに劇場版の1シーンに、テイラーが郵便配達員としてC.H郵便社で働いていたことを示唆するシーンがあるみたいですね(一瞬だったので見逃していた)。あとで劇場版の感想書くときにチェックしておきます。
 さて、最後のベネディクト君の郵便配達、後半の冒頭と同じように「いつもと同じ」配達をしているのだけど、自分の仕事が「幸せを運ぶ仕事」だとテイラーから言われたこともあって、少し誇りをもって仕事をしている感じなんですよね。だからこそ、バイクに興味を示す子供たちを追い払うところもちょっと優しくなってるし、いつも同じ質問をするおばあちゃんにも優しく答える。やっぱり後半はベネディクト君の成長物語でもあるんですよ。正直最初の頃は「外回りの仕事なのにハイヒールなんて動きにくそうな靴履いてて大丈夫なのこの子」と心配になってましたが、TV版~外伝と通じて「なんやかんやでいい兄貴分」に評価が爆上がりしました。
 あと、後半のタイトル「君の名を呼ぶ、それだけで二人の絆は永遠なんだ」が深い。前半は「エイミー」という名前は「テイラーが寂しくなったときに唱える魔法の言葉」だったのが、後半のラストでエイミーさんがテイラーの名前を叫ぶシーンからも「お互いの名前を呼ぶことで、二人が姉妹であることを確かめる言葉」に意味が変わっているんですよ。もう「寂しいから唱える」のではなく「寂しくないことを確かめる言葉」になっているわけで…本当に計算され尽くしているな構成。こわくなってきた。
 この「外伝」のために書き下ろされた新曲「エイミー」もまたストレートな歌詞が染みる。茅原実里さんの歌い方も、「みちしるべ」の時のような素朴さから一転して感情的に歌っていて、これも「エイミー」という名前が姉妹を繋ぐ絆であるということを示していて、なんとも心に残る。「祈り」にも似た曲に感じました。それ以上のことはあえて言いません。

2.劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン

(1)すまない、まずはありったけの感情を吐き出させて欲しい

 ここまで読んでくださった方には大変申し訳ないのですが、劇場版についてはまともに感想やレビューをする前に、いったんありったけの感情を吐き出させていただきたい。というわけでこの(1)については、筆者…310kentという人間の雄叫びのようなものだと思って読んでください。このパートでは、だいたい視聴時に感じたことをTwitterの実況っぽく箇条書きにしています。まともな感想を読みたい方はここを飛ばして(2)に進め。
【以下、実況みたいなもの】
・オイオイ開始5分でTV版履修者を泣かせ、未履修者をふるい落としにかかってきた。いきなり10話の話の回想は泣くだろ。でも未履修者置いてけぼりじゃん!
・アカン少佐が出るだけでも泣く
・感情豊かになった割には市長に対しては昔のような塩対応しちゃうヴァイオレットさん平常運転
・エリカさんは昔の髪型の方が好みだが、これはこれで。あと安易に眼鏡を外させなかったのはスタッフ有能
・この時代の電話って交換手通じて繋げてそうなんだけど、この作品だと直通なのね
・電話自体は外伝から登場していたけど、「電話が手紙を駆逐するのでは」って危機感、通信手段が目まぐるしく変化していく現代にも通じるものがあるな
・ヴァイオレットさんとベネディクト君の身体能力でテニスのラリーしたらそれはもうテニプリになるのよ
・大佐すっかり丸くなったなあ
・少佐生きてんの!? 記憶喪失とかになってそう
・今更だけどヴァイオレットさんの名乗り口上すき
・ああ、また家族に言葉を遺すやつだ…ストレートでベタだけどこういうのに弱いんだよなあ
・スニーキングミッションはやや苦手そうなヴァイオレットさんかわいい
・ヴァイオレットさん「優しい嘘」は平気でつくようになったよね(ただの領収書だか請求書っぽい書類を割引サービスのメニューと言い張るやつ)。人間的な成長を感じてちょっとうれしい
・サムズアップするヴァイオレットさんかわいい
・(推定)少佐も手紙を書く役割を…?
・大佐嫌われてるなあw
・目の前でポケットに手を突っ込んだらまあ警戒はするよね。紛らわしい動作をした大佐が悪い。ロスなら撃たれてる
・わざわざリボン届けてくれる大佐やさしい
・ご飯に誘われなかった大佐かわいそう
・形見分け! そういうのもあるのか
・義手の扱いに長けるようになったことで、ヴァイオレットさんの成長を表すの上手いなあ
・やはり社長はヴァイオレットさんを実の娘のように想ってるんだなあ
・大佐の「(帽子は)俺のだ」と気まずそうに言うのに対してスンっと帽子を元に戻すヴァイオレットさん
・大佐、相変わらず口下手だけどヴァイオレットさんに対してめっちゃ優しくなったよね
・もうこの二人でくっついても僕は許すよ? 解釈違いではあるけど
・どちらかというと同担拒否から同担歓迎になったのか、ヴァイオレットさんと大佐の関係(二人とも『ギルベルト少佐推し』という共通点がある)。ヴァイオレットさんがお酒を飲める年齢になったら酒飲みながら推しトークしてほしい
・依頼主の少年がね…もう達観してる感じなのが切ない
・「本当の気持ちは、伝えなければわからない」なんて言葉がヴァイオレットさんから出てくるとは…本当に成長したなあ…
・「指切り」もなんか切ないね
・ヴァイオレットさんはまだ少佐が生きている可能性を信じているんだな
・「友達を心配させたくないから、弱った姿を見せたくない」っての、わかる
・カラスの群れが露骨に不吉ゥ!
・あ、OVAで配達員のおじいちゃんが見せてくれた倉庫だ
・あ、ここで推定少佐が代筆した手紙と繋がるのか…ご都合主義だけどこういう展開嫌いじゃないわ
・相変わらず口下手な大佐
・筆跡で察するあたり兄弟仲は良かったんだな
・尺の都合とはいえこのタイミングでヴァイオレットさんに伝えるのは時期尚早じゃない?
・自分の感情が確かなものになったからこそ、「少佐に会えるかもしれない」ってなって感情が暴走気味になってるのがなんともヴァイオレットさんの成長を感じるとともにつらいところ
・アンの孫がライデンに!
・未来では、C.H郵便社は博物館になったのね
・(註・これは二回目視聴時に確認)集合写真にテイラーっぽい子がいる! でもヴァイオレットさんはいない!? となると「18歳で退職した後」に撮られた写真?
・こういう博物館すき
・このおばあちゃん、受付の人か
・推定少佐が流れ着いた先、戦争で大人の男性の多くを失った島なのか…
・あ、これ推定じゃなくてほぼ確定だわ
・記憶は失ってなさそう
・少佐のことで頭がいっぱいになってるヴァイオレットさん、以前は「少佐が自分のすべて」だったんだけど、今は「失ったはずの大切な人にまた会えるかもしれない」なので意味合いはだいぶ違うんだよね
・カマキリの腕が片方ないことから察しちゃうヴァイオレットさんよ…
・どうやら少佐は元気そう&子供たちに慕われていると知ってめっちゃ笑顔になるヴァイオレットさん尊い…ただこの後すんなりとは会えないんだろうなあ…
・社長と少佐、灯りをつけずに話す&少佐の方がより暗いところにいるってあたりが心理描写よね
・しかし少佐よく生きとったな。この人も大概だわ
・やっぱ兄弟揃って想いを伝えるのが下手!
・ああもうじれってえな!!
・今更だけど少年兵時代のヴァイオレットさん、装備最低限すぎるだろ。せめてヘルメットと銃剣くらいは与えてよ。兵站仕事しろ(註・筆者はこの時点ではまだ、この頃のヴァイオレットさんが軍属ではなく『少佐の武器』扱いになっていると知らない)
・子供たちの話を聞いてテンション上がって声が高くなってるヴァイオレットさん、直前の少年兵時代のシーンと近い声のトーン(幼くなってる感じを表現?)なの、演じ分けがすごい
・「雨」イコール展開が重くなる暗喩としてはストレートなのよね
・表現としてはどこまでもベタでストレートなのだけど、TV版から一貫して描写が異様なほど丁寧
・OK、もうドアぶち破ろう。ちょっと誰かラフメイカー呼んできて
・一人で罪を背負って現実逃避するなよ少佐ァッ!!
・でもその気持ちが少しは理解できてしまうようになったが故に引いてしまうんだよなあ今のヴァイオレットさんは
・社長が全視聴者の気持ちを代弁してくれた(ちょっとスッキリ)
・抜け殻になったヴァイオレットさん…辛い
・あ、この子供の頃に読んでた本あれかあ!
・ユリス君…
・お前仕事の引継ぎしてなかったんかい!(非公式に受けた仕事だから引き継げなかったってのもあるかもしれないけど)
・モールス信号的なものの通信機があったのは幸いだったな…
・この状況でヴァイオレットさんが「愛してるを教えてくれた人」に再会できたことをまず喜べるユリス君…優しすぎるだろ…
・これ「会話」「手紙」「モールス信号」「電話」とあらゆる方法を使ってヴァイオレットさんやユリス君の想いを繋いだってことか…
・悪い、やっぱ辛ぇわ
・雨があがった
・やっぱベタだけど演出が凄いわ
・ユリス君から弟君への手紙、きっとエイミーさんからテイラーへの手紙のように将来弟君にとって大事なものになるんだろうなあ
・「少佐を殴るのは、私が……冗談です(たぶん本気)」
・少佐が生きていてくれて嬉しいのは本当、だけど会えないのはやっぱ辛い、そんな感情が入り混じった表情…
・少佐が作った滑車で初めて運んだブドウも「すみれ色(ヴァイオレット)」なんだよなあ…こういう細かい描写が本当に上手いよね
・ここで「手紙」かあ…
・戦争で傷つくのは結局「普通の人」なんだよね…なんか今(2023年5月)観ると余計に深く感じる
・俺の大佐が!!(筆者のものではない)
・大佐の株がストップ高なんだが? 登場するたびに株を上げる男
・ここ「かつては道具だと思っていたけど、『今』を知ったから一人の人間としてヴァイオレットさんを見ている大佐」と「まだ『道具』として使ってしまったことを悔いたままのところで時間が止まっている少佐」の対比になってるのね…
・手紙と回想でもう泣きそう
・手紙の内容があくまで「ありがとう」を伝える「お別れの手紙」になってるのが、ヴァイオレットさんが自分の気持ちに強引に踏ん切りをつけようとしてる決意がわかってしまいつらい
・ここで「みちしるべ」は反則だろうが!!
・大佐が兄貴してる…
・走れ少佐
・まさか飛び降りるわけが…飛んだあ!!
・これヴァイオレットさんの超人的身体能力を知らない金曜ロードショー民絶句してたのでは
・ご都合主義万歳。ベタ中のベタだけどやっぱこうじゃないと「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」じゃないよなあ!!
・実際に顔を合わせると言葉が出せないの…もう…
・抱けぇっ!! 抱けっ!! 抱けーっ!! 抱けーっ!!(だまれっ俺の中のノスタル爺!!)
・この「愛してる」はアレですね…少佐的にはもう家族愛には留まってませんね…どうしよう(やや解釈違いな展開で動揺中)
・祝福の花火
・電波塔が完成した時には、もうヴァイオレットさんはライデンを去っているのか…
・「引き受けていた仕事をすべて終えてから」退職したのがヴァイオレットさんの律儀さを表している
・ヴァイオレットさんが島に「手紙」の文化や「良き自動手記人形の証」をしっかり遺している…!
・「みんなに慕われた、人気のドールが『いた』」ということは、さすがにアンの孫の代だし存命ではないか…いやドールを引退しただけでまだ存命の可能性もあるか…?
・郵便局のおじさんのサムズアップ、これ絶対ヴァイオレットさんが伝えたやつだろ!!(初見時ここで涙腺決壊)
・アンの孫が親に想いを伝える方法も、また「手紙」…「繋がってる」ねえ
・ヴァイオレットさんが「まっすぐ歩いている姿」を切手にしたの、センスの塊すぎる。TV版のエンディングを思い出すなあこの横姿。これ欲しい(註・後で知ったんですけど、エカルテ島からの消印とヴァイオレットさんの切手がついたポストカードが劇場版の特典になってたのね)
最後に判明する劇場版のタイトル「あいしてる」は反則すぎる
・エンディング曲「未来のひとへ」、歌詞がそのまんま「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」なンだわ
・今から文部科学省に交渉して「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」TV版全話+OVA+外伝+劇場版を義務教育に入れられないだろうか
・ラストシーンがヴァイオレットさんと少佐の「指切り」で(この「指切り」もユリス君から伝えられたもの、なんですよね)、窓枠の影が十字架に見えるの、どうとでも解釈できるようになってるのね…最後まで計算され尽くしている(解釈違いではない可能性も残してもらえてちょっと安心している)

(2)冷静になってから書いた、完走した感想

 この映画、最強のファンアイテムだわ。徹底的に作品のファンだけに向けた内容に振り切ってる。
 まずスタートラインからして「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の完結編であって、最低限TV版は全話履修していないとお話についていけないんですよコレ。なので正直なところ、金曜ロードショーで放映したの、担当者が相当無理したのではとすら思ってしまう。だって金ローだと総集編放送(1~3話・7話・10話を監督自らが編集したやつ)→総集編の翌週に外伝放送→外伝放映の1年後に劇場版放送だったわけで、いやまあ外伝まではギリわかるんだけど、劇場版をいきなりポンと出しても「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」未履修者には正直「?」になると思うのですよ。だって開始5分でいきなり知らない人の回想シーンが入るし、それ見て履修済みの連中はタイムライン上で嗚咽してるしで、いきなりふるいにかけてる。そもそもいきなり劇場版を見せてしまうのが暴挙。野球をやったことがない人にいきなり9回裏1点差の状況でクローザーをさせるようなもんだもん。ただ、おそらく金ローの担当者としては「これ見て何か引っかかった人はNetflixかBDで『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』本編を観て、んでもう一度劇場版を観て本当の意味を理解してほしい」って気持ちだったんだろうな。視聴者の中の未履修者のうち何%かが「お、本編も観てみるか」と思ってくれたらそれでOKというアレだったのではないか。これもう公共の電波使った布教活動じゃん。ガチ勢すぎるだろ金ロー担当者(あくまでも筆者の想像です)。
 というわけで、映画の中である程度話が完結していた「外伝」と比べると、どうしても「単品の映画としては」あまり親切ではないなあというのが「あくまで単品の映画として評価する場合」の正直な感想。単品で見てしまうとどうしてもご都合主義が過ぎるし、2時間半近く尺があっても駆け足気味になってたし、ヴァイオレットさんがなんで少佐にそんなにこだわるのかもたぶんTV版未履修者には通じないし、船からだと少佐見えないし声も聞こえないだろってツッコミも出ちゃうだろうし、船からふつうに飛び降りるヴァイオレットさんに「なんで!?」ってなるだろうし(TV版履修済みの人達は、ヴァイオレットさんの身体能力的にはこの程度のことならまったく問題ないし、なんならかつて3歩ほど水上を歩いたという実績があることをご存じなので「今なら海の上を走ることすら可能なのでは?」と考える余裕すらあるかもしれない ※ただし2周目以降に限る)、まあやはり視聴後に一見さんや金ローで観たらしき人たちの感想を見たところ、「映像としては綺麗だった」「話としてはよくわからなかった」というのがいくつかあったんですよね。仕方ないよ。だって13話まで観てるのが最低条件なんだから。なんならチケット売るときに「『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』をご存じか?」って聞くべきだと思うんですよ(そういやまだRRR観てないな)。金ローでも「1か月後に劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンを流しますので、観たい方はあらかじめTV版を履修してきてください」ってアナウンスするべきでしたね。なんなら深夜にでもTV版全話放送とかしてもよかったのでは。筆者が知らないだけで、ひょっとしてそれに近いことはやってた? まあいいや。
 とにかく、「単品の映画」としては評価しにくいものの、これがTV版ヴァイオレット・エヴァーガーデンの「第14話」(あるいは外伝を14話・15話に位置付けるなら16話か)の「一つの形」としてとらえると、ほぼ完璧に近い出来に評価が逆転するのが面白いところ。なおここであくまで「一つの形」と表現したのは、13話のあの締め方もあれはあれでいろいろと妄想の余地を視聴者に与えるいい終わり方だったと感じているからです。
 なので、筆者は「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という物語はマルチエンディングであり、視聴者が13話を観終わった後に想像したであろう終わり方も正しいし(たとえばライデンで普通の一人の人間として生きていくのも正しいだろうし、何かのはずみで大佐と意気投合しちゃう可能性もなくはないし、視聴者一人ひとりの中に「自分的に一番しっくりくる終わり方」はあると思う)、原作小説(未読だけど)も一つの終わり方として正しいだろう。もちろんこの「劇場版」も公式が勝手に言ってるだけで一つの終わり方としてもちろん正しい、という説を提唱したい。ただ「お話の中でくらい、ハッピーエンドが見たいじゃないですか」とかつて『Kanon』というゲームで美坂栞という少女が語っていたように(これが通じる人は筆者と同年代以上の可能性が高い。最近Switch版が出たので気になる人はぜひプレイしてみよう。画風が独特ではあるが、話とBGMはなかなか良い。あと偶然にも京都アニメーションがアニメ化しているからそっちを観てもいいと思うよ?)、やはり劇場版は、ハッピーエンドとしては最高に近い形だと思う。救いはここにあった。
 オーラスがヴァイオレットさんと少佐の「指切り」だったのも、「少佐はなんかいろんな想いを込めた『愛してる』を伝えちゃってましたけど、その後二人が実際にどのような関係になったかについては、皆さんの想像にお任せします」と公式側が想像の余地を残してくれたのだと考えられます。ここで安易にキスシーンで終わらせてたらすべてが台無しになったと思う。ここらへんTV版13話の〆の「『愛している』が"少しは"理解できるのです」と同じで、絶妙なさじ加減。そして、ヴァイオレットさんがユリス君から受け継いだ「約束を守るための『指切り』」だからこそ意味があると思うのですよ。
 筆者的には、前回のTV版感想でも語ったとおり、少佐の「心から愛している」は、もともとは「家族愛」的な、「親が子を想う愛情」のような感情だったのだろうけど、たぶん年月がだいぶ経ったこと&ヴァイオレットさんが成長したこと&久しぶりに顔を合わせて感情が爆発したことetcが積み重なって、なんかこう劇場版では最終的に「なんかもう自分でもよくわかんないけどヴァイオレット大好き! やっぱりそばにいて欲しい!!(ドンッ!!)」になっちゃったのかなあと想像することにする。ヴァイオレットさん側の返事もひとまず「そばにいる」ことこそ選択したものの、その後どのような形で一緒の時間を過ごしたかまでは描かれてないですしね(これもアンの孫が島を訪ねたときに、安易に二人の子孫とかを出さなかったあたりが絶妙だと思う)。ただ、ヴァイオレットさん側も少佐への想いは「敬愛」から「親愛」を経て「恋愛」になり、結果的に「家族愛」になるんではないかと、劇場版二週目を観終えた後だと考えられるようになりました(前述のとおり、最初は「この二人が恋愛的にくっつくのはちょっと違くない?」と解釈違いに少し悩んだ)。

3.おわりに

 この人(筆者)、前回の記事を含めると、ここまでで約26,000字(原稿用紙65枚以上)以上ヴァイオレット・エヴァーガーデンについて書いてるそうですよ奥様。この時点での「BLUE GIANT」関係の記事の合計や、「アイマス」関係の記事の文字数の合計を上回ってる可能性が高いですね。いやまあその気になればツイッター数回程度にもまとめられたんですけどね、この作品を完走して、「これはやっぱり冗長になってもありったけの感情を吐き出さないとダメなやつだ」ってなりましたのよ。結局、TV版の感想書くのに1週間、その投稿後に外伝と劇場版を改めて観返しながらこの記事を書いてさらに1週間、合計2週間かかりましたけど悔いはないです。文章書くのは好きなんですよ。ただまあ、ここまで長文になるとは完走した感想を書き始めた当初は想像だにしなかったですが…。
 さて、こうして一人の人間がひとつのコンテンツの「沼」にハマっていくところをありのままにさらけ出してみたのですが、ここまで長文にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。基本的にはライブや映画等の感想やアイマス関係の布教記事がメインとなりますが、そっちも気が向いたら読んでみていただけますと幸いです。
 いやあ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」って、本当にいいもんですね。それでは、さよなら、さよなら、さよなら…(昭和的な映画の締め方よくばりセット)。

どっとはらい。

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