UXデザインの一般的な手法を整理する(個人的な勉強)

現在、新しい職場での勤務スタートを控えて有給休暇消化中。せっかくのチャンスと思い、これまで網羅的に学んでこなかったUXデザインにおいて、一般的に使われる手法(プロセス)を整理してみました。

UXデザインやデザイン思考では、プロセスではなく根本の考え方が重要というのは理解しているつもりですが、一般的とされるプロセスを知らないままでは良くないなと思ったのが整理に至ったきっかけです。

あくまで個人的な勉強のアウトプットであり、新しいことや自分の経験から学んだことは書いていません。またWebから拾える情報のみで構成されており、書籍での勉強はこれからという状態での整理となっています。

0. UXの5段階モデル

UXデザインは非常に広範囲に渡るため、「UXデザインとは何か?」を定義するのは難しいですが、一般的な説明としてUXの5段階モデルがよく持ち出されます。

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出典: UXデザインにおける5段階モデルとは? | Goodpatch Blog

これはExperience DesignerのJesse James Garrettさんが提唱した概念図で、コンセプトを具体的なモノやサービスに作り上げる制作の流れを5つの段階に分解したものです。

順序的には先に行うべき段階が下に描かれているのは、下の段階が上の段階を支える土台になっていることを示しています。

今回はこの5段階ごとに、よく使われるUXデザインの手法を整理してみることにしました。参考にしたのは、以下の2つの記事です。

1. 戦略段階

▼どんな段階か
 どのようなユーザーにどのような価値を提供するかを決める。

▼一般的なアウトプット
 モノ/サービスのビジョン、コンセプト、ビジネスモデルなど。

▼よく用いられる手法

●市場やユーザーを知るための手法
・エスノグラフィー
・フィールドワーク
・ディプスインタビュー(ユーザーインタビュー)
・ペルソナ法 

●ビジネス的なリサーチ・分析のための手法
・PEST分析
・SWOT分析
・リーンキャンバス
・ビジネスモデルキャンバス
・KPIツリー


2. 要件段階

▼どんな段階か
 目的をどのように達成するか方針を決める。

▼一般的なアウトプット
 ユーザーが体験するストーリー、モノ/サービスに必要な機能・要件など。

▼よく用いられる手法

・バリュープロポジションキャンバス
・ストーリーボード
・サービスブループリント
・カスタマージャーニーマップ 

3. 構造段階

▼どんな段階か
 要件段階で決めたストーリーや機能を、どのような情報とデータの構造で実現するかを設計する。

▼一般的なアウトプット
 UIクラス図、UIモデリング図、情報アーキテクチャ図など。
(自分があまり理解できていない部分)

▼よく用いられる手法

・カードソーティング
・LATCH
・ヒューリスティック評価
・認知的ウォークスルー法
・構造化シナリオ法(バリューシナリオ)
・タスク分析

4. 骨格段階

▼どんな段階か
 ユーザーが機能をどのように体験できるか具体的なインターフェースを設計する。また設計したものを検証する。

▼一般的なアウトプット
 ワイヤフレーム、プロトタイプ

▼よく用いられる手法

・デザイン原則、設計思想の理解
・デザインパターンのインプット
・デザイントレンドの調査
・プロトタイピング
・スケッチ
・ユーザービリティテスト 

5. 表層段階

▼どんな段階か
ユーザー像や課題を意識しながら、モノ/サービスがユーザーに与える感性的な要素を設計する。たとえば画面デザイン。

▼一般的なアウトプット
モノ/サービスの完成形。

▼よく用いられる手法

・ビジュアル・アイデンティティの構築
・ビジュアルデザイン
・視線誘導
・ユーザービリティテスト

まとめ: 整理してみて感じたこと

3の構造段階の理解が乏しいことが明らかになりました。ここは優先的に実例を見ながら学習を深めたいと思います。

また、2の要件段階はこれまで実務で多く経験した部分ですが、アイデア出しのためのストーリーボードやバリュープロポジションキャンバスは使ったことがないので、こちらも学んでおきたいと思います。

あと、個人的に興味があるのは1の戦略段階における市場やユーザーを知るための手法(いわゆるUXリサーチ)だというのも、整理してみて明らかになりました。上記2つの学習が終わったら、UXリサーチについても実例を見ていきたいと思います。




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