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INEOS159 - Enter the critical training phase -

 INEOS159プロジェクトの公式サイトにて、最近のEliud Kipchoge選手とそのチームメイト(NN running team)のトレーニングについての動画とブログが公開されました。

 これらを参考にINEOS159プロジェクトの現在の状況を少し紹介します。INEOS159プロジェクトについての記事はこちらです。

重要なランニングトレーニングフェーズに入る

 マラソン2時間切りに向けたKipchoge選手のトレーニングは本格的なランニングセッションに入っています。週間スケジュールとしては以下のようになっています。

火 : ファルトレク走
水 : リカバリー+エクササイズ
木 : ロングテンポ走
金 : リカバリー+エクササイズ
土 : スピードワーク or ファルトレク走
月、日 : 休養

柱となるファルトレク、ロングラン、スピードワークの三つのトレーニング間にエクササイズと休養を入れながら、高強度のランニングトレーニングを行うというサイクルです。動画を見てもらうとわかるのですが、エクササイズセッションではバランスボールやトレーニング用バンドなどを使用した体幹を鍛えるエクササイズを行なっています。現在はハードランニングにフォーカスしているので高負荷ではなく、自重やバンドの張力を利用することで過度な筋肉の疲労や怪我のリスクを抑えつつ、コアを支えるインナーマッスルを強化していると考えられます。

Role model for kenyan runner

 ランニングチームのメンバーやコーチはよく、Kipchoge選手はケニアランナーのRole modelだと言っています。

Role model(ロールモデル)とは見習うモデル、模範ということです。もちろん世界記録を持つKipchoge選手は全てのランナーの模範となるでしょう。

ただケニアのランナーたちにとって、模範となるのは偉大な記録やパフォーマンスだけではなく、Kipchoge選手と共に練習し生活することで、彼がなぜ世界一になれたのかを学ぶことができるのです。

最も偉大で、最も身近なランナー

 そしてそれは彼が最も偉大で、かつ最も身近なランナーだからです。すでにマラソン選手として大成功をおさめている Kipchoge選手は、しようと思えばいくらでも贅沢な暮らしができるはずです。しかし彼は他の選手たちと変わらない水準で暮らし、同じ環境で共に練習をして、皆と同じように仕事をします。

To [succeed in] sport doesn’t need any high-profile place to live.

スポーツの成功に暮らしの水準は関係ないというKipchoge選手の言葉です。

ケニアのランナー達はKipchoge選手と共にいることで、世界一のクオリティは特別な環境で育まれるのではなく、他の選手と同じように日々地道にトレーニングを積んでいくことでそのレベルに達することができることを身近に感じ、知っているのです。

これはとても重要なことで、最高峰のクオリティを持っている人も自分と同じ次元上にいて、その上でとてつもない努力をした結果、高みに行けたと。だから自分にもできるはずだと。そう想うことで人は自分の限界を押し上げられるのだと思います。

こういった意味でKipchoge選手はケニアランナーのロールモデルとしてリスペクトされるわけですね。また現代ではケニア人でなくてもこうやって発信された情報から学ぶことができることはとても幸せですね。INEOS159プロジェクトまであと2ヶ月ちょっとです。今が最も大事な時期だと思います。引き続き日本から応援していきたいですし、色々発信していきたいです。