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「指示待ち人間」を卒業させる。裁量を学ぶ道

1. 田中の課題:裁量の範囲が不明瞭

私がかつてリーダーとしてチームを指導した経験から一つ、具体的なシナリオを共有します。私のチームには、仕事が非常に早く、一度任されると完璧にこなす新人メンバー、田中(仮名)がいました。しかし、田中が引き受ける仕事の範囲が限定的で、新しい課題や変わった状況にはなかなか対応できない状態でした。その原因は、何をどの程度まで自分の裁量で決めて良いのかがわからないというものでした。

2. マネジメントフレームの共有:田中への指導

そこで私は、マネジメントが考えるフレームを具体的に田中に共有しました。一つのプロジェクトを通じて、「どのような時には自分の判断で進めて良いのか」「どのような時には上司や他のチームメンバーに相談するべきなのか」を具体的に示し、またその理由も説明しました。

3. フレームの体験:田中の自立

また、私自身がそのフレームに基づいた行動を見せ、田中に「これが私の判断のフレームです」ということを伝えました。そして、そのフレームに基づいて自分で考え、行動することを田中に促しました。

4. 成功と失敗:学びの機会

その結果、田中は初めて自らの裁量でプロジェクトを進行し、その結果をチームに発表するという経験をしました。そのプロジェクトは成功し、田中は大きな自信を得ました。しかし、全てが順調だったわけではありません。田中が判断を誤り、間違った方向にプロジェクトを進めてしまったこともありました。

しかし、それは学びの機会となりました。失敗した原因を分析し、私と田中で共有することで、田中はどのような時にどのような判断をすべきかをより深く理解することができました。

5. 裁量を学ぶ:体験から覚える

この一連の流れは、田中にとって「裁量を学ぶ」経験となりました。自分で判断し、行動する経験を通じて、裁量の範囲を体験的に理解し、そのフレームを自身のものとすることができました。そして、その経験はチーム全体にも影響を与え、一人一人が自ら判断し、行動する文化を育てることにつながりました。

6. マネジメントの考え方:裁量を覚えていく

このように、マネジメントの考え方を具体的に伝え、それを体験することで、メンバーが自ら考え、行動する力を育て、判断すべき裁量を覚えていくことが大切です。

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